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自動車保険の不思議

自動車保険をよく知ろう!

自動車保険についての2回目です。
今日は自動車保険の疑問点についてご紹介します。


Ⅰ.保険料の「高い」「安い」はどのように決まるのか

自動車保険の疑問点にお答えします

①ノンフリート等級別の割引・割増制度

「1等級から20等級までの等級区分」「無事故・事故有の区分」により保険料が割引・割増される制度。
事故の有無により、『等級』が上がったり下がったりします。

「1等級から20等級までの等級区分」
事故により、〈 3等級ダウン・1等級ダウン・等級据え置き 〉があり、無事故の場合は1等級アップします。
スタートは6等級からスタート。次回の更新契約に適用する等級は、無事故であれば7等級、3等級事故が1件あれば3等級となります。
割増引の範囲は
・無事故の区分の場合:1等級(64%)の割増から20等級(63%)の割引
・事故有の区分の場合:1等級(64%)の割増から20等級(44%)の割引
の幅で推移します。

◇「無事故事故・事故有の区分」
事故があると等級ダウンの他に「事故有」契約として保険料水準が高い割増テーブル(事故有契約)に移行します(1件~6年)。
つまり、ノンフリート等級別制度には、無事故のテーブル事故有のテーブルの2種類があり、例えば、10等級の場合、「無事故」のテーブルは45%の割引、「事故有」のテーブルでは23%の割引、と割引水準の違いがあります。
この「事故有」のテーブルから「無事故」のテーブルの保険料水準に戻るまでは、高い保険料水準のテーブルで数年間(事故有係数による)推移します。

②記名被保険者の年齢

契約時に記名被保険者を決めます。主に契約車両を運転する人、契約車両を支配できる人(所有者)で、その記名被保険者の年齢により保険料水準が異なります。
若年層や高齢層の保険料水準が高く設定されています。

③年齢条件

契約時に運転者の年齢条件(運転ができる人の年齢の幅)を決めます。
免許取得したばかりの子供(18歳等)も運転する場合は、「年齢制限なし」で契約。子供は乗らない(運転しない)場合は、運転者の年齢に応じて「35歳以上補償」「26歳以上」「21歳以上補償」のいずれか年齢条件を設定します。
年齢条件の範囲が広い、すなわち補償範囲が広い「年齢制限なし」は保険料が高く、年齢条件の範囲が狭い「35歳以上補償」は保険料は安い水準です。
尚、別居の未婚の子は運転者を限定(『本人限定』『本人・配偶者限定』)
していない契約の場合は、第三者の運転者として年齢条件が不適用になります。
*保険会社により引き受け方法が異なることがあるので確認が必要です。

④補償内容

補償範囲が広ければ保険料は高く、補償範囲を制限すれば保険料は安くなります。
保険料は安いことに越したことはありませんが、補償の有無や補償の範囲に大きな相違が生じますので、契約時には保険料の高低以上に「補償内容」の十分な確認が必要です。
どの補償が必要か、いくらまでの補償が必要か、必要とする各特約は何かを十分に検討し選択することが重要です。

Ⅱ.そもそも保険料水準はどのように決めているのでしょうか

保険料が高くなったり安くなったりする要因は主に上記の通りですが、保険料水準はどのように決められているのでしょうか。
ニュース等で、〇年〇月に『自動車保険の保険料の値上げ!』のような報道をよく見かけますが、保険会社はどのような判断で保険料水準(基本保険料)を変更しているのでしょうか。

【損害保険料率算出機構】
損害保険率算出機構(下記のリンク先参照)では、自動車保険・自賠責保険・火災保険・地震保険・傷害保険の保険料水準の拠り所となる参考データ(参考純率等)を提供しています。

自動車保険の基本となる保険料水準は各保険会社毎に決定していますが、各保険会社がその保険料水準を決めるベースとしている各種データ〈 事故の頻度や保険金の支払い状況各種データ 等 〉は、損害保険率算出機構が提供している『自動車保険参考純率』を準用しています。
このため、『自動車保険参考純率』が改定された場合、すなわち、保険料水準の拠り所としているその根拠が変わることになり、各社が適用している保険料水準(基本保険料)を改定せざるを得ないことになります。

このように「自動車保険の保険料値上げ!」のニュースの背景にはこの参考純率の改定があるため、各保険会社が多少の時期の違いはあるものの、ほとんど同じような時期に保険料改定が実施されています。

*火災保険で火災保険料が毎年のように改定されるのも、自然災害の影響等による火災保険参考純率の改定がその背景にあります。


Ⅲ.保険会社の示談交渉は当たり前…

自動車保険で補償内容や保険料の他で気になる事項ですが、自動車保険における示談交渉サービスとは何でしょうか。

示談交渉は当たり前ではなく、例外的に自動車保険に認められているサービスです(特約が自動付帯されています)。
本来は示談という行為は弁護士の専門業務の領域にあたりますので、保険会社による示談行為はできませんが(非弁行為)、自動車保険に限り、かつ支払限度内において示談交渉が認められています。
したがって一方的に追突された場合のような、100:0で過失が全く無い事故では保険会社の支払い責任がなく、示談交渉サービスができないのが一般的です。

【参考】
企業関連の賠償責任保険では、保険会社は示談交渉ができず、相手方との交渉は契約者自身が行わなければなりません。
どの保険でも保険会社が示談交渉してくれるわけではありません。

Ⅳ.その他

自動車保険の保険料に影響を与えるのは、上記以外にもいろいろとあります。
運転者の限定(運転者を本人や本人・配偶者に限定)、免許証の色(ゴールド免許の割引)、自動車の使用目的(日常・レジャー、通勤・通学、業務)、複数所有の割引(セカンドカーの割引)、新車割引、福祉車両割引、中断証明を利用した契約(過去の優良契約時の等級を活用)等、それぞれ該当する場合は確認したいところです。

自動車保険はこのように保険料を決定する要素も数多くありますが、保険会社により規定や運用に相違する場合もあり、一律ではありません。

皆様の身近にいる、
何でも相談できる保険代理店、親身になってくれる保険代理店の募集人に、いつでも不明点はご相談ください。

今日も安全運転!


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