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【番外編】ホームグラウンド周り散歩:Ron Barassi Senior Reserve

メルボルン・ヴィクトリーのホームグラウンドはほぼ全部網羅したような顔をしていましたがところがどっこい、状況は意外と変わるものです。
このオフシーズンにこの記事ともう一つコレクションに加わる予定なのでこうご期待。

さて今回タイトルが「スタジアム」じゃなくて「グラウンド」となっているのにお気づきでしょうか。今回はメルボルン・ヴィクトリーといっても少し性質の違ったチームのホームを紹介します。
メルボルン・ヴィクトリーの男子・女子・ユース(男子)チームに加えて最近生まれた新しいチーム、それは「Afghanistan Women's Team(略称AWT)」。
タリバンの支配下となったアフガニスタンを逃れて去年メルボルンに避難してきたアフガニスタン女子代表チームの選手達で構成しているチームです。

現在FIFAから「国の代表チーム」としての公式な試合活動の承認は得られていないそうですが、いつかそれが叶うまで彼女たちがみんな一緒のチームでサッカー活動ができるようにヴィクトリーがAWTをクラブ傘下のチームとして支援することとなりました。
元々が代表チームという性質上所属している選手のレベルにはある程度差がありますがチーム全体として評価した結果VIC州のState League 4 Westというアマチュアリーグに今期から参加しています(詳細はこちら)。試合の配信はないですがヴィクトリー公式が都度試合結果やたまにゴール映像なども知らせてくれていてありがたい。
そしてAWTの監督はなんと!ヴィクトリーの女子チーム監督であり国内トップクラスの監督であるJeff Hopkins自ら担当することに。アマチュアとはいえ監督はガチのガチなこともこのチームとその成長に注目したい理由の一つです。

そんなAWTの選手達にとって「Home away from home」となるメルボルンのグラウンドはDocklandsにあるRon Barassi Senior Reserveという公園。

トラムの停留所に近い側の入り口

地図で見るとこういうロケーションです。

メルボルンの中心街(CBD)の端にあるDocklandsの北西の角にあるRon Barassi Senior Reserveは最寄りのトラム停留所から徒歩10分。トラムは70番、86番(終点まで)または35番で行けますが35番はシティをぐるっと回るCity Circleなので方向には要注意。
所属するリーグはメルボルンの西側のエリアのリーグですがその中ではおそらく一番東に位置するグラウンド。毎試合とはいきませんがちょくちょく現地観戦できるくらいにはアクセスの良いところでよかった。

東側を向くとこんな景色に(ヘッダーの写真は西向き)

Docklandsは21世紀初めくらいに開発されたエリアなのですが若干失敗した感があって、元々の期待と比べると若干寂れ気味な感じはありますが、それが逆にこういう公園に不思議な静けさをもたらしていて一種の心地よさがあります。ただ地図で見て分かるように海のすぐそばにあって遮る建物などもないのでAWTが活動する冬季は海風が寒いです。冬に観戦に行く&散歩する場合は頭からつま先までしっかり寒さ対策を。

「周り散歩」の部分でいうとこのDocklandsの北端のNew Quayエリアを歩いて景色を楽しんだり屋外彫刻を見たりがオススメですかね。地図で見るとショッピングモールやトリックアート美術館やアイススケートリンクなど色々な施設はあることはあるんですけどなんだか縁がなくて行ったことありません。

New Quayを歩いてるとどうしても写真を撮りたくなるやつ

グラウンド自体はアマチュアリーグなので基本立ち見ですしキオスクは多分やってないのが基本ですがトイレはもちろんあります。(まだ使ったことないですが)
サッカー以外の話だとこの辺りは都会に近いのに人が多いエリアとは切り離されているのでグラウンドの周りでSuperb fairy-wrenやHoneyeaterの仲間と思われる鳥をよく見かけます。Superb fairy-wrenは基本海に近い場所で姿を見ますがここはやたらとたくさんいる。

なぜか灰色のメスばっかり(Superb fairy-wrenはオスが青くてきれいなのに)

AWTは先ほど書いたようにヴィクトリー傘下のアマチュアチームで試合は行けばお金を出さなくても見れるようになってますが、彼女たちを直接支援することも可能です。
まずは「Virtual Seat」。これは寄付を試合のチケットを購入することになぞらえたシステムです。寄付1口=チケット1枚(席1つ分)でオーストラリア$25、世界のどこからでも購入可能で全額AWTの支援にあてられます。
もう一つはヴィクトリー公式ショップでもあるUltrafootballでAWTのユニフォーム購入(白のアウェーもあります)。こちらは発送先がオーストラリア&ニュージーランドだけなのですが素敵なユニフォームですよ。

ヴィクトリーの他のチームと同じくMacron製のユニフォーム

テンプレート元はヴィクトリー男子の(プレーオフにしか使えなかった)ACL用ユニフォームですが、AWTがアフガニスタンを代表するチームであることを示すアフガニスタン(共和国)国旗があしらわれているだけでなく、ヴィクトリーのユニフォームの特徴である前面のVモチーフもよくみるとアフガニスタン国旗の色になっています。やっぱりヴィクトリーのユニフォームはディテールが粋なものが魅力的。

正式に国のチームとして認められるまでの間にも母国の国旗を背にプレーします
ドットのグラデーションが素敵なデザイン

AWTの選手はヴィクトリーの授賞式にも出席していましたしすっかりヴィクトリーのファミリーの一員となっている様子です。いつか彼女達が晴れて国の代表のチームとして活動できる日を願って、まずは今のリーグからの昇格を目指して応援したいです。海外でも彼女達の活動と物語がもっと広く知られて応援する人が増えますように。