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超短編:不思議なスイッチ

古い納屋を整理していたら古い桐箱が発見されたので、リビングに家族があつめられた。
僕も母さんも父さんも、もしかしてお宝かもしれない、とわくわくしていた。

とうさんが白い手袋をはめ、うやうやしく桐箱を開けると、中から出てきたのはちょうど洗濯バサミくらいの大きさの、錆びたスイッチ。皆一斉になんだこりゃ、と首を傾げた。
ためしにパチ、とスイッチを押した途端、フクロウがホウホウ鳴き出した。
もう一度パチ、とスイッチを押すと、今度はニワトリがコケコッコーと鳴き出した。
音がなるのか?と父さんがスイッチをパチパチと押すたびに、カーテンの向こうが黒くなったり白くなったりしている。

・・・今はお昼の3時過ぎだ。

僕はもしかして、とカーテンを開けた。外はすっかり夜の景色。

「とうさん、スイッチを押してみて!」
 スイッチを押すと、いきなり太陽が上がり出した。
時計は、まだ3時過ぎのままだ。
パチ、夜。パチ、朝。パチ、夜。パチ、朝。

流しっぱなしのラジオから、異常気象の緊急ニュースが流れはじめ、僕たちは顔を見合わせた。

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