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カウントってどうやるの?〜その2〜

前回(その1)の続きです。


【声をしっかり出そう!】


「え〜、スティック叩いてカチカチ言ってんだから、わざわざワンツーとか言わなくて良くね?」

言わなきゃダメですw


最初は恥ずかしがってワンツースリーフォーって言ってくれない人もいますが、

カウントに声はとても重要です。

主な理由は『ミス防止』です。


スティックのカウントだけだと、「カッ、カッ、カッ、カッ」となりますよね。

スタジオ内にはバンドメンバーの楽器があるし、本番のステージではお客さんの声援もあります。

ドラマー本人の中では「カッ(1)、カッ(2)、カッ(3)、カッ(4)」なのに

もしギターから一瞬だけ音出てしまって

ブツッ、カッ、カッ、カッ」

となったら、全員間違えずに入れますか?

もしそうなったとしても、声で言っておけば

ブツッ、ツー、スリー、フォー」

でなんとかみんな入れます。

しかもよりによってこういう雑音ってカウントのタイミングにバッチリ合うんですよねw


あとは、ドラマー本人がカウントの前にドラムのフチを叩いてしまったとして、

「カチッ、カッ(1)、カッ(2)、カッ(3)、カッ(4)」

となったら、最初のカチッはハプニングなのにみんなそれがワンだと思ってスリーのタイミングには演奏始めてしまうという失敗になります。




【良いカウント悪いカウント】


カウントは単にテンポを出す、スタートのタイミングを指揮する。

それだけだと思っていませんか?


良いドラマーは「カウントで曲を表現する」ことをしています。

ロックで激しい曲のカウントでは

「ゥワーン!!トゥー!!スリィイー!!フォオオ!!」

と言うし、

静かな曲では

「ワーン、、、トゥ、、、スリィ、、フォッ、、」


と言っています。

これは「カウントも曲の一部」として捉えているからで、

カウントの言い方で「お前ら次の曲はこんなテンションだぞー」と提示しているのです。

「え、曲知ってるしわざわざそんな言わなくてもわかるよ」

と思ってはダメです。

バンド演奏というのはチームプレイです。

試合前の「いくぞおお!」「おお!!」と同じです。



【その他のカウントテクニック】


[絶対に声を出したくない]

静かな曲だし、どうしても声に出してカウントしたくない、声のカウントが演出上良くない、というときはスティックカウントだけで良いでしょう。

その代わり無言でいいので口だけでカウントしましょう。

今行っているそのカチッがワンなのかツーなのかを表現するのが大事です。


[ハイハットオープンでのカウント]

ロックでよくありますね。「シャーン!シャーン!シャーン!シャーン!」というやつです。

これなら他の音に消されることもないので声は不要です。

でも本当は声も一緒に出した方がみんなのテンションが上がってよいです。


[3,4だけのカウント]

ゆっくりな曲でありますね。演出上「ワン、ツー」の時間も省きたい時に限り、「スリー、フォー」でスタートです。

でもこれはバンドメンバー全員が知っていないと危険ですね。


[カウント無し]

演出上「スリー、フォー」もない方がいい場合、お芝居の演奏仕事とかだとあります。

このセリフが来たら演奏スタート、みたいなときにいちいちカウントをしてたらシラケます。

その場合は、ドラマーが指揮者のように空中で「3,4」を表現します。

音として出ていないだけで、メンバーにはカウントを伝えていますね。


[完全カウント無し]

マイケルジャクソンの「This is it」というドキュメンタル映画を見て衝撃を受けたのですが、マイケルが急に(演出で)指を刺したらその瞬間演奏が始まる、というものでした。

無音の状態から急に指を刺されるので、カウントしてる時間もありませんし、

何よりバンド全員が演奏スタート、しかも完璧なテンポ感で全員演奏していました。

ある程度の経験があれば真似事はなんとなくできそうですが、全員が完璧な演奏をスタートしていたのが衝撃でした。

普通はもっとグチャっとなってから修正していきますよ。

全員が世界レベルの超一流ミュージシャンだから出来る演奏です。



以上、カウントだけの話で2個分もコラムを書けるなんて、

カウントって深いですね〜。

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