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オフィスを手放したNGOの働き方のリアル 【オンライン説明会レポ:中編】

ACEオンライン説明会レポ中編の今回は【ACE大喜利:「ACEに入ってから気づいたこと!」】よりお届けします。今回も本音トークがさく裂!ACEの今を感じていただけたら嬉しいです。

前編はこちらから↓



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「成し遂げたいものがある」人と出会える

山下(司会):では、「ACEに入ってから気づいたこと」について話していきたいと思います。何かある方、ぜひ(挙手)!

田柳:はい!(挙手)
私は国際協力とか児童労働や子ども支援とかとは関係ない一般企業から転職してきたんですが、前職では出会う人のほとんどが「その企業に属しているから」その仕事をやっている人でした。でもACEに入ってから関わる人は、NGOの人であれ企業の人であれ、何かしら「成し遂げたいものがあるから」その仕事をしているという人が多くて。「想いを持って働いている人が、世の中にこんなにいたんだ!」と気づかされました。

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山下:私も、一般企業に勤めている友達と仕事の話をしている時に思うけど、私が仕事で出会う人は「いい人」が本当に多くて、なんて幸せ者なんだろうって。それは「本当はこういうことやりたいと思っていた!」という、志を持った人たちと出会えるからなんだろうなと感じています。

あと私が勝手に思っているのは、私たちが「いい人に出会えて嬉しい」と思っているのと同じように、その人たちもACEとの関わりを通じて「やりたいことを諦めかけてたけど、やっぱりできるかもしれない!」と思ってくれてるかもしれないということ。お互いに引き出し合っている部分があるんじゃないかなと思っています。

自分の生活や楽しみを我慢する必要はない

田柳:一方で、こういう「志高く(キラキラ)」という面はありつつも、NGOのスタッフだからといっていろいろ犠牲にしなくても良いんだなという気づきもありました。

私は企業からの転職だったのでお給料は多少下がったけど、一人暮らしは続けられたし、友達とご飯を食べに行ったり旅行に行ったりも普通にできているので、そんなにカツカツに切り詰めて…ってほどではなかったりとか。

最初の頃は、児童労働に関わる仕事をしているんだから「自分が楽しんじゃいけないんじゃないか…」と思ったりしてたんです。でも、ACEスタッフや他のNGOのスタッフが旅行や趣味を楽しんでいるのを見ていたら、自分の生活や楽しみを我慢して諦める必要は無いんだなと思えました。

例えば海外旅行中、ビーチリゾートでのんびりしているときに、ふとインドの子どもたちのことを思い浮かべてしまうことは…実際あるんですが、自分のやりたいことを我慢しなくても良いんだなというのは、身をもって実感したことですね。

山下:確かに。「自分が楽しむこと」と「児童労働をしている子どもたち」がトレードオフの関係じゃないんですよね。私が楽しいと子どもたちがもっと苦しくなる…というわけじゃない。だから、「私がより良い仕事をするためにはどうしたら良いか」という視点で考えたら良いんだろうなと。

組織に対して要望があればリクエストしても良いし。「AかBか」じゃなくて「AもBも手に入れるにはどうしたら良いんだろう?」っていう考えていく思考回路を、ACEでトレーニングされた感じがしています。

田柳:毎回いつでもフェアトレードチョコを買えるわけじゃないし、コンビニのチョコだって食べるんですよね(笑)。

山下:うんうん、だって好きだし(笑)。

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企業とNGOとの違い

山下:「企業とNGOとの違いを知りたい」という質問をいただきました。事業としてはNPOとかNGOがやってることは特殊かもしれないですが、組織として必要な機能は、例えばIT、経理、労務…のように、企業とほとんど変わらないと思っています。私もACEに入って「あ、企業と同じなんだな」って気づいた瞬間がありました。「NGOの経験は無いけど働けるかな?」と迷う人には、「NGOも組織ですよ」とお伝えできたらと思います。

「企業との違い」、坂口さんどうですか?

