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取るに足らないあの星のことを喋らせてくれないか(裏話的なもの)

いわゆる制作中の裏話的な、こだわり的なあれです。書こうかどうしようか迷ったのですが、いやでもやっぱ書きたい!!という欲に勝てませんでした。書きます。喋らせてください。いや、喋ります。

良かったら、お付き合いくださいませ・・・!

宇宙を纏った女

「彗星の尾っぽにつかまって」という曲をこのコンテストきっかけで初めて聞きました。ゆったりした柔らかいメロディとひとつひとつの歌詞が、もう心にクリーンヒット。
なので「作品を見てもらえたら、同時に曲をフルで聞いてもらえる」ようにしたくて、曲をフルで使用した動画作品にしたい、という考えが前提にありました。その上で、最初は全編アニメーションにするつもりで、絵コンテも書いてました。

ただここで問題が。圧倒的に時間が足りない・・・!このコンテストを知ったのが8月中旬で、これはちょっと素材をそろえるの無理だ・・・と、一度はコンテスト参加自体を断念したんです。


そこへ届いた、1つの小包。


ZOZOTOWNで注文した、2,900円のお買い得ワンピース。ふわっと広がる裾のシルエットがきれいで一目ぼれし、ネット注文していたワンピース。夜の空みたいに真っ黒なワンピース。・・・夜空みたい?無限に広がる宇宙みたい?私は、宇宙を身に纏える女・・・?


私、宇宙纏って、踊るわ


ここに、ダンスなんぞ習ったことのない素人の挑戦が始まりました。

フリ&編集のこだわり

今回は最初から編集ありきで考えてました。最後まで動画を見てもらうには、ただ踊るだけじゃなくて何か仕掛けを作った方がいいのでは?という作戦です。

フリも編集も、情報量が多すぎるとくどそうだし、少なすぎると物足りなさそうだし、そのあたりの塩梅が一番悩みました・・・ちょうどいいところに落ち着けるのってほんと難しい。


ここから時系列で、語りたいとこだけつまみ食いします!
(つまみ食いにしては量が・・・多いですね・・・)

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光を追いかける演出をやりたかったワンシーン。実際に踊るときにこの光はないので、撮影→確認を繰り返し、光がないけど光が見える状況になるまで粘りました。視線で光の位置を誘導してるんですけど、ここがずれると編集のときに辻褄が合わなくなっちゃうので・・・!このあとも度々出てくる、「編集を想定した動き」が今作品の一番の課題でした。パントマイムの大道芸人にでもなった気分でした。


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足元の泉から水を救って飲み干しているイメージ。大切なものを大切だと口にする為の言葉を、その元となるものを自分自身に取り込んでいる・・・そんなイメージで振付ました。飲み干したあとに思わず笑みがこぼれてることに、映像確認時に気が付くという。恍惚とした顔してますね私・・・でも、伝えたい想いにぴったりの言葉を手に入れたときって、そんな気分になりませんか?


ここからサビ。緩やかに燃え上がる炎のイメージから、先ほど飲み干した言葉を今度は自ら外に出し、

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「愛する」でしょう。これ、手話なんです。これも入れたかったポイント。言葉は口にするものだけじゃないよね!っていう、そんな感じ。

一番は編集要素を少なめに、ダンスメインで制作。そして2番からはより映像作品として、前半と緩急をつけられたら・・・!ということで、

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1番と2番を繋ぐフック的な要素になればと仕込んだ3文字。この文字が空に消えていくのは、「note銀河に言葉の星を浮かべている」、そんなイメージです。この3文字もどこかで星になってます、きっと。


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「掴み損ねている」3つの文字。この3つを何の文字にするかめちゃくちゃ悩みまして。あまりに悩んだ結果、ゲーム中の恋人さんに何の前触れもなく「掴もうと手を伸ばすけど手のひらから零れ落ちてしまいそうな言葉ってなーんだ?」というなぞなぞのような質問を投げかけ、大変に困惑させました。

「うーん・・・心をつかむ、夢をつかむ、君の手をつかむ・・・とか?〇〇をつかむって表現で使われる言葉かな・・・そういうイメージで合ってる?」

君は神か???

