見出し画像

「スナックMIHOKO」やってみてどう?の話

今年2023年6月12日「児童労働反対世界デー」に、ACE一般社団法人LIFE IS ROSEは、コラボレーションイベントをスタートしました。その名も「スナックMIHOKO」。会場となるのは、“ソーシャルグッドな多世代型スナック”SNACK LIFE IS ROSE。当日の売上の20%はACEへの寄付として、児童労働のない未来実現のために活用されます。

スナックでは、ACEスタッフ山下みほこ(以下、みほこ)が“みほこママ”として、みなさまをお迎えし、ACEと多種多様な人たちが気軽に繋がれる場所として月一回開催されています。

初回開催から約4ヶ月経った10月のある日。改めて
SNACK LIFE IS ROSEってどんな場所?

「スナックMIHOKO」はどんな風に開催されているの?
をお伝えできたらと、SNACK LIFE IS ROSEの店長 稲川雅也さん(以下、雅也さん)をゲストにお迎えし、スナックを開催してみての感想や今後の展望をおしゃべりしました。


みほこ(左)と店長の雅也さん(右)
まずは乾杯!で対談スタート

コラボレーションのきっかけ

みほこ そもそものきっかけは、ACEのチャリティーアンバサダーを務めていただいているAFRIKA ROSE 代表の田中秀行さん(以下、ヒデさん)で。ヒデさんと「何が一緒にできるだろう?」を考える中で、この場所(SNACK LIFE IS ROSE)があるということを教えていただいて。私が元々オンラインでスナックをやっていたこともあって、じゃあ、このリアルな場で定期的にコラボできないか?というところから始まったと思っているんですが、雅也さん的にはどんな感じで始まったんですか?

雅也さん その通りです。ただ、AFRIKA ROSEとスナックを運営しているのは別の法人で。ヒデさんと何か面白いことしたいねと話す中でできたのが一般社団法人LIFE IS ROSEで、その一般社団法人で運営しているのが、ここSNACK LIFE IS ROSEです。

スナックができた経緯

雅也さん 一般社団法人LIFE IS ROSEは2020年コロナ禍真っ只中にできた法人で。みんなそれぞれ本業がありつつも、本業がうまくいかなかったり、方向転換を強いられたりする中で、第2のキャリア、セカンドキャリアとして、みんなで集まって何か面白いことを作っていけたらいいなと、一般社団法人を立ち上げました。そこから3年くらい、クライアントワークだったりローズビールなどのプロダクトを作ったりして。どこか場所があったらいいよね、ということもずっと話していました。
僕自身もお酒が好きだし、スナックも昔から好きで20歳そこそこの時からいろんなスナックに行っていて。そういう経緯もあってスナック事業をやりたいなと思って作ったのが、この場所です。その中でソーシャルなところも出していきたくて、元々僕がアフリカに行っていたり、NPOと繋がりがあることもあって、うちの店といくつかのNPOを提携して、うちの売上がそのNPOに還元されていく仕組みのもと始まったのが、ここのスナックです。

みほこ やろうってなってからこの場所も探したんですか?

雅也さん そうそう。場所はいろんなところを見て内覧もいっぱいして、ここが一番しっくりきたので、ここになりました。

みほこ 初めてここに来た時に、それを言ったら「営業妨害だ」って言われたけど、ここ、めっちゃ眠くなるんですよね(笑)

雅也さん 営業妨害だね。でも確かに、うちで飲みながら寝ていく人いっぱいいるから。居心地はいいですよね。アットホームな感じ。

みほこ リラックスできて、安心感がある。

雅也さん で、いろんなNPOさんと提携していく中で、ただ単に売上を毎月還元していくよりも、もうちょっとインタラクティブに、相互的な関係ができたらいいなってことで、NPOさんのスナックみたいな、代表とか職員さんが「ママ」になってスナックをやって、その日の売上を寄付するっていうスタイルをやれたら、提携団体とも関係が深くなるし、寄付者さんたちも団体の中の人と繋がってよりロイヤリティが深まるとか、そういった機会を作れたらいいなってことで始めました。

