ウルトラ怪獣のロゴを30個作ったので一つずつ紹介したい
『仮面ライダーW』に登場する変身アイテム「ガイアメモリ」には、その属性をイメージした形状にアレンジされた属性名のイニシャルが刻まれている。
私はこの「ガイアメモリのロゴ」がデザインとして死ぬほど好きなので、Qからブレーザーまでの歴代ウルトラ怪獣30体をロゴにアレンジした。
この記事では、全ロゴを一つ一つ紹介していく。
制作後記かつ備忘録のつもりで記す。
『ウルトラマン』
K:カネゴン
シンプルに頭部をチョイス。
お金繋がりで、歯部分をマネーメモリ(https://www.kamen-rider-official.com/zukan/items/1928)の図柄に寄せている。
B:バルタン星人
“あの” 印象的な分身シーンを「B」にした。ハサミの四角い穴はマストだと思って開けている。
カネゴンのように頭部を90°横にして表現しようかとも思ったが、あまり綺麗なBの形にならなかったのでこちらの案にシフト。
P:ピグモン
ピグモン単体だと「P」にできなかったので、風船爆弾を使って成立させた。
R:レッドキング
怪獣のロゴでは「尻尾」が使えるので、めちゃくちゃ楽に作字できる時がある。レッドキングもその一つで、かなりすんなり完成した。
瞳があるので実は二代目。
J:ジャミラ
最も特徴的な撫で肩部分を入れたかったのだが、うまく「J」にならなかったので顔のみにフォーカス。
よく見ると目が潤んでいるのがポイント。
G:ゴモラ
本編での展開を踏まえて、尻尾に切れ目を入れた。
レッドキングと並べるとお互いに向かい合うのもポイント。
尻尾でGを作るアイデアは、2年前に作ったシン・ゴジラのロゴから引き継いでいる👇
D:ダダ
何気にめちゃくちゃ難航した一体。
縞模様を入れるか、三面要素を盛り込むか……でかなり悩んだ。
最終的にそれらは泣く泣く削ぎ落とし、単に顔を傾けることで「D」に。
M:メフィラス星人
見た瞬間に思いついて爆速で完成した一体。
Z:ゼットン
見た瞬間に思いついてから超難航した一体。
最初からこの構図を思いついていたのだが、左右対称ツールに頼ってしまったがために中々「Z」として成立させられなかった。
そのあと4案ほど試すも上手くいかず、再度この構図に挑戦。今度はフリーハンドで臨むことで、なんとか完成に漕ぎ着けた。
最強の怪獣は、ロゴとしても最強。
『ウルトラセブン』
E:エレキング
最初は尻尾も含めた全身で表現しようとしていたのだが、よくよく顔を見たら傾けるだけで「E」になると気づいた。
この3パーツだけでアイコンとして成立する、成田亨デザインの凄み。
M:メトロン星人
アイデア自体はすぐ思いついたが、黄色部分の並び方や肩のカーブなど諸々の調整に時間がかかった。
成田亨デザインはシンプルゆえに繊細で、少しでもバランスが狂うと途端にそれらしく見えなくなる。
K:キングジョー
キングジョーが分離した宇宙船4機と、ペダン星人の円盤1機を矢印で繋ぎ、その合体シークエンスそのものを「K」にした。
「K」という字の端点がちょうど4つあったことから思いついたアイデア。あまり他にない形にできたのでかなり気に入っている。
『帰ってきたウルトラマン』
B:ベムスター
飛行形態を横に倒して「B」にした。『ウルトラマンA』のオープニング影絵でも印象的に使われている構図である。
最初にベムスターの立ち姿を見直した時は「B」になる気が1ミリもせず絶望したのだが、いろんな資料を漁るうちになんとかこの構図にたどり着いた。
『ウルトラマンA』
A:エースキラー
見た瞬間に思いついたので爆速で完成するだろう……と思いきや、曲線のバランスに苦戦した。「M」に見えないように注意する必要もあった。
『ウルトラマンタロウ』
T:タイラント
「合体怪獣は素材の要素を全て入れる」というマイルールを課した。
タイラントの場合は全ての要素が入れられる構図を逆算して作成。7体の要素が全部入っている(シーゴラスの頭、イカルス星人の耳、ベムスターの腹、バラバの腕、ハンザギランの棘、レッドキングの足、キングクラブの尻尾)。
『ウルトラマンティガ』
E:イーヴィルティガ
