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馬の救急箱②

前回「馬の救急箱①」の続きです。 https://note.com/abiihorse/n/n37b508e6dc39 ・ガーゼ(大) 擦り傷や踏みかけなどの傷は、処置後ガーゼを当て包帯を巻いて保護する(当て擦れが心配な時は包帯の下にパッドを挟む)ことで、厩舎内の汚れや細菌から患部を守ることができる(過信は禁物)。 また、蹄内で炎症を起こした場合の膿出しにも使える。 ・自着性包帯(ヴェトラップなど) 馬具屋さん等で購入可能。安価なものの中には粗悪品が混じっていることがある

    • 馬の救急箱①

      馬飼いあるある 「馬の救急箱が自宅よりも充実している。      何なら人の手当ても馬箱でやってしまう」 という訳で、今回と次回の二回に分けてスぺさん救急箱の中身を紹介していこうと思う。 馬に関わっている方ならば重々承知のこととは思うが、中には馬術大会や競馬において禁止されている物質を含む薬品も存在しているため、使用には必ず獣医師、そして責任者の判断を仰ぐこと。 書ききれなかったものもあるが、概ね中身はこんな感じ。 ・バナミン(フルニキシン)ペースト 馬用非ステロイド

      • さく癖と疝痛

        馬の悪癖のひとつに、「さく癖(ぐいっぽ)」というものがある。 下の写真の様に柵や馬せん棒、窓枠などの固定された物に上顎の切歯を掛け、頭頸に力を入れながら空気を飲み込む癖のことである。 馬房にいる時間の長い競走馬等が退屈しのぎで覚えることが多く、頻繁に行うと風気疝(消化器官にガスが溜まることで起こる腹痛)を発症し易くなる、と言われている。 覚えたてのうちは矯正も可能だが、習慣化してしまうと止めさせることは難しい。 写真から分かる通り、スぺさんにもさく癖があった。 放牧中でも食

        • 弱踵蹄

          スぺさんは酷い弱踵蹄(アンダーランヒール)だ。 アンダーランヒールとは、遺伝的要因・強負荷の調教・装削蹄の遅れ等の要因から蹄に過度な荷重が掛かり、蹄踵が潰れてしまった状態のことをいう。 この状態の蹄でいることは、屈腱炎、骨折、蹄病、腰痛など様々な傷病のリスクを抱えることと同義だ。 蹄踵部の蹄壁が前方へ巻き込まれながら伸びてきているのが分かる。 こうなってしまうと蹄機(蹄が持つ機能。接地の際に拡縮することで血液循環を促したり、衝撃を緩和したり)も正常には働かない。 写真を

        馬の救急箱②

          愛馬、スぺさん

          2年前から、愛馬(サラブレッド)と暮らしている。 名前はスペシャルサンクス。みんなからは「スぺさん」「スぺちゃん」と呼ばれている。現8歳(もうすぐ9歳)の牝馬で、引退競走馬だ。 彼女との毎日は苦楽の連続、成長があれば失敗もあり、怪我や病気に悩まされることはしょっちゅうで、何だかんだ苦労の方が多い気がしなくもない。 でも楽しい。幸せだ。彼女と出会えてよかったと、心の底から愛しさが沸き上がってくるような毎日を噛みしめている。 これまでもFacebook、Instagr

          愛馬、スぺさん