自分が楽しんで、誰かもハッピーになる流れを作りたい

みほこ こういう場が持てることは、ACEにとってもすごくありがたくて。ACEは2020年に事務所を閉じて完全在宅勤務に切り替えたので、それ以降リアルに集まる場がなかったし、わざわざそういう機会を作らないと対面で会えないという状況が続いていて。そういう意味で、以前から支援してくださっている方もそうだし、最近繋がった方とか、ACEとは関係がまだそこまで深くない私や他のスタッフの知り合いとか、この店のお客さんとか…
「この場にたまたま一緒にいました」みたいな出会いは、ここ何年なかったなと思うから、定期的にそういう機会を設けられるのは、ありがたいなと思っています。

初回開催となった6月12日。「児童労働にNO!」の意思を示すレッドカードを参加者のみなさんと一緒に掲げました!

雅也さん コロナ禍になって、非接触みたいなことが正義となった時代にあえてめちゃめちゃ接触型のこの事業をやるっていうのは、時代に逆行しているようでもあり、時代のせいで置き去りにしてきたいろいろな事をもう一度取り戻すきっかけとかになるのかなとも思いますよね。

みほこ 時代のなんだろう…その先な感じがしています。「もうオンラインでいくらでも繋がれることは分かった。だけど、偶然同じ日に同じ時間にここに来るって、逆にすごくない?」みたいな。

雅也さん ギャル入りましたね(笑)急に。ありがとうございます。

みほこ オンラインだと偶然の出会いってそんなにないと思うんですよね。そこが面白いなと思います。

雅也さん ACE以外にもいろいろなNPOさんとスナックをやったり、忘年会とか新年会とか代表のバースデーの時とかに、ここを使ってもらっているんですが。NPOの場合、寄付する側とされる側、そして受益者がその先にいるじゃない?だから寄付を受け取る側も(寄付者への)サービスの対価ではないから何かちょっと億劫というか、心理的にハードルがあるというか、そういった側面があると思っていて。でもNPOの職員さんとか代表とかにママをやってもらう中でみんなで飲んで、そこでお金が発生してそれが寄付されるというのは、すごく自然な仕組みで精神的にもクリアだなと思っていて。そういう新しい支援の流れみたいなのは、あってもいいんじゃないかなと思うよね。

みほこ そうね。同じこの時間・空間を共有して楽しかったねっていう気持ちや体験と、誰かのためになるとか寄付になるということが一緒に存在している、同時に起きるのがいいなと思っていて。寄付しようと思って飲んでいるというよりは、楽しいから飲んでる、その先にそれ(誰かのためになる、寄付になる)があるみたいな。

雅也さん 誰かの我慢の対価が誰かの幸せに繋がる流れじゃなくていいと思うんですよ。寄付って結構その側面があると思っていて。例えば「コーヒー一杯分の金額で誰かのために」みたいな。そのために我慢するみたいな。
それも素晴らしいことだし、いいと思うんだけれども、自分が楽しんで誰かも楽しくなるっていう流れがすごくいいなと思っていて。そういうものがもっとあるといいよね。

みほこ ここでは、他にはどんなイベントやっているんですか?

雅也さん この場所は一日使えるので、昼の時間を活用したいというのがあって昼にワークショップ、例えばお花のワークショップだったり、アロマだったり、ちょっとした大人の趣味みたいなのを企画してやっていたりします。

みほこ なんか場所があるっていいよね。

雅也さん そうなんですよ。今の時代なくてもいいし、人と対面で会わなくてもいいんだけど、ここがあったからしょうがなく来てくれる人たちも結構いて。

みほこ しょうがなく(笑)

雅也さん そうそう。ここができなかったら、今後10年20年、もしかしたら死ぬまで会わなかった人っていると思うんだよね。僕とか幼稚園時代の友人が来てくれたり、そういうのがちょこちょこあって。こういう場所ができないと会えなかった人たちっていて、そういうのが場所の魅力、魔力だなと思います。

みほこ 確かに。で、なんかそれがそれで終わりじゃなくてまたその先に繋がっている感じもするから、おもしろいなと思います。

雅也さん と、言うと?

