みんなの話に耳を傾ける
ライブラリーメンバーのサークル活動「メンバーズ・コミュニティ」(略してMC)の1つ、個人事業研究会で話された内容をダイジェストで紹介します。
7月の定例会はオンラインで4日(月)に開催されました。
テーマは「ダブルブッキング!あなたならどちらを選ぶ?」でした。
仕事で迷ったとき、悔いの残らない選択ってどうすればいいの?
昔も今も変わらない普遍的なお題ですね。
世の中はトレードオフ
『実験思考』(光本勇介, 幻冬舎, 2019)では、「前澤友作氏は、断ることが得意。やることだけを決めてそれに全力投球する」と書かれています。逆を返せば、やらないことを決めている訳ですが、「やらないことを決めるのは、実は難しくないですか?」という話題に。
・「やってみる」ことの方が圧倒的に多い。やってみて「違うな!」と思えばすぐに止めればいいのではないか。
・所詮世の中はトレードオフ。何かを得ることは何かを失うことだ。
・選んだことに対して後悔しないことが重要。例えば、失敗を失敗ではなく、失敗の練習と思えばいいのでは?
などのコメントが出ました。
一喜一憂 / 二の矢を受けず
上記の続きで出てきた言葉に一喜一憂がありました。
・「成功・失敗」や「当たり・外れ」などで一喜一憂しないことが大切。
・当たりもあれば外れもある。ただそれだけ。縁が無かったということ。
そこで、二の矢を受けずという言葉を紹介してくれました。
仏教の教えだそうです。嬉しいこと・悲しいことが起こると喜怒哀楽を感じるのが第一の矢だそうです。それにどう対処するかが第二の矢です。第二の矢は自分がつくるもので、心の中で妄想が膨らみ、変な解釈をしたり不安になったり怒ったり、貪欲になったり、話を膨らませて更に自分でダメージを大きくすることになります。良いことも悪いことも必要以上に膨らませず、あるがままに受けとめることが重要という教えだそうです。
一休さんは、「今のわしには、山は山、川は川、木は木に見える」と言っていたそうです。
自由がもたらす不幸 / 選択肢が多いと不幸になる
続いて出てきた話題は、自由がもたらす不幸です。
・自由を突き詰めれば突き詰めるほどに不幸に陥るのではないか?
・人ぞれぞれ得意・不得意があるので、そもそも平等ではないと思う。だから自分の得意なことを進めればいいのではないか。
などの意見がでました。
この話を聞いて思い出したのが、選択のパラドックスです。
これは2004年にアメリカの心理学者バリー・シュワルツ氏が著書『The Paradox of Choice(なぜ選ぶたびに後悔するのか)』で述べられています。
選択肢が増えると期待値が高まりますが、実際に選んだものはその期待値の達せず、不満に繋がるという考え方です。
自分の勝手な期待値によって不幸になるという構図が、先ほどの二の矢の話に繋がると思いました。
「諦める」は明らかにすること / 「真実」と「事実」の違い
あるメンバーから質問がでました。
「起業など組織を離れて活動すると、何かに絞るよりも可能性があるものにはチャレンジした方がいいのかなと思いつつ、二兎追うものは一兎も得ずになる恐れもあるが・・・」という問いに対して、皆さんのご自身の体験をもとに様々なコメントが出ました。
・基本的にチャンスは全部取りに行っている。全てが成功している訳ではないが、まずはチャレンジしている。
・成功しなくても、「自分が負けと思わなければ負けではない!」という考えでチャレンジしている。
・悪いことが起こっても、一度全部を受け入れて、無理やり良かったことにしている。(マスクでお化粧しなくて良い! / 風邪をひいて会社を休んだら、本が読める時間ができた!など)ただ、「良かった探し」をしているだけで、諦めが悪いのかもしれない。
ここで、また仏教の教えの「諦める」という言葉の紹介がありました。
「諦める」はネガティブな意味ではなく、「明らかにする」ことを意味しているそうです。物事の真実を明らかにして、次に進むというニュアンスがあったそうです。そして、「真実」は「事実」とも違うという話になりました。
・事実:実際に起こった事柄(事実は1つ)
・真実:事実に対する解釈。心の問題。(真実は人の数だけある)
「良かった探し」は「諦める」をしているという解釈ができますね。
自己承認欲求
「良かった探し」の大切さは、昔の仏教の教えで示されていることから、「人間って大昔から変わっていないね」という話に展開。
ただ、「時代によって価値観は変わっている」という話になりました。
・昔は、神に仕える人が高い位にいた。
・今は、お金を持っている人が偉いという価値観。
・今後は「いいね」の数に変わるのではないか? お金で真の意味での「いいね」は買えない。
・一方、「いいね」は自己承認欲求がもとになっている。
・不幸や暴力は欲求から生まれてくるものではないか。
ダブルブッキングからスタートした定例会でしたが、最後は人間の本質にまで至る奥が深い話に拡がりました。
1時間という短い時間でしたが、色々なことに通じる様々なヒントが含まれていたと思います。
以前、別の記事で「裾野を広げる」ことの大切さを記しましたが、この1時間でとても自分の裾野が広がる可能性を感じました。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
#アカデミーヒルズ #メンバーズ・コミュニティ #前澤友作 #選択のパラドックス #自己承認 #ダブルブッキング
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