イーヴィルは釣り上がった目と歪んだ口元が特徴的なので、そこを切り抜いて「E」にした。顎の尖りもポイント。
G:ガタノゾーア
見た瞬間に思いついた。本家Wのアンモナイトメモリなども参考に。
「顔が逆向きについている」のではなく「下顎に目が付いている」という設定を守るため、口の形に拘っている。
『ウルトラマンガイア』
G:ガンQ
メモリロゴらしいシンプルな形にまで抽象化するのが難しかった。
血管の形はアイズメモリなどを参考にしている。
Z:ゾグ
怪獣メモリのロゴを何個か作っているうちに、「〈2本を組み合わせられるアイテム〉繋がりで、ベリアル融合獣に変身できる組み合わせを揃えたい!」と思い立ち、追加で作成。
最初は第2形態だけだったのだが、せっかく「Z」が上下対称図形なので、「第1形態を裏返すと第2形態が出てくる」という仕掛けを入れた。
『ウルトラマンネクサス』
Z:ダークザギ
「D」ではなく「Z」なのは、ウルトラマンノアのロゴを作った際に「これを傾けるだけでザギになったら素敵だな」と思ったため👇
『ウルトラマンマックス』
I:イフ
「i」の「・」を第1形態に見立て、最後に1本のピッコロで最終形態を表現した。
ただの丸が次第に刺々しく変貌していくグラデーション、それが極まったところで「1本のピッコロ」で〆る緩急がポイント。かなり好きなロゴの1つ。
『ウルトラマンメビウス』
Z:ザムシャー
元デザインの精悍さを表現できるように努めた。マゲと刀、甲冑の分割線で「Z」の流れを表現。
放送当時のショーでザムシャーを見た4歳の私は、怖すぎて号泣した思い出がある。今でこそカッコよく感じるけど、よく見ると表情が超怖い。「形相」。
E:エンペラ星人
全ての光を飲み込む闇の権化。
なので、ツノも目もすべて黒部分で表現した。
『ウルトラマンギンガ』
L:ダークルギエル
「D」でも良かったのだが、ザギで「ダーク」を省いたのでこちらでも省いた。「L」の方がルギエルのツノの形と相性良かったし。
因みに、これは以前作ったギンガのロゴと全く同じ構図になっている👇
『ウルトラマンギンガS』
F:ファイブキング
「合体怪獣は素材の要素を全て入れる」というマイルールに基づき、5体の要素を全部入れた(ゴルザ・メルバ・超コッヴの頭、レイキュバスのハサミ、ガンQの眼)。
『ウルトラマンX』
G:グリーザ
「無」なので、ロゴ自体ではなくその空白で第1形態を表現。ネガティブスペースを持つロゴだからこそ成立するグリーザ像を目指した。
シンプルすぎると強豪感が薄れ、描き込みすぎると「無」感が薄れるので、6バージョンほど描き重ねてそのギリギリを突き詰めていった。
『ウルトラマンオーブ』
J:ジャグラスジャグラー
ジャグラーのシニカルな笑みをロゴに落とし込んだ。目元のディテールが涙に見えるのもポイント。
G:ギャラクトロン
ゴモラと同じ構図。竜神の如き王道のカッコよさを、そのまま「G」に閉じ込めた。
『ウルトラマンZ』
S:セブンガー
レオ版ではなくZの特空機版であることを強調するため、格納庫のシーンをセレクト。
この構図を思いついた瞬間からワクワクが止まらず、公開時にも多大な評判をいただいたので、非常に思い出深いロゴ。
建造物との対比による「巨大感」を表現したロゴは、30体の中でも何気にセブンガーだけ。
『ウルトラマンブレーザー』
E:アースガロン
どんどん進化していく武装が好きだったので、Mod.2の砲台とMod.3の翼を盛り込んで「E」にした。胸の発光部分も表現している。
作成したのが最終回の2日前だったので、まさか最後の最後にこれら全てをパージするとは思わず……あの展開、痺れたなあ。
以上が30体のロゴとなる。
怪獣は人型でないゆえに、これまでのロゴ作成の方法論が通じないことも多く、その分やりがいも大きかった。
怪獣自体の特性から彼らを取り巻くドラマまで、さまざまな側面からロゴ化を試みる良い経験になったので非常に満足している。またモチベが湧いたらやってみたい。
ここまで読んでいただきありがとうございました🙇
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