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「人の移動をより快適に!」を目指して

六本木ヒルズライブラリーのメンバーの中井佑さんにお話を伺いました。
中井さんは、大学院在学中の2018年にteTra-aviationを起業され、「移動をより快適にする」をビジョンに掲げて、「人々が自由に空中を移動する社会の実現」を目指し、航空機の開発・製造に取り組まれています。

起業のきっかけは、eVTOL(electrical Vertical Take-Off and Landing:電動垂直離着陸機)の国際開発コンペティションGoFlyへの参加だったそうです。それまでは大学院で宇宙用最先端素材の研究に取り組まれていましたが、「もっと直接的に社会へ貢献したい、社会へインパクトを与えたい」という思いから、eVTOLに興味を持たれたとのこと。
その根底には、「インターネットで情報の流れがシームレスになっているにも関わらず、なぜフィジカルな体の移動はまだまだ制約が多いのか?」という問題意識でした。そのために、「人がもっと自由に快適に移動できる社会を実現させたい」を目指して、大学院での勉強を中断してGoFlyにチャレンジしようと思ったとのこと。

GoFlyのコミュニティへSNSで呼びかけて、仲間を募り活動をスタート。
2018年に会社を設立して、2020年のGoFlyで、世界103か国824チームが初期エントリーをする中、中井さんが率いるチームがプラット・アンド・ホイットニー・ディスラプター賞を受賞して10万米ドルの賞金を獲得しました。

賞金ボードをもっている右端が中井さん

そして、米国連邦航空局(FAA)からeVTOLのテスト飛行許可を取得した最初の日本企業になりました。また、日米の規制当局や業界と緊密に協力して、eVTOLに関する法律を策定する活動もされています。
現在のメルクマールは、2025年の大阪万博での実用化だそうです。

中井さんのチャンレジは、人が乗り込める大型の有人eVTOL(俗にいう、空飛ぶクルマ、有人ドローン)なので、IT関連サービスと異なり「モノをつくる」そして「人の安全に直結するサービス」でもあるため、規制や許認可など様々なハードルがあると思います。

そこで、中井さんに今の一番の課題をお聞きすると、「人」とのことでした。(私にとっては意外な反応でした。)
現在14名(国籍は3か国)で活動を進められていますが、「自分はコミュニケーションが得意ではないので、とにかく人の話を聞くことに専念している。何故その人はそれを言うのか、その根底にある問題意識や価値観を理解したいといつも思っている」とのこと。

また、コミュニケーションで気を付けていることの1つとしては、メリハリを効かせることだそうです。
アイデアを出し合う(出力)ときは、みんなでリアルに集まって“モノ”を囲んで集中的に議論をするが、インプット(入力)のモードでは一人で集中する環境を大切にしているとのこと。

中井さんとは、6月に開催した「メンバー交流会」に参加してくださったことがきっかけで、この度個別にインタビューさせていただきました。

1時間程度のインタビューでしたが、どんな質問にも的確にお答えいただき、ご自身の目標に向かって、着実に歩まれているという強い印象を持ちました。目標が明確だから、「今だ!」というチャンスを逃さない判断ができるのだと思います。
2025年の大阪万博で、teTra-aviation社のeVTOLに乗ってみたいですね!
※このページのトップの画像は、2022年に商用スタートする最新の機種「Mk-5」です。

そして、中井さんの最終的なサービスのイメージは、「アプリで予約すると、指定した時間に、指定した場所へ自動運転の空飛ぶクルマが迎えにきてくれて、自動運転で指定した場所へ連れて行ってくれる」、そんなサービスの実現を目指されているそうです。
これが実現すると、人の移動が便利になり、人と人とがリアルに会うことのハードルが下がると思います。

web3.0の時代だからこそ、「人と人とがリアルに会う」ことの価値が高くなる可能性があると思っています。
そんな時代に、中井さんのチャレンジが社会に強いインパクトを与えるサービスに成長することを願っています!

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

#アカデミーヒルズ #空飛ぶクルマ #ドローン #社会貢献 #web3

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