いま改めて経費精算について考える

私と経費精算の戦い

私は実は結構長い間経理をやっていまして、その中で特に嫌いだった経費精算をどうにか撲滅できないかと色々動いてきました。
(過去の格闘の歴史はこちらのスライドを参考にしてください。)

このスライドからもわかるように、私は経費精算が非常に嫌いで時間を割く価値のない業務だと思っています。それは現在でもゆるぎないと確信しておりますが、職業柄様々なバックオフィスの方とお話する機会をいただく中で経費精算の役割として異なる側面やアップデートすべき情報があるのではと思い、個人の備忘録的に書いていきたいと思います。

経費精算業務自体は相変わらずなくすべき業務

これは変わりません。経費精算は「立替経費情報をデータ化し、会計システムにデータを流すとともに、従業員に立替金の支払いをする」以上の機能がないため、時間をかけること自体がナンセンスです。
したがって、①データ化をいかに簡単に素早くできるか②そもそもの立替経費をなくすか、というソリューションを極限まで突き詰めるというのが大事になります。
①のほうでいうと、AI-OCRの活用だったり、プリペイドやクレジットカードを活用し立替経費データをアナログではなくデジタルで持ってくるということが考えられ、②であれば私が現在力を入れているAI Travelのような立替経費の後払い化やコーポレートカードの導入が考えられます。

昔は結構絵空事みたいなこと言われてましたけど、現実的に経費精算をかなり省力化し、撲滅できるような土壌が整ってきたのではないかと感じています。

今一度考える経費精算システムの役割

上記にも述べたように、経費精算は「立替経費情報をデータ化し、会計システムにデータを流すとともに、従業員に立替金の支払いをする」という業務です。このデータ化が非常に重要だと考えています。経費精算を含む販管費はデータ化して、分析できるよう状態にして、分析容易性を持たせるのが非常に重要です。
これを会計システムで行おうとすると結構大変です。レガシーなオンプレミスの会計システムを使用していると、多額の改修費用が都度かかってしまったり、そもそも改修するための要件定義できる人材がおらず、ベンダーに丸投げしたら結局うまくいかなかったなどなど、いばらの道になること間違いなしです。
しかし、経費精算システムなら比較的簡単にできます。レシートや領収書のみならず、請求書やAI-OCRを駆使したアナログデータのデジタル化、クレジットカードとの連携など、販管費系のデータ化をカスタマイズなしである程度できてしまう。企業が経費精算システムをBIやデータウェアハウスのような使い方を求めているのも納得です。

経費精算システムは、十数年前に求められていた立替経費を精算する機能は一部でしかなく、販管費をデータ化し分析するためのツールとして進化しているのではないかと考えています。
もちろんここまでできる経費精算システムは会計システムの連携もオンプレであれクラウドであれスムーズにできるので苦労しないはずです。
そう考えると一時期はレッドオーシャンだと思っておりましたが、スタートアップ企業がこぞって参入する理由もなんとなくわかります。

クレジットカードの役割の変化

クレジットカードは昔から経費精算のデータ化の手段として使われてきました。従業員に持たせるケース、法人としてコーポレートカードとしてバックオフィスが運用するケース、またはその合わせ技で経費精算効率化のハックとして利用されてきました。
また、電子帳簿保存法の改正で、クレジットカードの利用明細が領収書やレシートの代用としてエビデンスに使用できるようになったのもクレジットカードの利用促進を後押しした気がします。

しかし、インボイス制度により、クレジットカードの利用明細では仕入税額控除が取れなくなり、利用明細だけでは活用しにくい状況となりました。

もともとクレジットカードの利用明細では何に利用したかが分からない、課税区分などが分からないので、そのままでは仕訳が切れないという問題点がありました。

インボイス制度開始とともに改めてクレジットカードの課題と向き合うことが必要になりました。
つまり、レシートや領収書などの利用データとクレジットカード明細の紐づけですね。今まではクレジットカードの利用明細がcsvなどでしか落とせなかったので、レシートや領収書などの紐づけが非常に大変でした。

現在ここを何とかしようとクレジットカードの管理画面が強いクレジットカードが台頭してきました。UPSIDERさん、LayerXさんのバクラクカード、freeeさんのfreeeカード unlimitedなど数多くのプレーヤーが出現しております。
これらはもはや立替が必要のない経費精算システムとそん色ない気がします。もちろんクレジットカードは与信や不正利用といったクレジットカード特有の課題はありますが、何でも後払い化できるという最強の強みがあります。また、データの一元管理という点でも優れているので今後の進化に目が離せないと個人的には思っています。

結局何が言いたいのか

つらつらと書いてきましたが、結局経費精算をはじめとする販管費の話はインプット(データ入力)→アウトプット(データ分析)なので、そこをいかにコストかけずにPDCAを回せる体制にするかに尽きます。
このベストプラクティスというのは、本当に難しく万人に通じる正解はないと思っていますが、ある程度のケースに基づいたベター方法は提供できるはずだと思ってます。
私が今のトランスファーデータという会社にいるのも、限りない正解に近いベストプラクティスを模索するためです。出張という非常にニッチな部分ですが、こと経費精算に関しては非常な重要なファクターを担っており、かつ各システムと連携しやすい立ち位置にいるので、他にはない動きができるのではと思って色々あがいておりますw

今回は個人ブログなのでつらつらと好きなように備忘録的に書き連ねました。ここがよう分からんとか色々突っ込みいただけると嬉しいです!

ではまたー。



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