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しでかした思い出 その②「お前なんかやめてまえ!」

パワハラ・・・

いや違うんです、そんなつもりじゃないんです。

もうずいぶん昔、役所生活2年目の出来事。
当時はボトムアップ式の政策提案する制度があったんです。
まちづくりを担う部門の政策提案にかける思いは強く、当時から都心のウォータフロントをどうする?みたいな絵をたくさん描いていました。

そこから何年も経って、いろいろ積んでいくと、今動いているプロジェクトにつながったりするのです。

こんな大きな計画はパッと出来るわけがない。ほんとにずっと積み上げて研究検討して作っていくんですよ。

さて、話を昔に戻してと。

当時、政策提案のために、2年目の若手担当者である私も案を提出することになっていて、考えに考えた案として、三宮~元町をすべて一般の車が入らない、ショッピングモールのような街にする案を提出しました。

車社会の脱却、温暖化対策で生き残るまちづくり。
熱量高くプレゼンしたあとに、上司に言われた言葉が「こんな案実現するのに何年かかるんや。もっとすぐできる案ださないと」って感じの言葉で一蹴( ノД`) 箸にも棒にもかからないという感じで、ポイでした。

そこからごちゃごちゃいろいろあったんだけど記憶がなく、最終的には私がブチ切れて

「都市計画はそんなもんちゃうやろ、50年100年先見てやるもんちゃうんか!先も見れないんやったらやめてまえ!」

と吠えたそうです。本人興奮状態であまり記憶なし(笑)

おーやばい、そしてごめんなさい。ほんと失礼しました。
パワハラではなく、逆パワハラ?

机叩いて会議室出ていった私に、隣のラインの係長がやってきてたしなめてくれました。ちょっとその言葉は非公表(笑)

そこそこ役所での年月を経た今、理想を押し通すことが簡単ではないことや、将来に向けて理想は描きつつ現実は泥臭く進めるしかないことも分かっているので、振り返って若気の至りだなあと思いますが、いまでもずっと、「先を見据えることは都市計画で大事なことだ」と思っています。

福祉とは対極になるなと感じていて、福祉はほんとうに今目の前で困っている人をどう救うかのウェイトが非常に大きいです。先を見ることも大事だけど今の人を助けないと。コロナ対策なんかがまさにそうでよね。福祉の人たちの献身ぶりにはほんとに頭が下がります。

一方、都市計画や環境対策と言うのは今やってパッと効果が出る施策よりは、50年100年先を見据えて今やるべきことをやるのが大事なんです。

ちなみに私が2年目で提出した案は採択されませんでしたが、三宮地区の再整備のなかで駅前の車道が歩道化する計画や、元町の大丸前などで歩道の幅員が広がっているなど、徐々にその方向に街が進んでいます。どーだこの野郎!って勝手に思って溜飲下げています。

人口減対策や地球温暖化対策なんてもっと前からやっておけばいいのに。インフラ維持費が膨大になるなんて計算したらずっと前からわかってるはずなのに。そう思いますよね。今やっている人口増のための施策や、地方での下駄履きタワーマンション立てたりする動きは、わずか30~40年で問題が出てくると思います。問題が出るのを分かっていてあえてやる戦略ももちろんありますが。

そういう意味ではこの多井畑西地区を開発計画をやめて里山地区として方針を変えたことはほんとに先を見た判断だと思う。

難しいのは、先を見た施策をやっても、効果がすぐに出ないこと。そしてそれを糾弾してくる、先の見えていない人たち・・・どうしたものか。


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