みほこ 例えば、ACE主催の会に来てくださった知らない人同士がたまたまこの場で一緒になって、「また、ここで会いましょう」でもいいと思うし、SNSで繋がるとか…そういうのがおもしろいなと。

4回開催してみて感じていること

雅也さん みほこママ、4回やってみて、どうでしたか?良かったことは?

みほこ 会いたい人に会えるのは良いよね。嬉しいなと思います。会いたい人たちが集まってくれる空間もすごく幸せだと思うし、ACEの活動をよく知ってくださっている方もいれば、そんなに知らない私の友人とかもいるので、そういう方々にACEの活動やACEが大切にしたいことが伝わって、それぞれの場所に持ち帰ってもらえるのはいいなと思います。

「こういう効果がありました!」とかはまだ言えないけど、この数年体験できてなかった、時間を共にする、空間を共にしてただ飲むみたいな、そういう体験が自分の中に積み上がってる感じはして。それがあった上で「この先何していけるだろう?」と。今後出てくる発想が変わってくる気はしています。

雅也さん 提携してるNPOさんで、アフリカ系の団体なんだけど、その団体の新年会で使ってもらった時に、何かお酒も入ってさ、いっぱい愛が溢れてくるじゃん。もう泣き始めちゃったり、お酒が入って伝えられることとかさ、普段の感謝とかさ。なんか改めてよく頑張ったねみたいなことがあったりして。温かい会だったな、すごい素敵な空間になってよかったなと思います。

自分以外の価値観に触れる

みほこ ACEのスタッフとかお客さん同士だけじゃなくて、雅也さんや(スナックのスタッフの)たいしさんとの出会いもきっとあるんだろうなと思ってて、この間来てくれた方がたいしさんの生きざまに触れて、「私が悩んでること、ちっちゃいなって思った」と言って帰っていったことがありました。それこそ、この場がなかったら絶対出会わなかった価値観に触れるとか、実際にそういう生き方をしてる人がいるってことに触れるっていうのは、スナックならではなんだろうなと思う。

雅也さん 確かに。社交場というか、他のお客さんと喋ることになるからね。

”みほこママ” 誕生の経緯

雅也さん 元々スナックをやってたんだもんね、オンラインでは。それはどういった経緯で始まったんですか?

みほこ 元をさかのぼると、あれはもうコロナ禍だったんだな多分。12月は”寄付月間”という月になっているのですが、ACEで「何ができるだろう?」と考えたときに、今年は忘年会とかできなかったからスナックがいいんじゃない?というアイデアが出て。最初、ACE代表の岩附さんがスナックやろうかなと言って、「じゃあ、私チーママ、やります」って言ったら、「じゃあ、スナックミホコでいいじゃん」ってなって。何でそうなったかっていうとそれより前にミホコの部屋っていうオンライン配信をしていたのですよ。で、「スナック・ミホコ」というイベントが1日限りで開催されました。
で、そこから時間が経って、ACEとは違うコミュニティで「何かできないかな?」と考えていた時に、「そういえば私スナックがあった!」と思って、それでオンラインスナックを始めました。で、それがまたACEに戻ってきたという感じです。

雅也さん そういうのが好きなんだね。スナック的な、お酒とか場的な、人と交流するのが。

これからのこと

雅也さん 感じている課題感、もっとこうしたらいいなとか、もっとこうなったらよかったな、とか、4回やってありますか?NPOがスナックのママするって、まぁまぁない話だと思うので。

みほこ 言っても限られたスペース(定員15名)に、どなたにどんな風に来てもらって、誰と誰がここで出会えたらいいな、みたいなことも意図してお声掛けしているけれど、やっぱり日程ありきだから、うまく予定が合わなかったりもして。そこが、もっとバチッと合ってくるとおもしろいことがまた起きるのかなみたいなと思ったりしています。そういう意味で、これまでは基本ご招待制みたいな感じでお声掛けした方に来ていただく場っていう感じの設定だったんですけど、そこをもうちょっとオープンにしていくと、想像を越える化学反応が起こりうるのかなと。

やっぱり場があって、あとは来てくださる方が宝だなと思うので、どういう方がどんな風にいらっしゃるかでこの場が決まるなと思うときに、それをどこまで意図してやるか、どこまで流れに身を任せるかを、どこまで冒険できるかだなと思っています。それが予想を超えていくみたいな可能性がきっとあるだろうなと思うので、そこをいかに乗りこなせるかだなと。

雅也さん 寄付月間も何かやりたいね。あと、私的には提携してるNPOのコラボスナックとかもやりたい。アクトコインさんとか、アフリカ系の他のNPOとか。あとはママ会。今までの1日ママをやった人たちを集めて飲む会とかそういうのを企画してみたい。

みほこ ママは何人ぐらいいるんですか?

