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小豆島から発信。伝統の木樽づくり。

発酵に欠かせないのは食材だけじゃない、道具もだ。


発酵、その原点というか根本に立ち返ってみると、食べ物を微生物のちからでおいしく、栄養価が高く新しいものをつくること。

なのですが、それをつくるためには道具は必須。


例えば、ワインの樽。
これは木と鉄枠とでつくります。
こんな感じのイメージ。


ワインはそもそも、チリやフランス、スペインやオーストラリアなど比較的乾燥した地域で発展してきていますよね。

だから、鉄を使ってもそんなに錆びたりカビが生えたりは気にならないし、使っていられる。
そうして、その土地と気候と発酵食品というのは密接に関わっているんです。


でも、これが日本だったら?

今日の東京も土砂降りで1日雨模様…。
湿気がすごくて、くせ毛のわたしはほんとうにこの季節こまっちゃいます。


そんな、多湿の日本だとワインの鉄枠をつかった木の樽は一部地域を除いて、とうてい使えないグッズ。
除湿器とか、現代の電気製品があれば別問題ですが、伝統的で自然的な使い方と作り方では錆びてすぐに使い物にならなくなっちゃいます。


そこで、日本人はどう工夫したか。


それは、竹と木の枠をつくり、自然なものだけで完成させる樽の開発です。

以前、発酵イベントに行った際に実際の木の樽が展示してあってみたのですが、


「デカイ」

とにかくデカイ。

めちゃくちゃ、大きいんです。

ワインの樽なんかはたいてい、1メートルくらいのもの。

ですが、日本で発展してきた樽は3メートルくらいあったかな。
1度で大量のものが仕込める、効率も重視された超英知の詰まった樽なんです。



どの時代も、どの地域でも、難しいと思える場所であっても。
工夫次第で何とでもなるのだと、教えてくれる気がします。

そんな、超貴重な日本人の知恵が詰まった樽がいま、危機にさらされています。


「木樽の作り手がいない」


そう、後継者問題ですね。

どこの業界でも、起こることなのですが、これを絶やしてはいけない!と立ち上がったのが小豆島を中心とした醸造ラバーズ、醸造業界の若い方々。

後継者がいないなら、使い手のオレらでつくっちゃおう!と言葉で言えば簡単なことなのですが、とてつもなく大変な労力のかかることをされているんです。



伝統を守り、伝えていく。

これを、堅苦しくなく楽しく、そして真剣にされていることが、次の世代へ続くことなんだと思います。

だって、古臭くって、強制されたものなんて誰も受けつごうと思わないと思います。
ただ、それをクールに見せてカッコイイんだっていうことを、一緒になって楽しみながら受け継いでいく方法をつくる。

これこそ、昔といまとこれからのリレーがつながるひとつの方法なのだと思います。

伝統を重んじ、それを気楽に楽しむ。
これこそが、今に向いている伝え方なのかもしれませんね。


来年はぜったい、小豆島へ醤油蔵にお邪魔したいと思います!

発酵のこと、毎日更新中。コメントにてネタや知りたいことも随時受け付けています♪ わたし自身も学びながら書いていますので、みなさんも一緒に発酵のものしりになりましょう^^