「ありふれたうた」にみる鬼龍院さんの歌詞の変化

ゴールデンボンバーのファンを10年ほどやっている。
2月8日にアルバム「CONPACT DISC」が発売され、早速鬼リピート状態なのだが
収録曲の中に1つ、毛色が違う、と思われる曲がある。
それが「ありふれたうた」である。

鬼龍院さんの書く歌詞に「君」「あなた」という言葉はたまに出てくる。
名詞を出さずとも「誰か」に向けて歌っているものもあるが
それは大体、不特定多数の「誰か」に対するものが多く
恋愛と思われる曲についても
登場する「君」「あなた」との関係は
すでに終わっている(忙しくてよかったetc)
距離が物理的に離れている(さよなら冬美)
高嶺の花のような憧れの存在(愛してると言えなくて、君といつまでも、ぺしみずむetc)
の場合が多く、少し暗め、悲壮感漂うものが多い。

ところが、この「ありふれたうた」にはその暗めの雰囲気は一切ない。

※著作権的なものがよくわからないので歌詞を全て載せず、かいつまんだ文章になります、ご了承ください。

↑全歌詞はこちらから

この歌詞に登場する「君」とはLINEをしている。
その内容が無神経なため無視をするというある程度親しい関係である。
その君とのありふれた日常がどれほど幸せか、というのが主な内容なのだが
歌詞の最後は


君が生きてる
君が息してる
君が生きてる

https://pc.goldenbomber.jp/contents/606216

で締められる。その前のラストサビの部分は

ありふれた日常が どれほど幸せだとか
聞き飽きて読み飛ばして君に冷たい日があった
今日からの日常で やり直させてはくれないか
汚し続けたもの まだ間に合いますように

https://pc.goldenbomber.jp/contents/606216

となっている。

「君」とはまだ距離が遠くなったわけでもなく、関係が終わったとも思えない。
何か行き違いがあったのだろうけれど、どうかやり直させてください、関係を続けさせてくださいという意味にも取れる。

今までの歌詞は「君」との過去を中心に歌っていたものが多かったが
この曲は今の「君」との関係を歌っている。
そして「君」は今現在も傍にいる存在、と取れる。

鬼龍院さんがこんな曲を作れるなんて、と感動した。
大きいターニングポイントになったのは、作られた時期を考えるとコロナと自身の結婚だろうが、おそらく後者であろうと考える。
ありふれた日常がどれほど幸せか身をもって感じる温かい曲である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?