坂口:企業にいたときは、理念とか戦略とかは経営陣だけが決めて、「今年度はこういう方針です」って降りてくる感じで、予算もある程度決められたところからのスタートでした。ACEでは予算や活動計画も自分たちで決めて「今年はこういうことやります」ってできるのが面白いなと思いましたね。

山下:参加する自由があるっていうのもあるし、自分たちで作るから「私たちの予算であり、計画なんだ」っていう意識にもなりますよね。

では、ほかに「ACEに入って気づいたこと」がある人!(挙手!)

オンラインツールをフル活用

小林:はい!(挙手)
ACEに「入った」と言ってもぼくは設立当時から理事ではあったんですが、ここ1~2年はどっぷりACEに軸足を置いて仕事をしているので、そういう意味で最近気づいたことを言いますね。

みんな良いことばかり言うので(笑)違う視点から言うと、数字が弱いところですかね。経営的な面でも広報とかの面でも、つい想いが先走ってしまって、効果測定を忘れがちなところがあるかなと。

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ほかには、良い意味でですが、ツールに頼りがちなところ。例えば、完全オンラインになってからはスタッフ間でのやりとりはほとんど全部YammerやTeams(ACEが使っているチャットツール)に残っているんですよね。ぼくはフルタイムでACEに勤務してるわけじゃないので、不在の間に何があったかキャッチアップしやすくて便利です。

そうやってツールをフル活用しているイメージはありますが、ただ、やっぱり雑談したいなとか、リアルなイベントも必要だよねというのは、今後の課題かなと思ってます。

山下:ツールは人によってすんなり使える人と難しさがある人といるかなと思いますが、皆さんどうですかね?

田柳:私もすんなり使える派ではありますが…、全員で使うことが決まっているツール以外は、「こういう便利なツールがあるよ」と紹介はされても使用を強制されるわけじゃないので、それぞれの使いやすさに合わせて取捨選択できているかなと思います。

ただ、苦手な人にとってはちょっと大変な環境ではありますね。事前に募集した質問の中に「オフィスに行くことはありますか?」というものがありましたが、今ACEはオフィスを持っていないので、全員在宅です。そうすると、隣の席の人に気軽に質問するということはできないですもんね。

山下:(ACEは2020年7月に完全在宅勤務に移行したので)今までは、オフィスで会って「こういう人だな」って相手のことを分かってからオンラインでのコミュニケーションに移行した形だったけど、今後ますますオンラインがメインになっていくから…。例えば、事務所で会っていれば言えた「今日こんなことがあって」とか「作っていたパワーポイント、間違えて全部消しちゃった!」みたいに(笑)、誰かに言うことでスッキリすることも、共有しにくい。事務所を持たない選択肢をしたACEみんなで良い方法を模索していきたいですね。

ではここからは、事前に受け付けた質問に答えていきたいと思います。

Q1. テレワークが基本とのことですが、オフィスへ出社する機会はどのくらいありますか?

オフィスは無いので出社することは基本的には無いです。ただ、顔を合わせて話したい、深い内容を議論するときは対面の方がやりやすいという声もあるので、コロナの状況次第ではありますが、例えば貸会議室を借りて必要なメンバーが集まる、ということはやっていこうと思っています。

Q2. イベント等で、通常業務以外のボランティアワークを求められることはありますか?

