適切なホウレンソウをして一丸で課題解決しよう!

元旦の夜にこんばんは^^明けましておめでとうございます。
去年はコロナもあってオンライン/テキストコミュニケーションがより一層増えました。
その中で学術研究領域においては当たり前に言われる"fact"と"guess"、事実と解釈を分けることの重要性を日々感じています。
なので社内で12月にさせていただいたLighting Talkを改編してnoteにしてみました!

これから社会人になる方々はこれを読んで実践できれば、きっと「あいつ、コミュニケーション取りやすいなー、デキルなー」と思ってもらえるでしょう!

メッセージはシンプルです!

事実と解釈は分けて考えよ!そして伝えよ!

事実と解釈を混ぜると何が困るのか?

事実と解釈01

1. ホウレンソウされた側の負荷が高い

ある問題の報告を受けた場合、はたまた機能開発要望を受ける場合、その後その報告/相談/共有された事象が本当に解くべき課題なのか、走らせるべき施策なのか調査/検証に移ります。
ホウレンソウを受ける側は共有された情報と自身が持っている情報を元に何かしらの判断を下していくことでホウレンソウの1つ1つの事象を処理していく必要があるからです。

その際よくあるのが、例えば「○○が正常に作動しないバグです!直してください」という言い方での問題報告です。「○○が正常に作動しない」のは事実ですが、それが「バグ」かどうかはその人の解釈に過ぎません。その人が規定から外れた使い方をしている可能性もあるのです。

そのため何かしらの判断をする場合も、調査/検証をする場合にも、最低限必要な情報がないとその問題が本当に課題なのか特定するのに必要以上に時間を要します。丁度犯人の特徴や犯行日時を言わずに犯人捕まえてくれ!と言うようなものです。

事実と解釈02

2. 風評被害と機会損失リスクが生じる

本当は問題がない場合でも、「Xに問題がある」と社内で暗黙の共通認識が築かれてしまうことによって、プロダクトやサービスが風評被害に晒されたることもあります。

また神の視点で見ると別の箇所に問題がある場合、安易に「Xに問題がある」と判断してしまうことで、その問題の深堀を仮にもっとしていたら別のブレイクスルーにたどり着いたかもしれない機会を損失してしまうかもしれません。

逆に、「本当は問題があるのに問題がない」とみなしてしまい、後から発覚して手遅れという場合もあります。
例えば、お客様が言っていないことを事実として捉え社内共有してしまうことで、実はお客様と合意してなかった!!ということが後から発覚したり。
はたまた、”希望”的観測を”事実”に変換して報告してしまったがために、”口頭受注”後、本受注されなかったり。営業組織ではありがちな事象です。

3. 部署をオーバーラップした課題解決の動きが生まれにくくなる

例えば「Yという機能をつけてもらえませんか?」という要望を他部署に出したとします。ただ、その要望を受けた側にとって、Yは手段の1つに過ぎず、「なぜYが必要と思ったのか?何の課題を解決するためのYなのか?」の特定が必要です。問題の本質がどこにあるのか分からずに走り出すことによるムダは計り知れないからです。

この場合は最終的に動いてもらえないことも起きえますし、要望を出したサイドの部署の声が大きい場合は要望を出された側が下請け的に動いてしまうことも起きえます。

自身の視点に閉じて情報を解釈し、そのまま情報を共有してしまうと、組織全体で見た時に"課題の横流し"にしかなりません。各部署の専門性を持ちよって課題解決するという方向には向かいにくくなります。

この場合は「Yという機能」のことは1仮説として扱い一旦脇に置き、「実際に起きた事象、そしてその事象のボトルネックとなっているXという解決すべき問題」を議題に部署を越えて議論できることが大事です。

ホウレンソウだけでなく事象の理解にも有意義

具体的には事象間の関連性や課題構造を見誤りにくくなります。構造化や課題解決力も上がります。

ややこしいことに、ある問題が全て解くべき課題とは限りません。必要悪の可能性もあるし、課題構造から鑑みて短期的に解決できないものかもしれないからです。

また課題の本質を見極める上で、ヒアリングをすることもありますが、その際出た発言自体は事実でもそれが真実とは限りません。
どういうことかと言うと、ある事象は事実だとしてもそれは俯瞰的に見ると偏った視点での事象だったり、ある前提条件の上での事象だったりする可能性があるからです。
例えば、「うちの会社はコロナの影響すごい受けたよ~」という会社がある業界に複数社存在したとして、その情報を元に「コロナが多くの会社の業績に大きな影響を与えた」と解釈するのは短絡的です。

「影響を受けた」というのは業績ではなく、働き方かもしれないし、仮に業績だとしても「すごい」という基準は会社や個人の解釈を挟むからです。またある業界のたった数社にヒアリングしただけで、「多くの会社の~」と言ってしまうのは自身が触れていない数多の情報への想像力を欠いています。その事象が起きる上で必要な前提条件を付与することで初めてその事象を広がりのある情報空間にプロットすることができ、正しい認識に繋がるのです。

全ての情報を取得することは不可能で、早いスピードで課題解決するには一定不確実性を許容して意思決定していく必要もありますが、「今ある情報でどこまでが言えてどこからは言えないのか」を明確にしておくことで俯瞰的な視点から真実に近づくことができます。

一番大事なのは想像力と思いやりです。

長々と述べましたが、一番大事なことは想像力と相手への思いやりです。
その情報を受け取った人は「それをどう扱えばよいのか、どう解釈するだろうか、そのために情報は過不足ないか」と発信前に想いを馳せる習慣をつけましょう!

情報発信の本質は

”伝える”ではなく、”伝わる。そして行動が変わる”こと

だと思います。
相手が受け取りやすいボールを投げましょう。

事実と解釈03

おわりに

ホウレンソウの仕方について、色々書きましたが、大前提、しないより沢山した方がよいです。

量を重ねてフィードバックを受けて質を高めていきましょう!

ホウレンソウの質を高めることが、自分・仲間・お客様の大切な時間の有効活用につながり、最短距離での課題解決にもつながります。

Appendix

事実と解釈は分けて考えよ!そして伝えよ!

と言ってもすぐに出来るものではないかもしれません。
訓練や習慣づけのために事実と解釈を分けて捉えるのに役立つフレームワークを紹介します。

・空・雨・傘
空:事実(前提・背景)・雨:解釈(仮説・推測・示唆)・傘:アクション

・現状・理想・ギャップ・提案
1. 何がなぜ問題だと思っているのか
2. 自分の期待は何で、どこにギャップがあるのか
3. 相手に何をしてほしいのか

・事実・問題・期待する結果・仮定・仮説・提案<--オススメ!
1. Fact(事実)
2. The Problem(問題)
3. Expected Result (Optional but highly recommended)(期待している結果)
4. Assumption (Optional )(仮定)
5. Opinion of how to solve the situation (Optional)(状況解決するための方法)
6. Proposal for next action (Optional)(次のアクションの提案)

・5W1H
[Why] ゴールや解決したい課題の共有
[Why] 重要度や緊急度が伝わる
[How] 自分なりの解決方針の提案(Optional)
[What] 作って欲しいものや、やってほしいことを記載する(Optional)

*弊社内でも共有されている下記の記事が非常に参考になるので添付します。


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