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紛争解決の実務者になるために、アメリカの大学院への進学を決意しました。【アクセプト・メンバーの声:中野 恵太さん(なかの けいた)】

私たちアクセプト・インターナショナル(以下、アクセプト)の一員として活動するメンバーの声を届ける本コーナー。第9回目となる今回は、海外総務部の中野恵太さんにお話を伺いました。

■中野さん|プロフィール
2020年9月よりアクセプトに学生インターンとして参画。早稲田大学国際教養学部在籍時に、紛争解決に携わりたいとの想いから海外総務部に所属。現在はアメリカの The George Washington University(ジョージ・ワシントン大学)大学院に進学し、国際開発分野におけるプロジェクトマネジメントを専攻している。

アクセプトでの業務について

———海外総務ではどのような業務を担当されていますか?

海外「総務」ですので業務は様々ですが、主に職員の補助を行います。海外事業に関わるリサーチ、書類のまとめ、データの整理などです。

2020年、バーレーン国王と国連開発計画(UNDP)が共同開催する「King Hamad Youth Empowerment Award to Achieve the SDGs」にてピースアワードを受賞しましたが、その連絡対応なども手伝いました。

受賞トロフィーとともに(画像左:中野さん)

海外総務部では、メンバー個人個人の強みを活かした多様な業務を行います。私は自身の英語スキルを活かして助成金の申請補助を行っていますが、エクセルを用いたデータ管理を行う人もいます。あくまで補助ではありますが、ドナーの意向と共に当法人の方針に沿ったプロジェクトを立案することや、プロジェクトが展開される地域に関する深い知識が必要であることなど、申請する上では多くの学びが得られます。

悪戦苦闘しながら様々な助成金申請に挑戦してきた中で、2022年の10月に、アメリカ政府から、ソマリアでの取り組みに対して委託をいただくことができました。約2年間のインターンとして活動しましたが、永井さんから委託の連絡を受けた時ほど、活動の達成感を得られた出来事はなかったです。

現在はアメリカの大学院に在籍しながら、プロジェクトの具体的な評価プロセスや実行プランの補助を行っています。学生でありながらこのような実務経験を得られることは、私自身のキャリア構築にも本当に役立っていると感じています。

代表・永井の著書との出会いが参画のきっかけ

———そもそもアクセプトに加入したきっかけ、理由はなんだったのでしょうか?

「テロ・紛争解決」分野に関わりたいと思ったから。そして、永井さんの本を読んで自分もこの人と一緒に活動がしたいと考えたからです。

ニュースやSNSなどを通じて世界を見ると、先進国に生まれ、不自由なく人生を気ままに過ごしてきた自分には、将来の道を決める自由と権利がありますが、その一方で、世界中の誰もが自由や権利を持っているわけではなく、そのことを幼い頃から疑問に思っていました。

大学3年次に、将来何をしようかと考えていた時に、幼い頃の記憶を思い出し、将来は「機会が均等な世の中を創る仕事に就きたい」という想いが強くなりました。それを突き詰めて考えたときに、その手法(医療支援、インフラ整備、教育など)は様々あるけれど、それらはすべて「平和」が基盤となって実行できていると考えました。それが、平和を構築・維持するような活動に携わりたいと考えるようになった理由です。

将来の決意が固まる中、たまたま運命的な出会いがありました。紛争関連の本を探しに家の近くのブックオフにふらっと立ち寄ったところ、永井さんの著書『僕らはソマリアギャングと夢を語る』を見かけたのです。自分が志す分野での永井さんの活動に感銘を受けて、この人と、この団体と共に活動したいと思い、アクセプトにインターンとして参画することを決めました。

業務を通じて得た、学びと自信

———次に、アクセプトに加入して良かったこと・苦労していることを教えてください。

テロリストの脱過激化や、社会復帰を現地で行っている民間団体は、日本ではアクセプトしかありませんし、世界的に見ても極めて珍しい団体です。なかでも海外総務部は、永井さんが管轄するソマリアやイエメン事業にも関わることができる部署でもあるので、紛争地でのプロジェクトの現場を近い距離で知ることができます。

また、業務を英語で遂行する中で「いかに相手に伝わりやすい文章を書けるか」を模索しているため、必然的に英語の文章力・構成力が身に付いたと思います。自分が作成した書類を通じてアクセプトの活動が実際に評価された時は、かなり自信に繋がりました。

苦労していることは、素早く論理的に物事を考えて、それを伝えることです。もともと、頭の中で物事を整理することが得意ではないため、文書作成には時間がかかりますし、永井さんに何かを説明しようとしても上手く伝えられないことがあります。これらの論理的思考力やコミュニケーション能力は、活動を通じて今後身につけていきたいと考えています。

紛争解決や平和構築に携わるために

———大学院に進学されたきっかけは何だったのですか?

紛争解決や平和構築の分野で働くためにハードスキルを獲得したいと考えたからです。これまで、アクセプトでの業務を通じて様々なスキル(プロジェクトマネジメント、実務経験、第三言語など)の必要性を痛感しました。その中でも、プロジェクトを回す上で必要となる「プロジェクトマネジメント」という能力を学ぶため、アメリカの The George Washington University(ジョージ・ワシントン大学)の大学院への進学を決めました。

進学先(ジョージワシントン大学)前にて

大学院では、国際開発学分野の実務(プロジェクトマネジメント、モニタリング評価等)について学んでいます。プロジェクトを成功に導くための手法を体系的に学ぶことで、現地にて様々な制約がある中でも、確実に成果を上げるアプローチを確立する力を身に付けられることを期待しています。

———今後の展望をお聞かせください。

現在の大学院で得たスキル・ノウハウをもとに、紛争・テロ解決分野の実務者になるつもりです。しかし、アメリカの大学院はいかんせんお金がかかるので、借金返済のためにファーストキャリアは実務者にはならずとも、アメリカでそのような分野に携わっている研究機関等で働きたいと考えています。

最終的には、紛争・テロ分野にインパクトがある実績を残したいと漠然と考えています。

———最後に、アクセプトの活動に関心のある方へ、一言お願いします!

アクセプトでのインターンを通じて、「自分が何をやりたいのか」を見つけ、キャリア形成の上で必要となる経験も得ることができました。自分が将来的に携わろうと考えている分野や地域の実情を直接見ることができるのは、本当に貴重なことだと感じています。もし、テロ・紛争解決の分野に少しでも携わりたいと考えているのであれば、アクセプトに関わることをおすすめします。

仮に、紛争解決の分野に携わることがなかったとしても、業務を通じて仕事をする上での最低限のスキルが自然と身につくので、ぜひ飛び込んでみてください。


アクセプト・インターナショナルでは、テロや紛争の解決を目指して活動するメンバーが常時80名ほど在籍しています。「メンバー」と一言でいっても、学生インターンから社会人プロボノ、職員まで肩書きや業務内容は多岐にわたります。各々の経歴やスキルを最大限に活かしつつ、日々業務にあたっています。
 
心に秘めた何かをお持ちの方も、熱意に溢れた方も、私たちと共に「前例を創る」挑戦をしませんか?あなたのご参加を心よりお待ちしております!💪
 
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