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2021年に作った冊子の話

2021年の反省

本当に自分自身の反省なので、読み飛ばしていただいて結構。

2020年、文庫本を作りたいと思い立ち、人生で初めて10万字近い文字にて小説を書き上げ、右往左往しながら、一冊の文庫本を作った。
その達成感たるや、正直言って筆舌しがたいものがあった。その快感をもう一度味わいたいと思い、2021年も同じように文庫本化を目指した。
2020年同様に10万字の小説を一冊の本に……。
しかし、その願いは達成できなかった。

言い訳はたくさんある。時間がなかったとか、余裕がなかったとか。なかったものを挙げれキリがない。しかし、文章を書けなかったのかと聞かれれば、そうでもない。では、何故達成することができなかったのか。
それは完璧を求めていたことだと思う。

2020年なんとか小説を書き終えることだけを目的にしていたのに対し、2021年はその完成度をあげようとしていた。その結果迷走し、書き終えることができなかった。数万字を超える小説を書き進めていたが、それは結局2021年内に書き終えることはできず、2022年が始まって三か月が過ぎようとしている今でも終わっていない。

本当であれば、それを書き終え、文庫本にするつもりだったが、それは叶わない。では、文庫本を作る目標が達成できない。そんな不完全燃焼の、自分のわがままを解消する悪あがきとして、息抜きに書いた短編を収録したのが今回の冊子である。

さて、長い前置きはこのあたりにし、文庫本の詳細を書いていこうと思う。

1.文庫本を作るのに必要なものを振り返る

・小説本文を作成する
・文庫本の装丁を決める
・印刷所を決める
・入稿するデータを用意する
 参考:【2022年版】磯野! 同人小説作ろうぜ!

・小説本文について
文庫本を作るのに、本文がなければ元も子もない。
ただ、書き方どうこうについてはこの際省く。しかし、収録した作品の一つについて、まとめている記事があるので、興味がある方はそちらに目を通して頂けると助かる。
2021年は1年間に作成した短編を1冊の本に収める、ということで話は決まっていた。

・装丁について
装丁を考えるタイミングは本文ができた後にしている。
といっても、作品が出きった年末近くにやっているので、当然後になるのだけれど。

2021年の文庫本を作る際「カバー付きか否か」が迷った。次作るときはカバー付きに挑戦と思っていたからだ。しかし、これを断念した。

【断念した理由】
 ・内容が少ないので、カバー付きにするほどでもない
 ・カバー付き作成を色々調べたが、理解しきれなかった
 ・そもそも一冊作るのに、時間的にも金銭面でもコストがかかりすぎる

以上のような理由で、断念したのだ。
その上で方向性は、カバー無しではあるが、表面加工を前年とは変えることにした。詳しくは後述。

(追記)
二年連続で利用させて頂いている製本直送さんにて、カバー付き文庫本の制作ができるようになったそうです!(詳しくはこちら

・印刷所について
上記の通り、熟考の末に、製本直送さんにお世話になることに。
他の印刷所さんも検討していたのだが、もう少し製本について分かってきたらにしようと考え、前年と同じところに頼んだ。

・入稿するデータ
印刷所が決まれば、次はデータを入稿し、できたものを待つのだが、必要なデータは大きく分けると以下の二つだ。
 ・表紙データ
 ・本文データ

○表紙データについて
表紙データだが、こちらは前回同様、製本直送様にある「表紙ジェネレータ」にて作成した。表紙データについてはまだ勉強中なので、大変助かる。直感的に操作できるので、自分のような人間には大変ありがたい。
唯一前回と異なるのは、カラー仕様であることくらいだろうか。

○本文データ
本文データはAdobeを使用して作成した。正直、データ作成を人に依頼してもよかったのだが、お金がなかったので、断念した。(同じ理由で本文校正なども自身で行った)
テンプレは青洋書房Boothさんのものをお借りし、そこから自分で使いやすいように修正して作成した。
レイアウトの設定については以下のような感じで作成した。

設定


使い方についてはマニュアルが付いてくるので、大変分かりやすかった。
作成に当たっての難点は、ソフトに慣れていないと戸惑うというところだろうか。
Wordを使ったデータ作成をしようとも思ったのだが、何がいけないのか、上手くいかないので、仕方なしにAdobeを使用したのだ。正直Wordの方が鳴れているはずなのだが。

そうして作ったデータをPDFにする。
今回収録する作品は全三作だったのだが、最初はそれぞれ別々にPDFを作成し、その後一つのデータにまとめた。
PDFまとめについてはこちら
こちらのサイトには前回もお世話になっている。
ただ注意したいのが、まとめることを前提にしていることを意識してページ番号を付けなくてはならないことだ。そうしないと、実際のページ数と記載されているページ数がズレてしまう。
今回のことで大変だったのは、上記のようなページ数問題もそうだが、組版だ。ページレイアウト全体を整えなければならないし、ルビやページ数などを入れるにも、操作方法を覚える必要がある。更に、会話文の文章は最初思ったようなレイアウトにならず、変に鍵かっこと文字の間に隙間ができてしまう事態が発生した。他にも気を付ける点がいくつかあり、まだまだ勉強が必要だと痛感した。

2.冊子情報

冊子情報

印刷所にデータを入稿し、待つこと約1週間。
そうしてできた完成したのがこちら!

冊子のタイトルは「春夏(しゅんか)
一年間で書き上げた短編を三作収録している。前置きでも話したが、数万字の小説を書く息抜きのような感じで書いていたので、必然的に少ない。
タイトルに関しては、小説をよく書いていたのが、春と夏で、それ以降は色々あって書きあげることができていないためである。

〇表紙について
表紙は前回とは異なり、カラー仕様。
表が春、裏が夏。それがきれい移ろっているイメージで作った。画像を探すと文字をどのように入れるが大変だったが、個人的にイメージ通りに作成できて、大変満足である。
また、製本直送さんでは表紙の紙質を選べるのだが、今回はマットを選んだ。イメージのときから、表紙の感じはツルっとしたものではないように思えていたからだ。こちらも、触った感じがイメージ通りで満足している。

〇本文・中身について

見開き

見開きの場合、このようになっている。
前年のときは人に依頼し作成した際、イメージとは異なりノドが狭かった。データを作成する際に、このところに気を付けたので、それは良かったのだが、「―(ダッシュ)」が繋がらない事態が起きてしまった。

これは、選んだ文字フォントや文字上下の間隔、レイアウト設定などで起きるらしいのでが、PDFにした際にそれほど影響は出ないだろうと思っていたので、あまり気にしていなかった。しかし、実際に印刷されたものを見ると、結構な間隔があった。次回作る際は、少なくともこれをどうにかしたい。

3.文庫本を作った感想

本の見た目については、大変に満足している。イメージ通りに作ることができた。
ただ、文庫本の本分レイアウトについては、惜しいの一言に尽きる。
前回の文庫本作成は人に頼んでいたのもあり、そこでの苦労はなかった。組版を請け負う人がいるが、これは確かに技術が必要だ。
小説文章があり、組版がてんで分からない場合は、人に頼む方が吉だ。
まあ、自分はそれすらも自分でできるようになりたい。

今回は自分で作りたいものを作りたいという思いでやった。前回があったからこそ「こうしたい」と思い通りに出来たこともあれば、やはり知らないこと、気づけなかったことがあり、それよってイメージとは違くなった部分もあった。

しかし、そうやって四苦八苦しながら、最終的に自分の手元に形となってやってくるの文庫本への感動は、やはり、筆舌に尽くし難い。この達成感は、そうそう飽きないだろうと思う。

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