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#63|広くて近くて今にも落ちてきそうな空④

1935年の同じ日 6時43分

 目を覚ましたシュレディンガーはカーテンを開けてから万年筆を手に取った。

おわり

あとがき
普段は小説なんて書かないんですが、今回は大学院の授業の一環で書かなければいけなかったので無理矢理書きました。
お察しの通り、ジョジョの奇妙な冒険第5部と第6部からかなりアイディアを頂いております。
作品全体のモチーフとして有名な思考実験の「シュレディンガーの猫」を使いました。説明する必要もないとは思いますが、相反する2つの事象が同時に起こりうる事を表したオーストリア人学者シュレディンガーによる思考実験です。本来は箱の中に猫を入れて観察をするのですが、本作ではあえて箱の中の世界を描いてみました。観察者としては生死が同時に成り立ちますが、被験者(猫)の視点から見ればどちらかひとつです。
かっこつけて言えば、think outside of the box(枠に囚われないで考える)って感じですかね。作中では囚われている側の視点ですが。つまり自分が中心ではない世界もあるのだということ、自分の尺度が全てではないこと、などなどがテーマです。後日スペイン語版も掲載予定。

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