足りないピースを埋めていく-自分らしいキャリアのつくり方-
アカデミーヒルズでは、毎月1回、ライブラリーメンバーを対象にしたリアルイベント「ライブラリーラウンジトーク」を開催しています。
11月は、朝日新聞記者の藤えりかさんをゲストにお迎えして開催しました。
テーマは、「今の組織に属しながら、“枠”をいかに広げるか?」です。
藤さんは、「“枠”をいかに広げるか?」を、「領域を広げる活動」と表現されてます。
その活動を年ごとに追ってみました。
1993年:朝日新聞へ入社。子供のころから社会問題には興味があったとのこと。
2011年:ロサンジェルス支局へ異動。ハリウッドで多くの映画監督や俳優、プロデューサーへの取材を行ったそうです。
2012年:朝日新聞社のソーシャルメディア実名記者第一陣の一人。会社の公認で新聞記者が実名でSNS発信をすることは、日本では恐らく初めてだったそうです。そんな状況で、Twitterの公式記者アカウント@erika_asahiで情報発信をスタート。それによって読者と直接つながるようになったそうです。
2016年:朝日新聞GLOBE WEB版で映画を通じて国際問題を考える連載「シネマニア・リポート」をスタート。「本流」から距離を置いたポジションで情報を発信することで、「読んでもらうためにはどうしたら良いのか?」という視点を得る。
2016年:その一つの解として、映画を通じて社会現象・問題を考えるコミュニティ「シネマニア・サロン」をスタート。
「シネマニア・リポート」は世界の映画監督や俳優、プロデューサーへのインタビューを通して世界の諸問題を発信することが目的。それに対して「シネマニア・サロン」ではそのインタビューの様子を動画や音声で披露しながら、裏話なども紹介して、映画の向こうに広がる世界を参加者とシェアされているそうです。
2017年:連載をまとめた新書が幻冬舎から出版。
2018~2020年:テレビ番組等多数に出演
2022年:『「ナパーム弾の少女」50年の物語』を講談社から出版。
この一連の活動は、藤さんが新聞記者としての“軸”を持ちながら、領域を広げた軌跡だと思います。
藤さんがこれらの活動をするにあたって意識されたのは、以下だそうです。
どんなに良い記事でも読まれなければ意味がない。読んでもらうためにはどうしたら良いかを考える!
インプットとして「取材の多様化」、アウトプットとして「発信の多様化」と位置付けて、取り組んでいる。
いただいたお話は、基本的には断らないが選ぶ!
役に立つかどうかは考えない!
社内より社外!
そして、ご自身の活動を藤さんは
「自分に足りなかったピースを埋めていく感じ」という表現をされていたことが印象的でした。
また、これらの活動は「朝日新聞記者の肩書があるからこそできる」と会社が考えるがゆえに、会社の事前承認を得て進めているといい、自身もその側面は否定できない、とも⾔われています。
「領域を広げる=転職」ではなく、「本業と社外の融合」という選択肢を持つことの意義を教えてくださいました。
藤さんは、間もなく海外のMBAコースをオンラインで学び始めるそうです。
その心は、「ご自身にマネジメントの経験というピースが足りていないのでそれを補うため」とのことです。
藤さんの活動を私なりに表現してみると、
「新聞記者という軸を強みとして、自分に足りないピースを埋めてくことで領域を広げている」です。
その結果、転職をせずとも、このように幅広い活動(領域を広げる活動)ができたのだと思います。
副業・複業が当たり前になるであろう今後の働き方のロールモデルの一人が藤えりかさんなのではないでしょうか。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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