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#たいせつな1曲を深く語る。


「スキな3曲を熱く語る」というハッシュタグがある。この内容で、記事が書きたい、と思った。

でも残念ながら、このハッシュタグはつけられない。

私が書きたいのは、
これまでなんども私のことを救ってくれた
ある一曲についてだからだ。

生きてることが辛いなら。


1番うつ病の症状がひどかったとき。

無気力で、食欲もなく
コントロールしようのないうつの波に突然おそわれる日々。
どうしようもなく辛かった。


家族みんなが仕事や学校へと出かけたあとの
ひとりぼっちの部屋で、
「もう無理。助けて…」と泣きながら
インターネットの検索欄に「死にたい」と打ち込んだ。


すると、あるブログがこの曲を紹介しているのにたどり着いた。



生きてることが辛いなら
いっそ小さく死ねばいい

衝撃的な歌詞から始まるこの曲。

「どん底のいま、音楽なんて…」
と停止ボタンを押そうとした私は虚をつかれて、
思わず続きに聴き入っていた。

生きてることが辛いなら
わめき散らして泣けばいい
その内夜は明けちゃって
疲れて眠りに就くだろう
夜に泣くのは赤ん坊
だけって決まりはないんだし


一気にぶわっと涙があふれた。
魂が直接揺さぶられたような衝動があった。

生きてることが辛いなら
悲しみをとくと見るがいい
悲しみはいつか一片の
お花みたいに咲くという
そっと伸ばした両の手で
摘み取るんじゃなく守るといい


もう嗚咽が止まらなかった。
視界を邪魔する涙をぬぐいながら必死で、
歌う森山直太朗さんをみた。

何もないとこから
何もないとこへと
何もなかったかのように
巡る生命だから
生きてることが辛いなら
嫌になるまで生きるがいい
歴史は小さなブランコで
宇宙は小さな水飲み場
生きてることが辛いなら
くたばる喜びとっておけ




聴き終わったあとも、しばらく泣いていた。

ようやく泣き止んだ時、私はひとつ大きく頷いた。



分かったよ。

今はまだ死なない。

明日は分からない。

ましてや嫌になるまで生きたいだなんて、
全然思えないけど。

今日は、死なない。


こうして、つらくなるたび、
この曲を繰り返し繰り返し聴いた。


"歌詞の一部が自殺を扇動している"
などという騒ぎがすこしあったようだけど、

私はそうは思わない。

逆に、どれほどの人のいのちを救ったのだろうと思う。

森山直太朗さん自身も、

「決して自殺を推奨する意図はなく、
歌詞全体を見て意味を汲み取ってほしい」

とコメントを出したそうだ。



ここのところ、気分の浮き沈みがはげしく
希死念慮がうまれてくることがあった。 

久しぶりに聴いたこの曲は、
相変わらず力強く、
優しく、
心からの祈りを感じた。



まだ、死なない。
くたばる喜び、もうすこし、取っておくんだ。


森山直太朗さん、作詞された御徒町凧さん、
この曲を世に出してくださってありがとうございます。


私は、いま、生きています。




ここまで読んでくださりありがとうございました。

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