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【WTCヘウンデ韓国🇰🇷女子レースレポート】

同日開催の日本選手権よりも世界ランキングを高くするためのポイントが多いWTCを選択した日本女子エリート勢からは2名が出場しました。

《日本人出場選手》
岸本新菜選手:東京五輪日本代表(DNF)
福岡啓選手:WTCカルロヴィヴァリ24位、WTCワトゥルコDNF

世界ランキング最上位(29位)である岸本がゼッケンNo.1、福岡もシングルゼッケンをつけて出走しました。男子とは違いWTCSレベルの選手が出場しており、WTCS入賞経験のあるブラグマイヤー🇭🇺、Super Leagueで活躍していたポター🇬🇧、そして30歳ベテランで表彰台獲得回数6回のジャクソン🇦🇺、こういったメンバーが中心になってレースを作っていくことが予想されます。

気温15.4℃、水温21.3℃のコンディションで32名の選手がビーチスタート。

〜Swim750m〜

ビーチスタートから一斉に沖に向かって1周泳いで帰ってくるスイムコース。波が打ち寄せる中でのスタートのため、入水時の波へのエントリー方法だけで一気に差がつきながらレースが進んでいきます。左サイドにいたWTCSレベルの選手たちが集団から抜け出しならら第1ブイを迎えます。先頭はスイム得意なブラグマイヤー🇭🇺、その番手をポター🇬🇧、ワフ🇬🇧、セレグニ🇮🇹と続いていきます。2周目に入るとブラグマイヤーとポターが徐々に先行するようになり、後続との差が開いていきます。3番手のワフに6秒差をつけて、先頭2人がスイムを終えます。日本選手は岸本が17秒差の6位で先頭からやや離れる位置、福岡が32秒差の14位で出遅れます。

〜Bike20km=4km×5周〜

Uターンが2箇所あるだけのド平坦コース。先頭集団を形成したのはWTCSレベルであるブラグマイヤー・ポター・ワフの3選手で、このまま逃げ入りを図ります。岸本を含む6名の追走集団は17秒差で1周目を通過していきます。スイムで出遅れた福岡は40秒差の第3集団にいます。

Lap2(5:41)/Lap3(5:36) /Lap4(5:35)/Lap5
先頭3名      /先頭3名  /先頭3名   /先頭3名
+20s 6名   /+28s 6名     /+31s 6名    /+40s 6名
+40s 10名 /+45s 10名 /+47s 10名  /+1:05 10名
先頭3名にジリジリと離されていく展開。女子でも平均時速43km/h前後のペースを刻んでいきます。さらに先頭集団にはイギリス人選手が2名いるために数的有利な状態で、ポターは余裕を持ってローテーションを回している印象を受けました。3名でのバイク逃げ切りを成功させ、ランでも表彰台を3名で分けることができるか、また第3集団のラン巧者ドデ🇫🇷の追い上げがどこまで届くかに注目が集まります。

〜Run5km=1.25km×4周〜

バイク降車時にポターがバイクシューズを落下させてしまい取りに戻ります。その後も焦りからかバイクをうまく押すのに手間取り遅れてしまいます。ワフとブラグマイヤーが同時に走り出していく後ろで11秒遅れでポターがスタートします。スタートのペースは3:12/kmとかなり高速で1周目を終えます。ワフが先頭、3秒差でブラグメイヤー、その後ろにポターがすでに迫ってきています。4番手は第2集団から抜け出したサルペク🇵🇱・クリマス🇵🇱のポーランド勢、8番手の56秒差で岸本が通過します。2周目の途中でポターが先頭のワフまで追いつき、その勢いのまま先頭に躍り出ます。岸本の後ろから迫ってきたのがランナーのドデ、1分5秒遅れの第3集団から追い上げていきます。ラスト1周で先頭ポター、8秒差でワフとブラグマイヤー、43秒差サルペク、55秒差クリマス・セレグニ、59秒差でドデが通過し、表彰台争いはバイク逃げ切った3名が濃厚になります。トランジッションで出遅れたポターが素晴らしいペースで5kmを走りきり優勝しました。ランナーのドデは5位まで順位を上げてフィニッシュ。岸本は1分8秒遅れの8位入賞を果たしました。

優勝 ポター🇬🇧
2位  ワフ🇬🇧+15s
3位  ブラグマイヤー🇭🇺+33s
4位  サルペク🇵🇱+39s
5位  ドデ🇫🇷+54s
6位  クリマス🇵🇱+56s

出走32名、完走32名

◯日本選手結果&エース的考察

8位岸本新菜選手(+1:08)/Swim6位・Run12位
WTCレベルではしっかりとレースで前方展開できるようになってきている印象。世界ランキング20位台の選手として格下の選手に競り負けないパフォーマンスに期待。
18位福岡啓選手(+2:27s)/Swim14位・Run19位
スイムを先頭から32秒差で終えたことからバイク第3集団での展開となり、ランでの順位アップもできなかった。WTCレベルで戦うためにはスイム・ランでもう1段階のレベルアップが必要になってくる。

ヘウンデの翌週も韓国で開催されるWTC。トンヨン🇰🇷WTCです。その翌週に久しぶりのWTCSがドバイ🇦🇪で開催されます。日本選手権よりもWTCを選んだ日本選手でしたが、8位の岸本は世界ランキングポイント214.38P(WTC500P×SP開催80%×(92.5%)7乗)、賞金$900を獲得。18位の福岡も98.31Pを獲得し、日本選手権優勝の世界ランキングポイント50P、賞金16万8357円(¥187,500-税金10.21%)よりも大きく前進したと言えます。

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