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何の専門性も持たない新卒社会人から始めた、プロボノ活動。いつの間にか、「アクセプトのSNSの中の人」として成長できました。【アクセプト・メンバーの声:藤井 沙奈(ふじい さな)】

私たちアクセプト・インターナショナル(以下、アクセプト)の一員として活動するメンバーの声を届ける本コーナー。第2回目となる今回は、事務・広報局 広報部の藤井 沙奈(ふじい さな)さんにお話を伺いました。

藤井さん|プロフィール

事務・広報局 広報部に所属。アクセプトには、2020年7月からプロボノとして参画。主に、SNS業務の統括を行う。本業では、映像編集に特化した制作会社にて、報道番組の制作に携わる。東京外国語大学 国際社会学部 日本地域専攻 卒業

所属する広報部にて

ー活動内容を教えていただけますか?

広報部は、アクセプトの団体情報や事業内容、イベントのご案内などをSNS(FacebookTwitterInstagram)上で発信することが主な活動内容です。また、支援者の方々のみならず、アクセプトを初めて知られた方や、報道機関の方など多くの人々に知っていただけるように、ホームページ上での情報公開やプレスリリースの作成・発信も行います。

私はSNS担当として、

  • SNS(Facebook・Twitter・Instagram)上の広報物の考案・作成・校閲

  • Instagramのアカウント設計→投稿→効果測定→打ち出し方の改善という、PDCAサイクルを回す

などの他に、業務統括としてSNS業務が円滑に動くように、

  • タスクの割り振り

  • 毎月のSNSコンテンツのスケジュール作成

など、各種の調整を行っています。

アクセプトのSNSアカウント(Twitter)


社会課題とジャーナリズムへの関心が原点

社会課題に関心を持ったきっかけは、私が中学生の時に起きた「3.11 東日本大震災」です。自身が被災した訳ではありませんが、親戚の多くが福島県におり、津波で流されてしまった親戚や、居住地が計画的避難地域に指定(2011年当時)され、避難を余儀なくされた親戚もいます。そうした状況を目の当たりにし、社会課題に対して他人事ではない気持ちを持ち続けていました。

大学では、社会課題の中でもマイノリティ(LGBTQ・少数民族など)に関する研究を行い、聞き取り調査でスラム街や少数民族の住む町に足を運んだりしました。

その後の進路を決める際、「ジャーナリスト、特に取材を行う記者になりたい」と考え、報道業界に的を絞って就職活動を実施しました。しかし、努力が足りずに記者にはなれず、報道の中でも映像制作の職に就くことになります。もちろん、関心のあった報道業界で働く事が学びになる反面、悔しさも感じていました。

本業に100%納得していない・コロナ禍で趣味(ラテンダンス・映画館やエスニック料理店めぐり)がほぼ制約された状況で、少しでも身になる事を始めようと、JICAのPARTNERというサイトを散策していたところ、アクセプトの広報部のポストを見つけました。

趣味である、エスニック料理店めぐり

ーなるほど。社会課題への関心と、現状のモヤモヤがきっかけだったのですね。アクセプトで活動することを決意した決め手を教えていただけますか?

現実的なポイントで言うと、、

  • 完全リモート

  • 平日の空いた時間や土日が稼働日

  • 業務内容が広報文の作成など、記事の執筆に近いことができる

など、募集のポストが自身のライフスタイルや志向と合っていたことが大きいです。

中でも決め手は、「排除するのではなく、受け入れる。たとえ加害者とされる人であっても」というアクセプトの理念です。加害者の方々も、ある意味でマイノリティであり、誰かがサポートをしないと取り残されていく存在ではないかと。大学のマイノリティ研究に通ずるものを感じました。そして、ホームページでの代表理事の挨拶や活動風景の写真を拝見した際、直感ですが他の団体にはない良い意味で尖った雰囲気に惹かれました。

また、ジャーナリストを目指したきっかけは、シリア内戦の取材中に銃撃を受けて亡くなった、山本美香さんのドキュメンタリーを観たことにあります。「紛争地を含め、困難を抱える人々の生活や想いを伝えたい」という気持ちが原点にあり、アクセプトの活動分野がテロ・紛争解決であることも、最初に立ち返るような感覚になりました。

藤井さんがアクセプトに惹かれた、活動風景の一枚

アクセプトと広報部の成長を体感

ー活動する中で、アクセプトの魅力・自慢できるところを教えてください!

自身と同じ20・30代の方々がメンバーの大半を占めており、「社会をより良くしたい」という強い気持ちと実行力を持って組織を成長させているのが大きな魅力です。部署を問わず、自身にない知見や経験を持っている方々から意見を伺ったり、共にアイディアを捻出していく中で、新たな視野を獲得することができます。

ー確かに、これほど社会人プロボノやインターン生の層が厚いのは、アクセプトならではの魅力ですね!広報部の活動でのやりがいや、逆に大変だったエピソードはありますか?

