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星ひとみの天星術

わからない人には全くわからない話だが、星ひとみの天星術に登録している。と言っても、数ヶ月やって、やめて、また登録するという繰り返しだが。
先に断っておくと、私は別にスピリチュアルな人間ではない。
占いも宗教も信じてはいない。
文学研究的には「それを信じる私」を俯瞰しなければならない立場である。
だが、星ひとみはなんとなく見てしまう。

きっかけは就職活動だ。
私は四月から企業に入社することが決定しているが、就職活動の時はまあ不安だった。落ちたら後が無いとか、何聞かれるんだろうとか、これからどうしようだとか、色々考えては落ち込んでいた。
そこで、星ひとみの登場である。アルバイト先の本屋でその存在を知っており、面接が嫌過ぎた私はすがるように登録をしてみたのだ。
サイトに生年月日を入力すると、自分の天星タイプがわかった。どうやら私は深夜タイプらしい。そしてこの先の運気の上がり下がりや、本日気を受けないといけないことが、仕事、恋愛などのカテゴリ毎に読める。なるほど。つまり今日の運気は下がっているなとか、上がっているなとかが毎日わかるのか。
そしたら面接当日の運勢がすこぶる良いという結果が出た。もうごりんごりんに良い結果だった。何をしてもうまくいくらしかった。(どういうメカニズムなのかは知らない)
当時メンタルをやられまくっていた私は、その結果に痛く満足した。
そりゃあ不安は不安だったが、何か躓いても「まあ、今日の俺の運勢マックスだし?」と思うことで克服できた。
そして面接は大成功で、私は第一志望だったその企業に入社した。
それから、なんとなく運勢というものが自分のメンタルに与える影響を気にするようになった。
面白いのが、この運勢がどちらに転んでも良いということだ。
運勢が良い日だったら、全てポジティブに捉えられるし、
運勢が悪い日だったら、「まあ今日は運勢悪いからな、もう寝よ」とあらゆる言い訳に運の悪さを使えるのである。
これがなんとも体のいい言い訳で気持ちがいいのだ。私に自分を甘やかしていい理由をくれる。ダイエット?今日はいいよ。運勢悪いから。
占いの結果が悪いと落ち込む人がいるが、占いを信じている人の大半は、このような言い訳のために占いを使ってるんじゃないかと思えてくる。
結果が良かったらハッピー、悪くてもハッピー。
素晴らしい。
ちなみに今日の私の運勢は最悪だった。
もう寝ようかと思ったが踏みとどまってこれを書いた。褒めて欲しい。
ちなみにこれ、恋愛系の占いを鵜呑みにして行動すると、だいたい痛い目にあうので気をつけたい。
どうやら占いの結果が影響を与えるのは自分自身へのメンタルであって、外部は関係ないようである。


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