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怪奇現象?

具体的に何かが視えたというわけではないのですが、面白い事が今晩おきました。私たちは施餓鬼といいまして、文字通り、餓鬼に甘露(水)と食べ物を施し供養することで、その功徳が一切に及びますようにという祈りを毎晩行っています。その最中の出来事でした。

施餓鬼中に、器の中に入った水とご飯粒を餓鬼さんに施して、空になった器のフタを閉めて、目の前の机の上に置きました。そして、餓鬼さんを供養するための真言やお経を唱えている時に、器のフタが転がり落ちました。

しっかりとフタは器にはまっていたし、台風レベルならいざ知らず、ほとんど無風の今日のような天気で飛ぶほど、軽い蓋じゃありません。重さをはかったことはありませんが、金属製なのでそれなりの重量はあります。それが誰かが手で払ったみたいに、軽く吹っ飛びながら、床を転がっていきました。

隣にいた同僚が慌てて、蓋を手で押さえて捕まえて、元通りに器にはめてくれましたが、二人そろって一瞬顔を見合わせました。施餓鬼の時は余計なことをしゃべってはいけないので、口には出しませんが、『お前見たよな、なんだ、今の』的な思考をアイコンタクトで済ませた後、施餓鬼が終わってから、その話題になりました。

私は何も感じなかったのですが、隣の僧侶は一瞬強い風のようなものが吹き抜けた気がしたそうです。ただ、それだけ強い風が吹いたのなら、隣にいた私が気付かないはずがありません。結局は二人して何が起きたのか、訳も分からず、『不思議なこともあるもんだなぁ』という結論に行きつきました。

お寺に修行に入って、4年ほど施餓鬼をやっていますが、こんなものを見たのは初めてでした。世の中、まだまだ科学や物理で解明できないことはあるものですね。怪異の正体が気になるので、いつかそれが分かる日がくればいいなと思います。

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