活動を始めた当初は、「広報文の作成をしたい」という狭い視点しか持っていませんでした。しかし、組織・部署が成長するにつれ、普段はリーチできない層への認知拡大や、よりご支援に繋げられるようなエンゲージメントの向上を目指した広報を考えられるようになりました。特にアクセプトの理念や活動が多くの方々に認知され、ご支援に繋がった時、心から嬉しくなります。

例えば、アクセプトが取り組むテロ・紛争解決のアプローチは「脱過激化・社会復帰」ですが、このワードをSNSで発信する場合は、「武器を置いて社会で生き直す」に変換するなど、より分かりやすい表現を心がけました。アクセプトの活動内容は、一般的な理解や共感が得られにくい分野なので、SNS向けにどのように表現していくかはチャレンジングかつ活動への理解が必要ですが、やりがいのあるポイントです。Facebook・Twitter・Instagramそれぞれの媒体でもユーザー層が異なるので、各種に応じた文章の書き方やビジュアルの設定・投稿頻度は意識しています。

また、投稿したコンテンツのインパクトがどれ程だったのか。データ分析を通して次の打ち手を考えられるのも、大きな魅力です。

SNS統括として大変な点は、各種のマネジメントです。プロボノ・インターンで、それぞれライフスタイルやバックグラウンドが異なるので、タスクを均等に割り振るのは難しいです。そうした中でもメンバーがなるべくスムーズに取り組めるよう、マニュアル作成やコミュニケーションを心がけています。

広報部の定例ミーティングの様子(最上段の右:藤井さん)

本業との相乗効果

ー本業では、どのような事をされていますか?

国際情勢を中心に扱うニュース番組の制作陣として、主に映像編集を行っています。具体的には、カメラマンや記者が現地で撮影した映像素材を原稿と合わせて、番組用に組み立てていく仕事です。

最近だと、テレビのみならず、YoutubeやTikiTok向けのプロモーションビデオの制作にも取り組み始めています。

ーアクセプトと本業とを並行する中で、得られたものはありますか?

大きな収穫は、情報を発信する活動を、異なる媒体を通して同時期にできたこと。なおかつ、それぞれのユーザー層に向けた発信方法を考えられたことです。

私が日々携わっているニュースの視聴者層は、既に国際情勢などに関心があり、アンテナを張っている方々が多いです。一方、アクセプトのSNSで情報発信する相手は、もちろんそうした社会課題・国際情勢に関心のある方々も多くいらっしゃいますが、関心の度合いがそこまで高くない方々も含めて、より幅広い層をターゲットにしています。そのため、SNSでの発信では、難しくなりがちな用語や表現をかみ砕いて親近感を持っていただけるように工夫したり、一見アクセプトの活動とは関係なさそうな緩いコンテンツを発信する事もあります。

アクセプトが、次のキャリアを考える後押しに

ー今後の目標や展望をお聞かせください。

アクセプトの広報部での経験を通して、広報・PRに関心を持ち、突き詰めていきたいという気持ちが芽生えています。自分たちが発信したものが、実際のアンバサダー(毎月のご支援者)の就任やイベント流入につながったり、情報を受けとった方々の課題解決の一助となるなど、発信の効果を身近に体感できることに楽しさを感じるようになりました。今後は、本業で行ってきた映像制作のスキルも活かしつつ、広報・PRに関連する仕事への転職も考えています。

ーアクセプトの活動が、藤井さんのキャリア面での後押しになっているんですね。最後に、アクセプトの活動に関心のある方へ、一言お願いします!

アクセプトに加入した当時は、社会人になってわずか3か月目。当然、他のプロボノの方々と比べると、専門性やスキルを持ち合わせていませんでした。

「本当は社会貢献や課題解決に携わってみたい。けれども、自分のスキルで足りているのか・・」

そのような想いを持った社会人の方もいらっしゃるかもしれません。私も当初は全く同じ気持ちでした。ですが、勇気を出して参画し、一から活動分野や業務内容を学んでいった結果、2年前とは違う視座やスキルを獲得することができたと思います。

不安を抱えている方も、まずは説明会に参加したり、応募して面談を受けてみるのはいかがでしょうか?

参画してみると、自信を無くすことも確かにあります。けれどもそれ以上に、積極的に知識を吸収したり、他のプロボノや優秀なインターン生から刺激を受ける事は、今後の将来を考える上できっとプラスになるはずです。


アクセプト・インターナショナルでは、テロや紛争の解決を目指して活動するメンバーが常時60名ほど在籍しています。「メンバー」と一言でいっても、学生インターンから社会プロボノ、職員まで肩書きや業務内容は多岐にわたります。各々の経歴やスキルを最大限に活かしつつ、日々業務にあたっています。
心に秘めた何かをお持ちの方も、熱意に溢れた方も、私たちと共に「前例を創る」挑戦をしませんか?あなたのご参加を心よりお待ちしております!
➡️メンバーとして、活動に参加する


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