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ライダーキックと日活コルト|「ダメ絶対音感」の謎について

この記事では、映画関連の音楽やSEの流用について語ります。

※一映画ファンの調査です。これを読んでご自身で調べられるのは自由ですが、当記事を根拠とした不確かな情報拡散はご遠慮ください。


◇ライダーキックのインパクト=銃撃?

 先日、CS東映チャンネル『シン・仮面ライダー』公開記念に、初代『仮面ライダー』セレクション放送と東映まんがまつりの劇場版三部作が特集された。

 『ゴーゴー仮面ライダー』(仮面ライダー 第13話「トカゲロンと怪人大軍団」)を観ていると、気になる事があった。

 怪人トカゲロンに敗れたライダーが新たな必殺技習得のため、修行するシーン。そこでキックで岩を割る瞬間のカット(本編15:25付近)、そのSEが日活アクション映画でよく聴くコルト拳銃の銃撃音だった。

※参考↓(0:12)

 逆に考えれば、「なるほどライダーキックのインパクトの瞬間を表現するのに銃撃音が使えるのか」という新たな発見があった。

 ちなみに、日活映画でよく聴く銃撃音のバリエーションは『拳銃は俺のパスポート』オリジナル・サウンドトラックに収録されている。

 映画やドラマを観ていると、たまにこのような発見をするのだが、ある漫画のなかに「ダメ絶対音感」という俗語がある。

アニメやCM、洋画の吹き替えなどの声から瞬時に誰の声かを判断することができるという、
生きていく上で特に必要のない能力のことをいう。
ちなみに、この能力を持っていても特に役に立つ訳でもなく、
一つ間違えれば他人に迷惑をかけることになりかねないので注意が必要である。

 元々は声優についての言葉ではあるが、映画の音楽や効果音、あるいは他の分野にも当てはまるのではないか。
 ということで、今回は日活映画関連の「ダメ絶対音感」を紹介したい。


◇『打倒』のテーマ

 1960年公開の日活映画『打倒』
 リングの激闘とクレジットを同時に映していくOP映像とバックに流れるメインテーマが大好きだ。

 実は、このメインテーマが日活映画の予告編によく使われている。

 赤木圭一郎主演作品つながりで『男の怒りをぶちまけろ』『拳銃無頼帖 不敵に笑う男』、鈴木清順監督『百万弗を叩き出せ』、『野獣の青春』の予告編でも使われている。

 なんと石原裕次郎『赤いハンカチ』予告編でも使われていた。

※参考↓(3:07)

 一見関連のない作品にも『打倒』のテーマが使われているあたり、汎用性があるのかもしれない。
 もしかしたら日活映画で最も流用されているのは『打倒』のテーマではないだろうか。


◇怪奇鳥SE

 これも日活映画でよく聴くSEだ。ジャングルを歩く場面なんかで聴こえてくる。
 戦争映画が主だが、『続あゝ軍艦旗 女護が島奮戦記』『すべてが狂ってる』(冒頭『最後の突撃』流用シーン)日活唯一の怪獣映画『大巨獣ガッパ』でも使われた。
 あとは(日活映画ではないが)確か『野性の証明』でも映画冒頭、山でサバイバルする場面で使われていたはず。

 これを”謎鳥”と自分の中で名付けていたが、最近になってインターネットの一部で人気な『チャージマン研!』と同じ制作会社による『透明少年探偵アキラ』というアニメでも使われていると知った。

※参考↓(5:58)

 界隈では”怪奇鳥”と以前からネタにされているらしいので、したがって自分も”怪奇鳥SE”と呼ぶことにした。

 余談はあるが、音楽には『月光仮面』『流星人間ゾーン』などの作曲家・三沢郷の曲が流用されている。
 この作品は迷作と言われており、確かにストーリーに難はあるかもしれないが、音楽は正統派ヒーローそのものと評価できる。

 こうしたSEの出自は一体どこだろうか。
 例えば東宝映画では、東宝効果集団が有名である。近年では『シン・ゴジラ』で爆発音などが使われて話題となったが、他の映画会社の場合はどうなのか知らない。
 色んな作品で耳にするSEは、いつから使われているのか、誰が作ったのかを知ってみたい。世間的にはなんの役にも立たないが。


※一映画ファンの調査です。これを読んでご自身で調べられるのは自由ですが、当記事を根拠とした不確かな情報拡散はご遠慮ください。

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