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NGOの支援に疑問を持った学生最初の国際協力【ACEトークvol.12:前編】


児童労働から子どもを守る国際協力NGO ACE(エース)で働くスタッフを毎月1人ずつゲストに迎え、この道を選んだきっかけや仕事にかける想いをACE啓発・市民参加事業の杉山綾香が聞いていく「ACEトーク」。
こちらは2022年12月19日にYouTubeライブ配信をした「ACEトークvol.12」レポート記事です。

今回のゲストは、啓発・市民参加事業の田柳優子さんです👏


田柳優子さんプロフィール

国際協力にはまだ関心がなかった大学生前半

杉山(司会):初めてインドへ行ったのは大学何年生のときでしたか?

田柳:
大学2年生と3年生の間の春休みです。休みの期間を使ってインドのNGO団体でのインターンシップをしてきました。

杉山(司会):そのインターン生活でNGOでの根本的な解決は難しいのではないか、という経験をされたんですね。そして同じ年の大学3年生の夏休みに、ACEのスタディツアーに参加したんですね。

田柳:もともと私は、「国際協力」ということに特別関心があった、というわけではなかったんです。ACEにいると、高校生でも「児童労働について気になる」「海外の子どもたちのために何かしたい」という方と関わることも多いのですが、当時の私は全然そういうタイプではありませんでした。

ただ、在学していた学部が観光学部だったために友人も旅行に関心がある人が多くて、海外へ行く機会は多かったです。覚えているのが、大学の昼休み中に「トルコ行きたいね」という話になりその流れで大学のパソコン室で友だち4人でトルコ行きの航空券を取ったこともありました。そのくらい、海外への敷居は低かったんですよね。

杉山(司会):確かに、田柳さんは学生の頃はよく「旅行」をしていたというイメージがあります。まさかそんなノリで航空券を取るまでだとは思わなかったので、今そんな一面があった田柳さんを知れて嬉しいです。

田柳:そういうノリ、楽しいですよね(笑)

杉山(司会):ね〜いいですよね!(笑)

子どもの力になれないことへの無力感

杉山(司会):ちなみに、「インド」というのは田柳さんにとって重要なキーワードだったのでしょうか?

田柳:いや、それもそうじゃなかったんです。旅行先では世界遺産を訪れることもありましたが、そういう観光にはあまり興味がないんだなということに気づいたんです。それよりも「旅先で出会った人とのやりとりが楽しい」ということがわかったんです。それに気づくまではいろんな国に行くようにしていたのですが、それに気づいたことで、同じ国・同じ場所に長期間滞在して出会う人との関係を深めたいなと思うようになりました。そこで長期休みを使って一カ所で生活してみようと思い、ただしアルバイトで稼いだお金も限られていたので安く実現できる方法を調べて見つけたのが、海外のNGOでのインターンシップという方法だったんですよね。

杉山(司会):なるほど〜そうだったんですね。ということは、最初のインドのNGOのインターンでの滞在は長期間だったのですか?

田柳:はい、2ヶ月半滞在しました。日本の学生団体と海外の学生団体がつながっていて、その中からNGO団体をいくつか紹介してもらい、インドの子どもを支援する団体を選びました。まだそのときは児童労働の「じ」の字も出ていない状態でした。

杉山(司会): インターンをしていたNGOで何か覚えていることはありますか?

田柳:そこのNGOはストリート・チルドレンの保護施設を運営していたのですが、スタッフの人たちはすごく頑張っているのに子どもたちが満足していないな…と思うことが何回かあったんです。インドに来てから路上で暮らす子どもの状況を垣間見ていたので、安全に暮らせる施設に保護されたら子どもたちも安心なのかなと思っていたのですがそうでもないみたいで、なかには施設から逃げ出す子もいたんですね。そういう状況を見てもそのNGOのスタッフは、「あの子たちは外で暮らすのを選んだんだよ。本人が選んでいるんだからその方がいいんだよ。」と話していたこともありました。NGOが頑張って支援していても支えたいと思う子どもが逃げてしまう、子どもがここにいたいと思う場所を作ることができていない。子どもの支援というけど、「本当の意味で子どもを救うことはできないのかな」といった疑問が湧いたり。そもそもインターンをしていた私自身も何もできていない力になれなかった無力感を感じたり、「NGOが支援する意味ってあるのかな」とモヤモヤしながら帰ってきたのでした。

そしてその想いは帰国後も忘れられなかったので、もう一度インドへ行きたかったのですが、また一人で行ったらモヤモヤしたまま帰ってきそうな気がしたので、今度はインドや子どものことに詳しい日本の人たちと一緒にインドへ行こうと思いました。「インド スタディツアー」で検索し、初めてACEを知って、スタディツアーに申込みました。最初のモヤモヤしながらの帰国から4か月後に、そのツアーで2度目のインド訪問をしました。

杉山(司会):インターンを通じて諦めや無力感を味わいながらも、改めてもう一歩踏み込んでNGOと子どもたちの関わりについて知りたいと思い、ACEのツアーに参加されたんですね。

ACEのスタディツアー経験やその後の進路は後半で!
後編はこちらから! 

第12回ACEトーク「ACEスタディツアー参加を経て職員になったスタッフ」田柳優子さん出演回のアーカイブ動画は以下からご覧ください。 

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