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EP1:趣味の違う夫婦が本屋を始めてみる

随分前からおぼろげな構想だけはあったけど、本屋的なものを夫婦で始めることにした。屋号は「ACCHI KOCCHI BOOKS」。ちょっとふざけてるっぽいけど、それなりに本気である。

こんな店名になったの理由の1つは、2人の趣味が違ったから。僕は音楽とサッカー。妻は映画と写真をこよなく愛している。しかし、僕は映画にほとんど興味が無い。ただ、ファッションは好きだったので、ガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」などGDCがコラボしていた映画などをかなり局所的に観たことがある。

しかし、根っからの天邪鬼だった頃もあり、ジブリ作品や名の知られるヒット映画はほとんど観たことがないし、トム・クルーズとトム・ハンクスの違いも大して分からない。「でも、トム・モレロのギターやトム・ジェンキンソンの狂気的なサウンドの素晴らしさは理解しているつもり」と妻に言ってみるものも、「コイツには通じないな」とお互いに思っているに違いない。笑

ネガティブに考えれば、2人の趣味が違うことは良い作用をもたらさないかもしれないが、ポジティブに考えれば、お互いのアンテナが違う方向に向いていることは、面白い掛け算ができる可能性もある。と信じている。それは、中高生の頃にミクスチャーロックが流行していて、違う要素を組み合わせることがカッコいいという盲目的な刷り込みがあることが大きい。加えて、ファッションにおいても2002年にオープンした「代官山 時しらず」が提唱したハイストリートのように、同一カテゴリに囚われない着こなしに魅力を感じていた世代だからだと思う。

また、1984年に流行語大賞 新語部門・銅賞を受賞した「スキゾ・パラノ」になぞらえるなら、僕はスキゾ人間で妻はパラノ人間寄りでもある。つまり、僕はさまざまなことに興味があり、一つのことに執着しないタイプ。妻は興味があることを突き詰めていくタイプともいえる。こうした観点からも、違う価値観同士の良い化学反応が起きれば、面白い本屋ができるはずだ。多分。 

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