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2020年が始まりましたね!今回のnoteは新年ならではの今年の目標、ではなく、設立当初からの私達アクロストンの究極の目標についてです。

私達の究極の目標は「性加害者を出さないこと」

え?性被害者を出さないことじゃないの?と、思うかもしれません。実際にワークショップに来てくださる方から「性被害にあわないためにはどうしたらいいですか?」ときかれることもよくあります。

もちろん性被害にはあって欲しくありません。性被害を性被害と気付くためには小さい頃からの性教育は大事です。でも性教育を受けていなかったからって、性被害にあうのは「仕方ないこと」などではありません。どんな子でも、どんな家庭環境で育っても、何歳でも、性被害にあうのは100%加害者が悪いのです。「性被害にあわないためには、性加害者を出さない社会に一緒にしていきましょう!」というのが、私達の答えです。

性被害の自衛策として「親が目を離さないようにしましょう」などは言いたくありません。というのは、親が目を離していようとどんな服を着ていようと、悪いのは100%加害者だからです。「親が目を離さないようにしましょう」ということと「親が目を離していたら性加害をして良い」というのはイコールではありません。全く違う話です。
しかし、性加害をする人は「親が目を離さないようにしましょう」というメッセージを「親が目を離していたら性加害をして良い」と都合良く解釈することがあるのです。これを認知のゆがみといいます。
何か事件が起きてしまったときに「親が目を離していたから」「親が買い物に夢中になっていたから」「露出の高い服を着ていたから」と被害者やその家族を批判することを言う人がいます。これは被害者側にも責任を負わせる言葉。加害者はこのように自身にとって都合のいい言葉のみを拾い、歪んでいる認知能力によって「〇〇だから性加害をして良い」と解釈してしまうのです。

どうしてこのような認知のゆがみがおこってしまうのでしょうか?
当たり前ですが、性加害者も元々は子どもでした。子どもが成長する過程で家庭や学校などどこかしらで辛い思い、苦しい思い、ストレスフルなことなどを経験し、そんな自分を癒やすために、嫌なことを忘れるために、たまたま出会ってしまった児童ポルノをはじめとした暴力的なポルノ(AV動画やエロ漫画など)にのめり込むことがあります。そこにのめりこんでいる時間が増えるにつれ、それが生きがいとなり、認知はゆがんでいきます。

加害者をかばう気持ちは全くありませんが、それでも、とても苦しかった子どもが、偶然、暴力的なポルノと出会ってしまったことにやるせなさを感じます。子どもは自由にお金を使えるわけでも、どこかに行けるわけでもありません。子ども時代はなかなか自分の力でストレスコーピング(ストレスと上手く付き合っていく方法)をすることは難しいといえます。そんな子ども時代に暴力的なポルノと出会うことが比較的簡単である社会がやるせないです。

そんな社会を変えていきたいと私達は考えています。社会を変えるというのは大きい話ですが、家庭内で性に関する様々な問題を話し合っていくことがその家庭内での性被害・性加害どちらも抑制します。また、暴力的なポルノに関しても規制が必要だと考える人が増えていくでしょう。それらの積み重ねで社会全体の意識が変わっていくはずです。ポルノの話をするにしても、性犯罪の話をするにしても、まずは正しい性の知識をまず子どもも大人も身に付けないといけません。家庭で性の話をきっかけを作るのが難しかったら、私達アクロストンのワークショップへどうぞ!(宣伝。笑)

ただ、私達のワークショップはあくまできっかけづくりです。アクロストンのワークショップをうけたから性教育は完璧!なんてものではありません。私達が話すのは性教育のごく一部。からだのしくみについてだけです。性暴力についても触れません。なぜなら、最初の性の話をきく子ども達に性の話をこわいものだと思って欲しくないからです。以前にも書きましたが、性の分野のからだのしくみはとても良く出来ていて、ワクワクすること満載です。そんな面白さ、ワクワクをまず最初は伝えて、性の話を好きになってもらいたいと考えています。

もちろんアクロストンのワークショップに参加する以外にも、性の話のきっかけは沢山あります。というより、本来はワークショップなんていう非日常の場ではなくて、日常生活に沢山散らばっています。
「赤ちゃんはどうやってうまれるの?」「どうしてママにはちんちんがないの?」などなど、子どもの発言にもきっかけは沢山ありますし、絵本なども良いでしょう。どのようなきっかけでも良いので、楽しく家庭で色々な性の話をするようにまずはなって、そして子どもの成長とともに今の社会が抱えている問題についても話し合っていきましょう。

性暴力を生み出す社会については、こちらの本がおすすめです。性加害についても一緒に考えていきましょう。(タイトルをクリックするとamazonに飛びます)

1.『「小児性愛」という病』 斉藤章佳 ブックマン社
2.『男が痴漢になる理由』 斉藤章佳 イースト・プレス

#性教育 #性暴力 #性加害 #性被害 #アクロストン  

妻・夫。二人とも医師。子どもに必要な性の知識を楽しく・ポップで・まじめなコンテンツにしてお届けします。 https://acrosstone.jimdofree.com https://www.facebook.com/acrosstone インスタグラム:@acrosstone