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不登校特例校について

不登校になると進路について悩まれる方は多いです。
進学できるのか、卒業できるのか、どんな学校を選べばいいのか、
最近は学校の種類も増えてきて
不登校生にとっては選択肢が増えた分、わかりづらくて困っているというお悩みも増えました。

そこで今回は
最近、話題に挙がることの多い「不登校特例校」について書いてみます。

不登校特例校と他の学校との違い
不登校特例校の特徴3つ
不登校特例校のデメリット
そして注意点など

実は弊社でも
不登校特例校へ進学した生徒さん、
不登校特例校に通いながら預かりしている生徒さん、そして卒業した生徒さん、もいらっしゃるのですが

結論から言うと
いま不登校のお子さんにとって、

不登校特例校を選択肢の1つに入れていただくのは
アリだと思っています。

ただ、お子さんによって合う合わないがありますし、
決して他の学校がダメということではありません。


不登校特例校と他の学校との違い

まず学校には「学習指導要領」というものがあります
何年生で何をやって、とか
どの教科をどのようにやって、とか
どんな活動をどれくらいやって、とか
そうした基準を国(文部科学大臣)が定めています。

その「学習指導要領」に基づいて、多くの学校あるいは学校教育が成り立っています。

それに対して「不登校特例校」は
その「学習指導要領」にとらわれなくていいですよ、と
国が認めた学校になります。

学習指導要領にとらわれず、
不登校生がより教育を受けやすいように、
学校ごとに方針やルールを定めて、
それを国が認めている、これが不登校特例校です。

よって
他の多くの学校と比べると、
学習指導要領に基づいているのか、あるいは学校独自のやり方なのか、
そこが大きな違いと言えます


不登校特例校の特徴を3つ

1つめ
カリキュラムが柔軟であること、が挙げられます。

国が定めた基準よりも授業数が少なかったり
学年に関係のないクラス編成をしたり
クラスではなく少人数でのグループや個別での学習時間を設けたり

多くの学校に比べて、カリキュラムが柔軟であることが特徴です。

これは
気持ちの回復を図っている途中の不登校生にとっては、

非常に良いことです。

学校の仕組みに合わせることで、つらくなるお子さんにとっては
学校の仕組みが、より生徒に合わせた形になっていたりするので、
とても過ごしやすいという声を聞くことは多いです

特徴2つめ
不登校に理解のある先生が多い、という点です。

そもそも不登校生への配慮を目指している学校ですので、
不登校に理解のある先生は、他の学校に比べて圧倒的に多い印象があります。

仕組みがどうとか、カリキュラムの内容がどうとか、卒業率がどうとか
そんなことよりも、普段から接するのが「理解ある大人」であることは
なによりも安心材料のひとつになり得ます。

もちろん、
相性が合わないこともありますし、先生方がみんな完璧ということはないでしょうけど
少なくとも、理解があって、配慮してくれる大人が近くにいる環境であることは
不登校特例校の特徴といえるでしょう。

そして特徴の3つめ
学校によって、かなり中身が違う、という点です。

同じ不登校特例校といっても、様々な学校があります。
小学校、中学校、高校、公立、私立、と様々ですが
もともと昔からあった学校が不登校特例校の指定を受けたパターンもあれば
あらたに不登校特例校として開設された、という学校もあります

「不登校特例校だから合う、合わない」というよりも
「この学校は合うか合わないか」という視点でみるようにして下さい。

不登校特例校ではない他の学校の場合、
たとえば全日制普通科の高校と言われれば
なんとなく学校生活はイメージができると思います。
それは先にお伝えした学習指導要領によって基準が決まっていることや、
またボクたちのような親世代が子どものころから存在するタイプの学校だからです

しかし、不登校特例校は
学校独自の仕組みを設けていたり
あるいは親世代が子どものころには、なかった学校が大半ですので
どんな学校生活になるのか想像しづらいと思います

そうしたことも含めて、
「不登校特例校の仕組み」よりも
「その学校の仕組み」を調べて検討するようにして下さい。

特徴をまとめますと
・カリキュラムが柔軟
・理解のある先生が多い
・学校ごとに差が大きい

この3つを挙げておきます。

不登校特例校のデメリット

デメリットと呼ぶには適切ではかもしれませんが
「まだ数が少ない」という点が挙げられます。

現在、2021年9月時点で不登校特例校は
全国8都道府県の17校
北海道、東京、神奈川、愛知、岐阜、京都、奈良、鹿児島

挙げてみます

高尾山学園小学部・中学部(東京都八王子市)
洛風中学校(京都府京都市)
学科指導教室「ASU」(奈良県大和郡山市)
星槎中学校(神奈川県横浜市)
城西高等学校 普通科 ドリームコース(鹿児島県日置市)
東京シューレ葛飾中学校(東京都葛飾区)
洛友中学校(京都府京都市)
NHK学園高等学校(東京都国立市)
星槎名古屋中学校(愛知県名古屋市)
星槎もみじ中学校(北海道札幌市)
西濃学園中学校(岐阜県揖斐郡)
調布市立第七中学校 はしうち教室(東京都調布市)
東京シューレ江戸川小学校(東京都江戸川区)
福生第一中学校(東京都福生市)
草潤中学校(岐阜県岐阜市)
星槎高等学校(神奈川県横浜市)
大田区立御園中学校(東京都大田区)

※もう少し詳しく確認したい方は文部科学省のサイト

来年に宮城に開設されるようなので、現時点で指定を受けているのは

全国9都道府県の18校になりますが、

全国で18校ですから、まだまだ少ないです。

今後は、間違いなく増えると思います
ただ、現状では
そもそも通える範囲に不登校特例校が存在しない、という方は多いはずですので
そこはデメリットかもしれません。

もうひとつデメリットを挙げますと

一定の偏差値以上の大学受験を考えた場合、学習量が足りない可能性がある、という点です。

小中学校は良いとしても、高校から大学受験を考えた場合、
カリキュラムそのものが受験勉強に則していない学校もありますので、
学習量が足りなくなる可能性はあります。

ただ、学習面については
学校へ通いながら予備校に通うとか、そうしたことで受験対策は十分にできます
個別指導がよければ、もちろんREOへお任せいただきたいですが、それは置いておくとして、、、

いずれにしても、
行きたい大学ができて、学校の学習では足りなくなっても
学校プラスアルファでいくらでも受験対策はできますので
ここもデメリットというほどのことは、ないかと個人的には思っています。


最後に注意点など

お伝えしましたように、

不登校特例校は、不登校生にとって気持ちの回復に適した環境である可能性は他の学校よりも高いですし、
その後の進路も様々な道を選べるようになっていますので
選択肢としてはアリだと思っています。

ただ、とにかく学校による特徴の差が大きいので、

不登校生だったら誰にでもおすすめなのかと言われたら
そんなことはありません

もし興味のある方は、先ほどお伝えしましたけども
不登校特例校を調べるというよりも、その学校単位で調べることを忘れないでください。

とはいえ、
子どもたちや社会の可能性を広げられるシステムとして
個人的には、とても魅力を感じていますし、期待もしています。
学習指導要領にとらわれない学校が、もっともっと増えればいいなとボクは願っています。

というわけで
今回は不登校特例校について、でした。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

↑今回の内容を話している動画です


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