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植物にヨーグルトを食べさせる?〜植物・細菌共生系の研究とは〜 #ポスドク総研

ヒトはたくさんの細菌と共生している

我々ヒトの体には様々な細菌が共生していて、その数は1000種類以上とも言われています。たとえば腸内にはビフィズス菌や乳酸菌を代表とする「善玉菌(健康に良いとされる細菌)」もいれば、ウェルシュ菌など「悪玉菌(健康に悪いとされる細菌)」もおり、限られた空間内での陣取り合戦を繰り広げています。

悪玉菌が優勢であると便秘や下痢になりやすい、といったように、共生している細菌のバランスは宿主であるヒトの健康と密接に関わっています。ヨーグルトや納豆をはじめとする発酵食品が「健康に良い」として、度々メディアに取り上げらるのは、それらは善玉菌を多く含むため、ヒトの健康にとって好ましい細菌のバランスを保つ効果が期待できるからです。

それどころか、腸内の細菌が宿主の「メンタル」にまで関わってくるという研究が近年注目を集め、細菌と宿主の相互作用がより詳しく明らかになってきています。たとえば、まったく腸内細菌のいない状態で育てられたマウスは落ち着きがなく、ストレスも感じやすいのですが、通常のマウスが持つ腸内細菌を与えると、これらの症状が治まります[1][2]。また、成人したヒトにおいても、乳酸菌を摂取することで、不安感に関わる脳領域の活動が抑えられたという結果が得られています[3]。少し大げさに言ってしまえば、あなたの「気持ち」や「考え」の中には、あなたの腸内細菌の「意見」が含まれているかもしれないのです。

植物も細菌と共生している
植物もまた、細菌と密接な共生関係を持っています。古くから知られているものに、マメ科植物と根粒菌の共生があります。根粒菌という植物の根に共生する細菌が、空気中の窒素を取り込み、養分へと変えてくれるおかげで、マメ科植物は肥料の少ない痩せた土地でも生育することが可能になります。水田や畑に、食用ではないレンゲソウやクローバー(どちらもマメ科)を植えることがあるのは、根粒菌の力で土の養分を増やせるためなのです。

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