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結婚してから夫がいない初めての夜

結婚して初めて、夫婦が別々の場所で寝る日がやってきた。

夫が友人の結婚式に参加するために名古屋へ向かうことに。

一泊二日の短い留守を任された私。
土日を"ぼっち"で過ごすのは久しぶり。

ひとり暮らし生活を長い間続けていたので、時間の潰し方も、ひとり分のご飯も問題なく用意できる。

つもりだった。

当日の朝、珍しくスーツ姿の夫を見送り長い長いお留守番が始まる。

さて、何をしようか。久しぶりにビデオをゆっくり見ようか、買ったままで読み終えていない電子書籍のページでもめくろうか。

お昼は外食しようかな。少し高いケーキを買ってこっそり食べるのもいいかもしれない。

色々考えをめぐらしても、何も決められない。
部屋でぼーっとする内に、時間ばかりが過ぎていく。



気づけば昼が過ぎ、夜がやって来て。
ひとりだと、ご飯を作る気にもならないし、何もやる気が起きない。

今日、何もしていない。

こんなことは今迄なかった。

自分自身が楽しければOKだった生活が、いつの間にか"ふたり"の暮らしに慣れきってしまっていることに気づいた瞬間だった。


それから。

時計を何度見ても夜は夜のまま。
夫は明日の夜まで帰ってこない。

お酒があれば眠れるかと思い、缶ビールを口にしても効果があまりないようだ。

いつもは互いの寝相でぶつかってしまい、「狭い」と感じる時もある布団を広く使える今夜も、どこか物足りない。

あぁ、結婚ってこういうことなのか。

家族が増えるってこんな感覚なのかと、新発見できた夜。

急に寂しさを感じた私は、普段夫が使っている布団に包まれて、夜深くなってようやく眠りについた。

#夫婦 #エッセイ #コラム #新婚 #生活


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