『人間の建設』No.17 数学も個性を失う №5
話題は、数学の抽象化の問題から、世界の知力の低下に移っていきます。現在(=対談当時)の世の中は功利主義が世界をおおっていて、ローマ時代とそっくりになってきているというのです。
〈すべての道はローマに通ず〉という言葉にあらわされるように、ローマ帝国では、道路や水道などのインフラが整備されて都市には石造りの、数階建ての建物もつくられていました。
公衆の浴場が人々の社交の場にもなっていたともいいます。テレビや書籍で観たり読んだりするかぎり、ずいぶんすすんだ社会のようにも思え