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【WTCヘウンデ🇰🇷男子レースレポート】

同日開催の日本選手権よりも世界ランキングを高くするためのポイントが多いWTCを選択した日本男子エリート勢からは3名が出場しました。

《日本人出場選手》
北條巧選手:世界選手権9位、ゼッケンNo.1
古谷純平選手:東京五輪選考レース以来の復帰戦
佐藤錬選手:世界選手権26位

日本選手は皆、世界ランキング上位選手のため若いゼッケンが割り当てられました。スタートリストに並ぶ名前は東京五輪を盛り上げた選手というよりも、パリ五輪に向けてこれから実力と世界ランキングを上げていく選手たちが集いました。

気温18℃、水温21.5℃のコンディションで46名の選手がビーチスタート。

〜Swim750m〜

ビーチスタートから一斉に沖に向かって1周泳いで帰ってくるスイムコース。波が打ち寄せる中でのスタートのため、入水時の波へのエントリー方法だけで一気に差がつきながらレースが進んでいきます。右サイドから北條・古谷が抜け出して泳ぎやすいスペースを確保していきますが、それ以上に真ん中のエリアの選手たちが速く、第1ブイを前に古谷が3列目の4番手、北條が4列目の6番手の位置を泳いでいきます。先頭はクロチアーニ🇮🇹、世界ランキングは低いものの20歳にしてミックスリレー世界選手権で準優勝になった時のリレーメンバーとして実力をつけてきている選手です。2番手のホレンウェガー🇨🇭と共に後続と差をつけながらスイムアップ。日本選手は13秒差の5番手で古谷、15秒差の7番手で北條、32秒差の25番手で佐藤がトランジッションに進みます。

〜Bike20km=4km×5周〜

海の前の大通りを往復する平坦コースでUターンが2箇所のみなので、高速コースになります。序盤の集団形成の局面では上位でスイムアップした古谷・北條が10名の先頭集団を形成し、佐藤は第2集団13名になりました。平坦なバイクコースと10名という絶妙な集団のボリュームより時速45〜50km/hで超高速なレース展開(4kmを5分かからないペース)していき、第2集団との差も1周目23秒差から34秒-47秒-1分03秒-1分07秒と徐々に開いていきす。先頭集団の中で有力となるシングルナンバーの選手はアザーノ🇮🇹で、日本選手の上位入賞に期待しながらバイクを終えて、ランに移ります。

〜Run5km=1.25km×4周〜

有力選手であるアザーノが素早くトランジッションを終えて先頭で走り出します。1km地点手前で後続選手が追いつき先頭争いは4名に絞られます。クロチアーニ・アザーノ・プジャデス🇫🇷、そして北條!1周目を終えた時点で古谷も9秒差の5位で通過していきます。2周目に先頭争いからクロチアーニが脱落し、北條とプジャデスの一騎打ちという展開になります。古谷は23秒差の5位で粘ります。3周目にプジャデスがペースアップし、北條と突き放しにかかります。ラスト1周の時点で6秒差2位で北條、23秒差でアザーノ・クロチアーニ、33秒差5位で古谷という上位陣で通過していきます。ラスト1周では唯一3・4位争いでアザーノが前にでて表彰台を獲得、プジャデスは世界ランキングを大きく上げるWTC初優勝を飾りました。準優勝は北條、これは日本男子にとって田山寛豪さんの2007年WCエイラート優勝以来の表彰台です。5位には古谷が入賞しました。

優勝 プジャデス🇫🇷
2位  北條🇯🇵+6s
3位  アザーノ🇮🇹+13s
4位  クロチアーニ🇮🇹+17s
5位  古谷🇯🇵+30s
6位  スタプレー🇦🇺+36s

出走46名、完走41名

◯日本選手結果&エース的考察

2位北條巧選手(+6s)/Swim7位・Run6位
世界選手権9位の実力をしっかり発揮し、表彰台を獲得。世界ランキングも17位に浮上し、WTCからWTCSレベルの選手にステップアップしてきている印象。
5位古谷純平選手(+30s)/Swim5位・Run15位
東京五輪選考大会からの復帰戦でしっかりとしたパフォーマンス。国内外問わず安定したスイム力、バイクトラブルさえなければWTCであればしっかりと上位に入ってくる実力はある。
23位佐藤錬選手(+1:47)/Swim16位・Run25位
先頭集団まであと少し足りないスイム力が惜しい。先頭集団に入ればワトゥルコWTCのような積極的な走りをしてくれるはずなので、まずは先頭集団での展開に期待。

ヘウンデの翌週も韓国で開催されるWTC、トンヨン🇰🇷WTCです。その翌週に久しぶりのWTCSがドバイ🇦🇪で開催されます。
日本選手権よりもWTCを選んだ日本選手でしたが、2位の北條は世界ランキングポイント370P(WTC500P×SP開催80%×2位92.5%)、賞金$6000を獲得。5位の古谷も292.83P、賞金$2100を獲得し、日本選手権優勝の世界ランキングポイント50P、賞金16万8357円(¥187,500-税金10.21%)よりも大きく前進したと言えます。

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