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モラハラを選んだのはわたし

彼は付き合う前にこんなことを言っていた。
「今度付き合う人とはお別れしたくないんだ」と。
彼は離婚歴があり成人した子供が二人いる。
詳しくは知らないが自分が親権をもって育てたという。

彼は私と付き合う一年前に不倫していた女性と別れたと言っていた。
結婚するつもりだったらしい。

不倫する男なんて嫌いだといった。
不倫する女は身近な家族を裏切るような人だ。
だから簡単に彼も裏切られたのだ。

「あなたは不倫なんかするタイプじゃないよね。」
と彼にいったこともあった。

そんなこともあり、お別れしたくないという
彼の希望を私が叶えねばと思い込んでしまった。

ここでの温度差に気が付かなかった。
彼は私のことをその時好きではなかったはず。
しかし、婚活アプリでマッチング=好きだということだと
私は思っていたけど、彼はそうではなかったらしい。

なぜなら、彼は何かにつけて
「りょうが付き合おうって言ったからそうしたんだ」
というようになった。

その言葉の裏には、自分はもっと慎重に考えたいと思っていたという言葉が見え隠れする。

モラハラが彼のせいではないといったのは
私が彼に対して、彼の要望を良くのむようになったことで
彼は私を支配するようになったのだ。

私がなぜ彼の要望をのむようになったのかというと私は相手の期待に応えたいという資質がある。

彼が「お別れしたくない相手」を望んでいるなら
私がそうでありたいと願ったからだ。
付き合い当初の彼は、今もだが
非常にマメだし、普段はとても親切だ。
ただ、そのやさしさに陰りが出てきた。

彼は自分から「りょうにはちゃんとした店で良いものを買ってあげたい」という。

しかし、仮に店に行ってなんか買った後
「どうして散財してしまったんだろう」というようになった。

初めて温泉旅行へ行った時も
「普段はそんな贅沢しないのに。高い旅館に泊まってしまった。」
と私に愚痴をこぼしていた。

言っていることとやっていることがちぐはぐなのだ。

それは少しずつハードルを上げていった。

例えば、私が暑いと言って
エアコンをつけようものなら
「やめて」と声を荒げたり
やっとエアコンを許されたと思ったら
「広い部屋でエアコンつけるなんて
電気代が勿体ない。狭い部屋へ行けばいいのに」という。

お風呂も
「りょうがいるときは風呂にお湯を貯めないとな。
一人の時はシャワーだけなのに。君は必ずお湯を張るよね。勿体ないな。」
このあいだ、多少眠いのもあって
「今日はシャワーで済ますよ」といったのだが
数日して、
「りょうがいるときくらいは、お湯につかりたい」と言い出した。

スーパーへ買い物へ行った。
私が好きなドリンクを二つ籠に入れた。
すると
「二つも要らないでしょ?」というので
「あなたの分も」というと
「俺の分はいらないんだよ」
といって、戻されてしまった。
「いいじゃん。ケチ」と
冗談で言ったのだがそれが
結構後に引くことになる。
彼はケチと詰った私を物凄く怒っていて
「もうその話はおしまいね」といった後も
「りょうはあの時こういった。
俺は別にお金が惜しくて言ってない。
何でも籠に入れるりょうが嫌だった。」
ぶり返しては何度ももめた。
 エアコンの話の時も
「私があなたの家に行くのは週末だけだしその時だけエアコン付けるのがそんなにもったいないの?
じゃあ、言いたかないけど、あなたがふらっといくパチンコで何万も負けてること考えたら大した金額じゃないよ。そんなに言うなら電気代くらい置いておくよ」
この話も彼は折につけて引き合いに出しては
「俺が俺のお金をどう使おうと関係ない。そこまでいちいち言われる筋合いなんかない」

わたしは、彼が別れた女性とヨリを戻したくてわざと嫌われるようなことを
してるんだと思った。

しかし冷静に考えるとどうも違う。
わたしは彼といると機嫌を伺うようになったし、彼は怒りながらわたしの反応を見てはわたしの困る姿を楽しんでるように感じる。

知り合いの女性が、苦手な人間関係について説明してくれた。
どういうことかというと
自分の中に自分に対してわだかまりがあると、それを克服すべき課題がやってくるのだという。

つまり私の中のわだかまりが 彼を引き寄せただけで、彼は悪くないのだという。

なぜならそれを反応しなければ 済むことなのに、わたしが逐一反応してるからだ。

実は、私は彼の不思議な素行が気になり記録をつけていたのだ。

こんな状態で記録が役立つなんて。

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