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第十話~歴史は使えるのか~

散策

 はるかとはるきは、さとしに連れられてお城を見に来ていた。といっても本物のお城ではなく、建て直されたものだ。お城の各所には立て札があり、この場所で何があったんか、どんな役割の建物だったのか記載してある。

はるき:へえ、お城って面白いな。このお城攻めるの難しそう。ここでも戦いがあったのかなぁ。
さとし:ここでも戦いがあったみたいだね。
はるき:どんな?
さとし:敵が攻めてきたとき、お城の中でどうしようか相談してたら負けちゃったって。
はるき:それは格好悪い。
はるか:そんな話を聞いてもちっとも面白くない。昔にあったことなんて、覚えても何の役に立つの?
さとし:はるかは勉強が好きだと思ってたけど、はるかもそう思うんだ?
はるか:悪いの?
はるき:今日のはるかはいつものぼくみたいだ。

 今日は珍しく、はるかの方が腑に落ちないようだ。実のところ、さとし自身も子どもの頃は歴史について学ぶことの意味が分からなかった。しかし、実際に社会に出て色々なものを見たり聞いたりしているうちに歴史を学ぶ意味に気付き始め、今日お城を見に来たのであった。

歴史を学ぶ理由の一つ

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