拙い説明でよくそこまで読み取ってくれた・・・助かるありがとう・・・


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「いっしょに」という言葉に手を伸ばすのを一瞬ためらうシーン。永遠の保証なんてないから、素直に手を伸ばせません。勇気を持ってつかまえようとすると、スルリと消えてしまい、結局何もつかめない。あぁ、やっぱりかって落胆する。

これ編集したの誰ですか??私ですね??なにこれつらい。


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蔦縁、分身しました。

これもやってみたかった表現のひとつ・・・!お団子蔦縁は、画面の向こうの知らない誰かをイメージしています。声が聞こえて、その正体はわからないけどそれでも確かに言葉は届いていて。そういう風にしたかったんです。

偶然この日空いてたのがこのスタジオだったのですが、照明の位置や部屋の形が抜群で!片側から照らす照明と中央の柱で画面に明暗が生まれ、空間の使い方の可能性が無限に広がりました。


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noteで出会った世界を浮かべようと思っていて、最初は「超言葉術」「感情解像度」「青色」「変奏曲」という単語が並んでたんです。が、もっと端的に、かつ境目を曖昧にしたかったので、そこから要素を抜き出してふわっとさせました。


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くコ:彡くコ:彡くコ:彡

絶対にご登場いただくと決意していました・・・!初めて参加し、noteの楽しさを教えてくれた小川牧乃さんのイカ変態同好会リスペクトです・・・!


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2番サビの歌詞が一番大好きで、ここだけはすべてを引用しました。

これだけたくさんのものが、言葉が、出来事が、人が、世界に溢れている中で出会ったものって、きっとどこかで縁がつながってるんだろうな、なんて思います。改めて考えても不思議じゃないですか?これって。


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地球から見た夜空は真っ暗だけど、宇宙から見る地球は輝いててほしい、そんなイメージ。今いる場所を、違う場所から振り返ったらそれはとてもきれいな場所かもしれない、そんな場所であってほしい、と願いを込めて。


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「息」「歌」それぞれ2文字の言葉。その1音1音に漢字と読みの登場をはめるためにかなり微調整しました・・・!こういう音楽に音ハメして映像を創るの、もうめちゃくちゃ楽しいんですよ・・・!アドレナリンが大量放出します。バチっと音ハメ成功するともうニヤニヤが止まりません。大抵こういうときは口角を片方あげて「計算通り・・・!」って顔してます。


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この色調、結構お気に入りです。オーバーレイで紫かけたんだったっけ・・・?まっくらな部屋に一筋の光が差すような。明かりのない屋根裏部屋の小窓から星の光が降り注ぐような。そんな色合いを目指したんです。


ここからの、

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ラストのサビ、強い光、明るく希望に満ちた、そんな空間。あなたと一緒にいるんだと、いっしょに漂うんだと、そう心に決めて踊る、幸せで満たされた空間。そんな雰囲気にしたくて、画面の彩度・明度・輝度をがっつりあげました。眩しいくらいに明るい世界。


光を浴びて、輝かしい世界で。






ここで終わればね・・・希望に満ちて心地よく終われるんだけどね・・・曲はまだ続くんだよね・・・終わらないんだよね・・・なんてこと・・・いや編集したの私なんだけどさ・・・


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あなたと共に歩もうと夢見た光の世界は、
リアルなまぼろしだった

そんなまやかしを手放して、見つけたもの。目の前にいるはずのあなた。違う世界線。手を伸ばしてもその手は空を切るばかりで、何もつかめない。


うぅ・・・なんてこと・・・つら・・・。古いビデオ風のフィルターがより寂しさを引き立てるんじゃないかな、と思って付け加えてみたところ、その威力に自らダメージをくらいました・・・二人が幸せになれる世界線  is どこ・・・




と、このような形で、この曲に感じたあったかくてどこか切ない雰囲気を、持てる限り詰め込みました。初めての挑戦でしたが楽しかった・・・!

偶然が生み出した2人の話

そしてもう一つの作品。

元々は映像作品用に、noteで歌詞解釈をしてたんです。映像作品後に公開するかーと思っていたのですが、その手直しをしているうちに気が付くと、星をまたいだ2人の会話になっていきました。

送信だけできる彼と、受信だけできる彼女。

送信する彼は、その言葉を誰かが受け止めてくれることがわかる。その言葉がどう扱われているかは知らない。それでいい。受け止めてくれる人がいるから最期まで言葉を発信し続けられる。

受信する彼女は、彼の最期を知らない。もう、知る方法がない。だからいつまでもまぼろしに生かされることができる。

これがきっと2人の、一番しあわせな形。


恋愛が絡む台本や物語を書くと、ほぼ100%と言っていいほど2人がすれ違う、失恋話や切ない話になってしまうのは、いったいどうしたものでしょう。

こうして、2つほど夜空を間借りして星を浮かべさせていただきました。まだ数日ありますので、皆さんもぜひ星浮かべましょう・・・!夜空きらきらさせましょう・・・!!

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こちらにも参加中。48日目。そろそろお昼ご飯食べてきます。


ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。何かあなた様の心に残せるものであったなら、わたしは幸せです。