添乗員のお気に入り⑯【一番辛かったツアー】
約250本の海外旅行に添乗してきた中で、最も辛かったツアーは?と聞かれたら、これ。
「チベットからネパールへ抜ける12日間」
辛さって色々ある。
お客さんに怒られたとか、嫌われたとか、ツアーが行程通りに全く進まないとか、怪我や病気。
これは、普通に行程が辛かった。という意味でのナンバーワン。
人生で訪れたこともない、海抜4000~5000mでの移動が続く。
私に務まるんだろうか?
まずそう思った。
出発前にかける、お客様へのお電話。
その段階ですっごく個性的なPAX(旅行業界で言うお客様のことです)達。
お客様も不安があるから仕方がないのだけど。まだ会う前のお客様に電話口で怒鳴られて、出発前に行きたくないと泣いた、唯一のツアー。
しかし振り返ると、貴重な経験でした。
こんな悪路を通ったり(それもここ道あってるの?っていう不安)
青蔵鉄道車窓
右の人が向かっているのはレストランのトイレ。囲いしかないトイレ。
ヤムドク湖。写真はいまいちだけど、とても美しかった。
ここは海抜4400m。息が苦しい。そんなところにあるトイレが半端ない。トイレと言ってもさっきみたいに、囲いがある程度なんだけど。
こんなに高いところなのになぜこんなに匂いがするのか?悪臭って、蒸発とかしないの?っていう
でも息を止めると高地なので本当に苦しい。
息を止めて、酸欠になってまでトイレの中で用を足すか。
思い切って外で呼吸をしながら、青空の下で用を足すか。
全員後者を選ぶよね。本当にトイレ事情は厳しかった。。。(キタナスギタヨ)
国境には野犬が沢山。(怖かったよ)
こんな吊り橋歩いたり。(怖かったよ)
無事に全員と帰国できたことに感謝。
チベット仏教徒の熱気を肌で感じられたことに感謝。
登山家でもない私が、チョモランマの「素人が行ける限界点」まで行けたこと。
15名様のお客様からは様々なコメントを頂いたけど、その中でも忘れられないお言葉。
「本当に来れて良かったけど、もう二度と来たくない」
でもその語尾には「笑」がついていました。
私ももう二度と行きたくはない。
でも行けて本当に良かった。
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