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超短編小説

18
独り言のような短編集たちです
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#気まぐれnote

12時03分の日曜日

12時03分の日曜日

私が四つん這いで強請るのはね、
早く終わらせたいからよ

私がいつも口内炎があるって言うのはね、
フェラが好きじゃないからよ

私が眠たいと甘えるのはね、
頭ん中では違う人に置き換えてるからよ

私が胸を出さないのはね、
寒くてお腹が冷えるし服をまた着るのが億劫だから

貴方とのSEXは
ただのリフレッシュ。

今日もありがとね

月曜日の22時48分

月曜日の22時48分

緑の四角に赤い丸

ぽん、とつくだけで ふふと月を向く口角

昔のように音は変えれず

昔のように沢山の改行で隠れた文は作れない

けれどあえて通知を切って
ふと、つく赤い丸が

なんて気分をあげてくれましょう

線と線が繋ぐ糸電話みたい
私の文章があなたの画面に

赤い丸を灯しますように

おやすみ、またね

火曜日の6時57分

火曜日の6時57分

起き上がることは義務で
当たり前のように冷蔵庫に顔を突っ込み
感情が蠢くことにすら気怠くなる相手に弁当をつくり
いつのまにか好きなヒールは捨てていた

今日は帰りが早いだとか遅いだとか
私のなんかがどうたらこうたら
いつのまにか好きなリップは埃まみれ

誕生日なんてただの週末で
結婚記念日なんて口喧嘩パーティで
感情の命日は祝賀ムード

今日も今日とて冷蔵庫に顔を突っ込み
自己満足の感想も来ない弁

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土曜日の0時18分

土曜日の0時18分

いきなりごめんね

そう言って何ヶ月か振りの助手席に滑り込む
高速バス最終もわくわくしかなかった

部屋着のあなた
すっぴんにワンピースの私
不釣り合いな深夜の喧騒

夕飯は?
コンビニで大丈夫

まるで、
すぐ近くから来たかのような掛け合いすら
なんだか嬉しい

環状線から見る景色すきって
もう言わなくても知ってるのを知ってる

お互いのことに名前をつけなくても
指輪をもらうより、ずっとがある気

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4時38分の水曜日

4時38分の水曜日

ねえ、いつかえるの?

大きなガラスの窓に無作為に当たる雨が好き
こんな部屋に住めるなんて羨ましい
都心ではないけれど、ちょっと高い場所の部屋

外はじゃじゃぶりの雨なのに帰れってこと?

違う質問してるの

煙を吐き出しながら肌寒いキッチンからこちらをみてる

朝方の水彩みたいな世界が好き
大きなガラスの窓から見る景色
私があなたと居るんだって実感する
昨晩のセックスよりもずっとしみこむ気がする

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