残酷なすれ違い

わたしが長年アルバイトをしているチェーン小売店に先日、多店舗からの転勤という形で社員の方が1人加わった。

その社員の方は、20代の中盤から後半ほどの年齢といったところだ。
彼の印象はというと、誠実で非常に真面目。
さらには勤勉と言った印象である。

一見、誰からも賞賛を受けるであろうと思われる姿勢を有している。

しかし、そんな彼を待ち受けていた運命は残酷とも取れるものであった。

そんな非の打ち所のないように思える彼をよく思わない人物が現れるのである。

その人物は、非正規雇用ではあるが非常に長年にわたってこの店舗を支えているような存在である。
そして、フレンドリーなその性格からこの店舗のすべてのスタッフから慕われていると言った存在なのである。

不運にも、転勤したての彼はその様な人物の気に障ってしまったのである。
何が気に障ってしまったのかというと、彼の、誰にも賞賛されると思われたそのひたむきな姿勢であった。

その姿勢を煙たく思われたらしい。
よくありがちな事である。
しかし、煙たく思った側の人物がその職場内に影響力を持ち合わせていると、より残酷であるという事を目の当たりにした。

まさに、彼の"誠実さ""真面目さ""勤勉さ"が殺されざるを得ない状況の出来上がりといった様子である。

賞賛されるべき事
重宝すべき財産が
圧力により崩壊するという状況なのである。
まさにねじれた状況。

正直者がバカを見る

という空気の完成。
それはこの店舗における何よりも大きな負の遺産の様に感じる。

1人の社員が転勤によりこの店に持ち込んだプラスの要素をこの店は殺してしまったのである。

プラスの要素が死んでしまっただけならまだプラスマイナスゼロと思うだろうが、そういう訳には行かず、手土産を否定されて投げ捨てられてしまった当人は酷く傷ついてしまうものである。

その手土産が彼のアイデンティティと密接である場合はさらに残酷である。

一つの価値観のすれ違い、捉え方のすれ違いの摩擦によって生まれた同調圧力の炎は人伝いに伝わる毎に火の気を増すものである。

そしてその炎は想像以上に残酷な状況を招いたのである。

この様な事象は様々なコミュニティの様々な局面で起こりうる事であろうと感じる。
大火になるまえに火元に気づけるか、
もっと言えば火種になりうるものは無いかと察知する能力がコミュニティの管理者に求められるのだと強く感じた。

#人間関係
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#コミュニティ

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