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自分の価格の決め方 -自分を磨くモチベーションにする-

メンバーズ・コミュニティ「個人事業研究会」の第157回の定例会が3月6日に開催されました。「値段はどうやって決めるのか」をテーマにみんなで語り合いました。

クラフトコーラの価格が高い理由

最初は、個人事業研究会の代表を務める木村さんからの問題提起。
「個人事業では、収入が不安定ですから、仕事が減ると生活できません。そのため、高い価格設定が必要になります。
しかし、初めて自分で価格を決めるときは安くしてしまうことが多いです。『自分に自信がない』とか、『高く設定すると仕事が取れないのではないか』などの不安が要因のようです。
しかし、実は逆です。
企業はスケールメリットにより価格を安く提供できます。一方で顧客のニーズに合わせたきめ細かいカスタマイズは個人事業が得意とする部分です。その結果、個人事業は顧客に対してクオリティの高いサービスを提供できるので、企業より価格を高く設定することが可能になります。
クラフトコーラが一般的なコーラより価格が高いことと同じ原理で考えると分かりやすいと思います」という話からスタートしました。

タイムチャージという不思議な料金体系

次に、独立して2年になる士業のメンバーからの発言です。
「タイムチャージを導入している士業の方は多いが、その人の可処分時間で上限が決まるし、生産性が高いと安くなるという不思議な制度です」。
「これは初心者タクシーと同じ原理。『道に迷うと料金が高くなり、ベテランドライバーは料金が安くなる』という不思議な料金体系」と、木村さんが解説してくれました。

顧問契約の価値はどのように測るのか?

次に話題になったのは顧問契約の価格
・問題が発生しなければ何も業務が発生しないので損をしたことになるのか
・問題が多く発生した方が得になるのか
これについては、いざ問題が発生した場合の社員の稼働(人件費)や、ビジネス機会の消失(売上)を防ぐための保険として考えると、発生の頻度発生した場合の影響度から基準値が算出できるのではないでしょうか。

基準が欲しい!

コンサルタント業をしているメンバーからは、「コンサルタントは資格がなくてもできる商売なので基準がない。同じ人であっても、相手が営利企業であれば価格が高くなり、教育関連やノンプロフィットの組織が相手になると高くできない。価格設定の根拠が分からない。資格があると分かりやすいのではないか」との意見。
士業のメンバーからは、「その業界における標準的な基準を用いている人は多いが、その基準の根拠を明確に説明できる人は少ないのではないか」というコメント。
また、「資格があると足かせになる可能性がある。資格がなければ自由に設定ができる。『そんなものか!』と納得させられればいいのではないか」という意見が出ました。

そして、相見積もりが話題になりました。
企業に勤めている人からは、「相見積もりの場合は、真ん中を取る傾向があると思う。上司へも説明しやすい。高いのはNGだが、安すぎても不安という心理かな? 日本人的だと思うが、『松竹梅』なら『竹』を無難に選ぶことが多い気がする」という経験談があり、安ければ良いという訳でもなさそうです。

実績をつくる

大学教授のキャリアを持つメンバーからは、「海外の著名な大学は、少しぐらい安い給料でも人気が高い。そこでの経験が実績となり、自分の価値を高めてくれるから」という事例をあげてくれました。
プライスレスな価値の活用や位置づけは、「自分の価値をどのように築くのか」を戦略的に考えることに繋がりそうです。

“強さ”が必要

「レッド・オーシャンの価格は分かりやすい。競合他社との比較において、自分の市場価値を算出すれば可視化できる。一方で、新しいサービスやモノの場合の値付けは難しい」というコメントがありました。
新しいサービスやモノの場合、その価値を相手に理解してもらうことが重要です。相手に対して、提供する価値の高さを説明し切れるか、言い続けられるか、自分の中に強さ(confidence)が必要という話に至りました。

このテーマに正解はありませんが、結局のところ「自信がないから安く設定するのではなく、敢えて高く設定して、その基準に達するように自分を磨くことが大切なのではないか!」という話になりました。


今回参加された方々は、
・教育サービス等を手掛ける会社を起業したメンバー
・士業で独立したメンバー
・副業(複業)としてコンサルタントや大学講師を務めるメンバー
・大学の名誉教授のメンバー
・企業勤務のメンバー等々
で、多様なバックグランドを持ったメンバーでした。
そのため、「自分にとっての当たり前が、他のメンバーにとっては新しい発見になる」という循環が起きていたのだと思います。
今回の定例会を通じて、多様性の価値・意義を一段深いところで感じることができました。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

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