雅也さん 総勢で言ったら、40-50人じゃないかな。本当に年齢、性別、バックグラウンドもバラバラだから、その人たちが一堂に会してみても面白いかもね。それでみんなで飲んで、その日の売上を参加しているNPOのママたちの団体で山分けとかもいいじゃん。そういうのやりたいな。

もっといろんなNPOがこういう関わり方、していくのがいいよね。NPOにすごく興味がある支援者さんじゃなくても、話を聞きたいときに、気軽に会いに行けるとか。

みほこ ご案内もしやすいし、それいいね。オープンの30分前、もしお店が空いてればだけど、ちょっと真面目にACEの活動を紹介します。だから早く来れる方はそこから来て聞いてください、みたいな。

雅也さん ACEボトルとか作っておいてもいいけどね。ACEのイベントじゃない時もこれ飲めばACEに還元されるみたいな。そしたらACEの支援者さんたちはイベントじゃなくてもここに来るきっかけにもなる。そういうのも企画してみたら面白いかもな。

みほこ っていうのを仕掛けられられるのがいいね。

雅也さん 思ったことをね、小回りきいてね、すぐ。

みほこ お店的にはぶっちゃけ、寄付とかしない方が儲けとしては増えるじゃないですか。そのあたりはどうなんですか?

雅也さん 確かに支出は増えるけど。でも、うちの場所って9階の一番端っこにあるから新規のお客さんは入りにくいわけですよ。だから、新しいつながりで、信頼できる人たちが来てくれのはすごく良くて。だから積極的にイベントとか新しいお客様を入れてきたい。だから全然いいんですよ。

みほこ なるほど、うまくできてきてるね。

雅也さん こういう発信は大事。ただ毎月毎月、さらっと飲んで終わっていくだけじゃなくて、貯まるところを作ってきたよね。来てくれるお客さんもそうだし、こういう体験を外に発信して。定期的にやろう。

みほこ 言葉で伝えられることと伝わらないこととあるけど、でもね、言葉にするのは大事だね。

雅也さん この発信を読んで、スナックを来てみたいと思う人もいるかもしれないし。

みほこ え。この発信を読んで、来たいと思う?

雅也さん そう思うように書くんだよ。

みほこ だよね。。。みなさん、来てください!

ご来店お待ちしてます!!

編集後記

対談後、10/27(金)に5回目、11/17(金)に6回目のスナックMIHOKOを開催しました。そこで改めて感じたのは、この場で起きていることを言葉にするならば、「社会関係資本(Social Capital)」を育んでいる、とも言えるのではないかということ。
以前、ACEがどんな場でありたいかを、当時のスタッフで言葉にしたとき、「社会をよくしたいと思う人が、集いつながる場」という表現が浮かびあがりました。スナックMIHOKOは、まさにそんな場所だなと感じています。
社会をよくしたいと思っていても、特に意識していなくても、このスナックに来ていただくことは、社会を一歩、もっとみんなが一緒にしあわせになれる方向に進めることにつながっています。

よかったら、ぜひあなたのスナック体験をしてみてください。
スナックMIHOKOへのご来店、心よりお待ちしております!(みほこ)

今後の開催予定

🌹次回は12/13(水)に開催予定です。お申込みは、こちらのページからどうぞ!

🌹そして同じ週の12/11(月)SNACK LIFE IS ROSEの一周年記念パーティーが開催されます🌹当日はみほこママはもちろん、これまでにスナックで1日ママをやった方々も大集合の予定。ぜひお気軽に会いにきてくださいね!


*SNACK LIFE IS ROSE についてもっと知りたい方は、こちらの記事もどうぞ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?