見出し画像

金融×プロダクトマネジメントをテーマにした勉強会の企画

主催するいくつかのコミュニティの中で、最近、特に熱い注目を集めているフィンテック養成コミュニティのオフラインセミナーを10月24日に開催します。以前までは、話題のGenerative AIを主軸として議論を深めてきましたが、今回は少々趣を変え、「金融におけるプロダクトマネジメント」という切り口でセミナーを企画しました。この背後にある動機や狙いを少々お話しします。

背景:プロダクトマネジメントの未知なる地平

プロジェクトマネジメントは一定の認知度がありますが、それとは対照的に、プロダクトマネジメントは特に金融業界での認知度が低いのが現状です。ウォーターフォール型の開発手法で順調にステップを踏んでいるように見えるが、その裏ではプロダクトの実質的な方向性が失われていることも少なくありません。

プロダクトマネジメントへの出会い

私が初めて「プロダクトマネジメント」に触れたのは、2013年に開催されたPoStudy2周年記念イベントでした。それまでPMPの資格を取得し、プロジェクトマネジメントに携わっていた私にとって、関満徳さんと新井宏征さんとの出会いは衝撃的でした。ここで初めてプロダクトマネージャーの存在に気付いたからです。なんと、この出会いは空前絶後の大型台風の影響で人数が限られ5人ぐらいしか出席できなかったのです。そのおかげで非常に密度の高い学びの場となりました。それから、新井宏征さんの『プロダクトマネージャーの教科書』と当時、kindle版でしか翻訳されてない『INSPIRE 初版(初版は絶版)』(第2版は関さんも執筆)に目を通し、スクラムやプロダクトマネジメントに興味を持ちました。この出会いがなければ、おそらく今の私は存在しなかったでしょう。

コミュニティとの出会いから書籍へ

こういったさまざまなコミュニティでの活動により、私はメディアへの寄稿や書籍の執筆・監修などの貴重な機会をいただくことができました。ある日、Googleを離れてフリーランスだった頃の及川卓也さんが日本のフリーランス事情の課題や日本のソフトウェア開発への危機感を訴えているツイートなどを見つけ、将来の日本のためにも子供向けのプログラミングやロジカルな思考の書籍の監修を一緒にできないかと思い、世界最先端IT企業の技術責任者としてNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で特集までされていた方ですが、雲の上の存在と思いながらも恐る恐る相談したところ、快くご承諾いただきました。これは私にとっても非常にありがたいご縁でした。

その後、及川さんはたくさんの書籍の執筆や監修などを行いましたが、中でも最も印象に残っているのは「ソフトウェアファースト」です。感動すら覚えるほどの一冊で、Amazonへのレビューも書きました。

私がまとめたメモや、Amazonレビューはこちらになります。

その後もプロジェクトマネジメントに関する書籍を多数出版されていましたので、読書好きな私は全て購入して読みました。

スタートアップでの全方位的な活動

数年前まではメガバンクの金融工学やビッグデータ分析を行うシンクタンクに所属していましたが、ブロックチェーンの可能性を確信し、自律分散型のアーキテクチャを創り出すことに心を奪われ、スタートアップ企業への転職を決意しました。私は大企業とスタートアップを繰り返し経験しましたが、小規模な組織に戻ると、フロントエンドやバックエンドの開発からインフラ構築、Figmaを使ったディレクション、はたまたベトナムやマレーシアとのオフショア開発、実証実験から国際特許の申請までと、多岐にわたるフルスタックな仕事が待ち受けていました。さらに私のような経歴ゆえに、ビジネス寄りの事業企画から協業、マーケティング、CSチームとの緊密な連携、採用人事や資金調達、広報、経営にまで携わることで、スーパーフルスタックとしての役割を果たしています。さらに大学の講師やビジネスセミナーの講演も頻繁に行い、カンファレンスの企画や運営までも手がけました。かなり大変ですが生き甲斐と重なり人生で楽しい時間が大幅に増えてたことに満足しかありません。ただ、ベースはエンジニアのため、時にはいつコードを書くことができるのかと不安に駆られる日もありました。しかし、そこで改めてプロダクトマネージャーの重要性を認識しました。どんな企業であろうとこのブリッジなしでは、プロダクトの成功はあり得ないではないかと。。。

任されたプロダクトの成功を追求せよ

私は4年ほど前からボランティア活動でいくつかの金融のITコミュニティ(フィンテック養成コミュニティFin-JAWSfin-py)の活動も行ってきました。昨年からは一緒にこのコミュニティを主催している藤井達人氏と一緒に一般社団法人第二地方銀行協会 SARBLABのDXエキスパートとしての活動も行っています。さらに一般社団法人 金融データ活用推進協会(FDUA)の団体自体を立ち上げるための壁打ちや計画の支援や初版書籍の企画書案の原案準備や出版社の調整なども行いました。このような金融を活性化する取り組みへの貢献を続けている中で、今一番気にかかっているのはやはりプロダクトの価値です。流行り物はすぐに廃れますし、UXやオープンイノベーションにだけ力を入れても利益を生み出せず、事業も継続できません。金融業界が抱える根本的な課題として、プロダクトの価値に焦点を当てる意義を考える勉強会を開催することになりました。金融は消費者保護など規制の制約もあるため、こうした視点が薄れてしまう可能性もあります。今回も及川さんには協力いただき、さらに多くの有識者にご登壇いただけました。

一緒にプロダクトマネージャー(PdM)の重要性について探求しませんか?

金融業界におけるプロダクトマネージャー(PdM)のポジションはまだまだ認知度が低いかもしれませんが、このセミナーを通じて、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの違いなどを理解し、プロダクトの価値を高める組織を目指しましょう。金融業界でご活躍の皆様には、10月24日に開催される「金融×プロダクトマネジメント」勉強会へのご参加を心よりお待ちしております。

当日のタイムテーブルは以下となります。今から楽しみで仕方がありません。

申し込みはこちらからになります。
https://fintech-engineer.connpass.com/event/297998/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?