ボランティアワーク=無償奉仕ということかなと思いますが、イベント等は全て「仕事」として扱うので、無償奉仕を求められることは無いです。

田柳:研修時間も業務時間にカウントされますよね。

山下:ACEでいう「研修」は2種類あって、1つ目は組織の判断で機会を設けてスタッフ全員で受けるもの。2つ目は、個人的に「このスキルを伸ばしたい」という判断で受けるもの。後者についても「ACEの業務に役立つ」と判断されれば業務時間としてカウントすることができます。

Q3. 事務所を手放にあたり、全員の賛同はありましたか?様々な意見あったと思いますが、どのように調整したのか等。

坂口:全員の賛同は…正直無かったかなと思います。私は事務所を手放すことを推進する側でしたが、ちょっと強引に進めちゃったかなという感覚があります。財務的な事情もあり、ちょうどビルの都合で事務所を引っ越さなければならないタイミングだったこともあり…

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山下:それに加えて、スタッフの安全を守るためでもあるからと、ガガッと進めた印象でしたね。

小林:外部的な事情も確かにあったけど、「世の中がこの先どうなっていくのか」についてのシナリオを相当考えましたよね。3~4年後の未来に、果たして事務所を持つということにどれだけの意味があるのか?まで考えて、じゃあ今のタイミングで事務所を手放すということをやってみよう、という意図もあったように記憶してます。

Q4. DMや領収書発送等支援者サービス系の業務はどのように対応していますか?

坂口:領収書は、その都度発行するものは私が送っていますが、一年分をまとめて発行するものは数が多いので外部に委託しています。

青井:DMのように大量に発送するものも業者さんに外注しています。印刷物も数が多いものは外注することが多いですね。

山下:こういう外部サービスの活用も、完全在宅勤務になってさらに進みましたね。

Q5. 地方在住者でも働くことは可能ですか?

小林:基本大丈夫だと思っていますが、仕事の内容にもよりますかね。事務所に来ることは無いんですが、例えばご支援いただいている東京の企業に行って打合せをするというようなことは発生するかもしれないので。

山下:「地方だからダメです」ということはなく、その方の可能なこととACEからのリクエストとのすり合わせになるかと思います。門前払いということは無いです。

田柳:今もインターンさんのうち2名は関西からの勤務ですもんね。

山下:今回のイベントも全国からご参加いただいているので、オンラインでの広がりをすごく感じますね。

Q6. 子育て中のスタッフがいらっしゃれば働き方をお聞きしたいです。

青井:働き方は先ほどお話ししたので(前編を参照:)、今回の求人について補足だけしますね。「週3日」という条件ですが「週3日相当の時間」という意味なので、例えばお子さんが学校に行っている時間帯の5時間程度×週5日間という働き方もできるかなと思うので、子育て中の方もぜひご検討ください。

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山下:ありがとうございました。では最後に一言ずつお願いします。

坂口:私は今「サーフしよう」を自分のテーマに掲げているんです。いろんな変化を求められるけど、それを波乗りのようにサーフしていけたら良いなと思っているので、ACEにジョインしてくれる方がいたら、ぜひ一緒にサーフしましょう。

田柳:私は企業からNGOへの転職だったのでけっこう悩んだんですが、当時は有期雇用の契約だったので、私としても「まずは試してみよう」と思えたんです。今もし悩んでいる方がいたら「お試し」と思って、ぜひ気軽に応募いただけたらと思います。

小林:コロナの良い影響の部分かもしれませんが、世の中全体として働き方が柔軟になってきていますよね。ぼくはいわゆる組織的に働くのが苦手な部分があるので、自分が貢献できることに時間を使うという働き方が選べるようになったのは良い変化だなと思っています。ACEも、そんな時代を先取って変化していっているので、働きやすいなと感じています。

青井:私は週3日のアルバイトとしてACEに入って、最初は「言われたことをこなす」感じでした。でも今は正職員になり、やりがいをもって主体的に関わって、かつ心地よく働けていて、ACEで成長することができたなーと感じています。「企業だから」「NGOだから」ではなく、ACEはACEとしてACE的なものを持っているのかなと思っていて(笑)、そんなACEで一緒に働けたら嬉しいです。

山下:ありがとうございました!

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後編は【ACE首脳会議】よりお届けします。ACEの代表と事務局長の2人がACEの価値観や働き方について、これまでを振り返りながらお話ししました。

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