逃げるは勝ちだし、強くなる。#02
いじめの後遺症?
会いに来てくれたのは、当時の校長先生。
「大変だったね」
漫画をお土産にして、ただ会いに来てくれた。
え、校長先生が漫画もってくる?(笑)
って、ちょっと気持ちが緩んだのを覚えてる。
何人か先生達が交代で様子を見にきてくれたけど
校長先生だけが、
生徒指導室にいる間、2回も会いに来てくれた。
もちろん、この一件で親にもいじめの話が伝わった。
てっきり隠してたことを咎められるかと思っていたから
「犯人、警察につきだしてやりたい!!!!」
って本気で怒って悲しんでくれて
「あぁ、もっと早くに相談してもよかったのかもしれないな」
なんて心底ほっとした。
気持ちが落ち着いた私は
教室に戻って5限だけ授業を受けた。
教室はちょっと張りつめた空気が流れてて
いじめてた側はこの一件に気付いたのか
これ以来、上履きがなくなることもゴミが机からでてくることもなくなった。
陰口は続いたし
いじめをしていた側(首謀者はわかっていたから)との仲は最悪そのものだったけど。
初めて「逃げる」を経験した私は、
不思議と、新しい武器を手に入れたかの如く少し心も強くなれた気がして
『絶対、負けない』
そんな建前の強さだけで残りの中学校生活をなんとか乗り切った。
けど、その建前の強さは所詮、建前。
しっかり心は傷ついていたから、
「親友」という言葉には嫌悪感が走るし
「人の目」が気になって、嫌われないように八方美人な振る舞いをするようになった。
何かあると不安定になって、豆腐メンタルが発動した。
そんないじめの後遺症と戦いながら、私は大人になった。
──────
これが、私のメンタルが弱くなった原因。
この一連の「いじめ」の経験をちゃんと乗り切らずに、建前の強さだけで生きていく中で
「いじめ」に対する、色んな人の色んな意見を聞くことがあった。
『いじめられる方にも問題があるんじゃないの?』
『いじめなんてみんな経験してるよ』
『いじめてた子にも理由があったんじゃないかな。』
『いつまで引きずってるの?』
『私の方がひどいいじめを受けてたよ』
───────
人それぞれの意見がある。
その意見が正しいとか、間違ってるかは私にはわからない。
そして、この意見は
私がいじめを受けた時に、
建前の強さでその場しのぎをして
後になって、誰かに助けてほしくなって自分の話をしたことの結果だった。
後から、誰に何を話しても
どうにもならないことを知った。
その気はなくても、
自分のいじめの過去を相談するなんて
「わたしはこんなに可哀想で大変だったんだ」
と自ら話している情けない人間に過ぎない。
建前の強さは、所詮建前でしかなく
その建前で、目の前の現実から弱い逃げ方をした私は、建前の中でしか人間関係を築くことができなくなっていた。
完全に、自業自得だった。
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