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Withコロナ/Afterコロナの環境下で、私たちがオフィス移転をした理由【#私たちはつながっている】

ABEJAは、2020年9月1日(水)より、the ARGYLE aoyama 内にある「WeWork」に本社オフィスを移転します(ニュースリリースはこちら)。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、ABEJAでは2月下旬から全社員を対象に在宅勤務を推奨し、緊急事態宣言が発出された4月9日からは完全出社禁止としました(詳しい経緯はこちら)。

在宅勤務の広がりに伴い、「オフィス不要論」「オフィス消滅」という言葉をメディアで目にする機会が増えました。私たちも緊急事態宣言解除後は、在宅勤務を推奨しつつ、任意で出社可能にしていましたが、オフィスに集まるメンバーは多くても10名程度でした。

そんな状況の中で、なぜオフィスを残す決断をしたのか?、どのように移転先を決めたのか?、これからの働き方についてどのように考えているのか?まとめました。

新型コロナウイルス感染症の影響の長期化をみこし、再結成されたオフィス移転プロジェクト

2020年5月、オフィス移転プロジェクトが"再結成"されました。現在のオフィスからの移転を検討するのは、実は2回目。

1回目は、現オフィスの契約更新のタイミングで、人員拡大に備え移転をするかどうかを検討するものでした。結論は「移転はしない」。現オフィスのレイアウトを変更することで人員拡大に対応する、という意思決定をしました。

2回目は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化が見込まれる中、そもそもオフィスが必要なのかどうかを検討をするため発足されました。現在のオフィスにかかっている費用は月約1000万円。「誰も使わないオフィスのために、月1000万円のコストをかけ続けるのか?」こうしたコスト削減の観点が二度目のプロジェクト発足の理由でした。

私たちは、何のためにオフィスを持つのか?

当時、私たちには3つの選択肢がありました。

①:社員全員がほぼ毎日出社することを前提にしたオフィス
ほとんどの社員(拠点社員は除く)が物理的にほぼ毎日同じ場所に集まって仕事をすることを働き方の前提にする。
月あたりのコスト:現状維持
Withコロナの働き方:コロナ禍での特別措置としてのフルリモート勤務可
Afterコロナの働き方:週2日までリモートワーク可(Beforeコロナと同じ)
②:社員がある程度の自由度を持って働き方を選択できるオフィス
社員が集まりたい時に集まるための場としてオフィスを持ち、働き方の多様性を担保する。毎日30%程度の社員が出社することを想定。
月あたりのコスト:50〜70%減
Withコロナの働き方:フルリモート勤務可、出社可
Afterコロナの働き方:フルリモート勤務可、出社可
③:社員は在宅勤務を原則とし、必要最低限の機能のみを備えたオフィス
総務・経理・法務機能など、物理的なオフィスがないと業務遂行が困難な業務のみを行うための場としてオフィスを持つ。社員は原則在宅勤務。
月あたりのコスト:95%減
Withコロナの働き方:一部の社員を除きフルリモート勤務
Afterコロナの働き方:一部の社員を除きフルリモート勤務

コスト削減の観点のみで考えるのであれば、③の「社員は在宅勤務を原則とし、必要最低限の機能のみを備えたオフィス」に移転し、Afterコロナも一部の社員を除き全員がフルリモート勤務を継続する」ことが答えになります。

ですが、本来物理的なオフィスには、「個人の生産性向上」、「チームの生産性向上」、社員同士の何気ないやりとりから生まれる「アイディアの創出」、「エンゲージメントの向上」など、多様な機能があるはずです。コスト削減の観点のみでオフィスの有無について意思決定をしては、大事なものを失ってしまいます。

そのため、プロジェクトでは、「私たちは何のためにオフィスを持つのか?」ということを考える必要がありました。

フルリモートワークによって、上がった「個人の生産性」と「生活の質」。一方で、チーム運営やチームを越えた協働には課題も

「私たちは何のためにオフィスを持つのか?」を考える参考として、メンバーにオフィスや働き方に関するヒアリングを行いました。また、フルリモートワークをはじめてから約2ヶ月後の5月末にとったアンケート結果も参考にしました。

個人の生産性が、フルリモートワークによって「上がっている」と感じるメンバーが全体の約3割、「どちらともいえない」と感じるメンバーが約5割、「下がっている」と感じるメンバーが約2割という結果になりました。

参考:「フルリモートワークにより、自身の仕事のパフォーマンスは変化しましたか?」回答結果

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「上がっている」と感じるメンバーからは、
「集中して考える必要がある仕事を効率的に行えるようになった」
「自分の与えられたミッションを前に進める分には問題ない」
などの声が聞かれました。また、Beforeコロナからフルリモート勤務をしていた地域在住のメンバーからは、「Slackコミュニケーションが増えたため、重要な情報がSlack上で共有されないことが減り、効率が上がった」という声も上がりました。

一方で、「自宅のリモートワーク環境が整っていない」、「休園の影響で子どもの世話と仕事を両立する必要がある」などのメンバーは、個人の生産性が「下がっている」と感じる傾向にありました。

また、個人の生産性に関連して、定性コメントやヒアリングで特に目立った意見は、フルリモートワークによる「生活の質の向上」でした。
「通勤時間減った分を、家族との時間に当てることができるようになった」「子どもとごはんを食べられるようになってうれしい」
「平日にインプットの時間を取れるようになった」
など、個人の幸福な生活が、働き方を選べる環境によって後押しされていることが窺えました。

チームの生産性は、フルリモートワークによって「上がっている」と感じるメンバーが全体の約1割、「どちらともいえない」と感じるメンバーが約6割、「下がっている」と感じるメンバーが約3割という結果になりました。

参考:「フルリモートワークにより、チーム全体でのパフォーマンスは変化しましたか?」回答結果

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「下がっている」と感じるメンバーからは、
「誰が何を考えて、何をやっているのかが見えづらくなった」
「会議を設定するまでもない気軽な相談がしづらくなった」
「対面で会って話すことで生まれるアイディアがなくなり、発想が閉じやすくなった」
など、気軽なコミュニケーションの減少に起因する、チームのパフォーマンスの低下やアイディア創出の減少を気にするコメントが目立ちました。

また、チームのマネジャーやリーダーへからは、
「メンバーの心身の微妙な変化を掴むことが難しくなった」
「元々の関係性のあるメンバーだから1 on 1で状況をある程度掴めるが、新しいメンバーなど関係性を築く前のメンバーだと厳しいと思う」
などの声があがりました。

アンケートとヒアリングの結果から、フルリモートワークによって「個人の生産性」と「生活の質」は個人差はあれど上がる傾向にあるということが分かりました。一方で、チーム運営やチームを越えた協働には課題もあり、こうした課題に手を打たないと中長期的に組織全体に悪影響を及ぼしそうであるということも分かりました。

個人とチーム、それぞれが働き方を選択できる働き方

結果として、私たちは前述の選択肢②を選択しました。

②:社員がある程度の自由度を持って働き方を選択できるオフィス
社員が集まりたい時に集まるための場としてオフィスを持ち、働き方の多様性を担保する。毎日30%程度の社員が出社をすることを想定。
月あたりのコスト:50〜70%減
Withコロナの働き方:フルリモート勤務可、出社可
Afterコロナの働き方:フルリモート勤務可、出社可

コスト面の理由に加え、社員全員がほぼ毎日出社することを前提にしたオフィスは、(現時点では)個人の選択肢を狭め、「個人の生産性」や「生活の質」を下げることになるのではないかと考えたためです。通勤時間で人生の時間を消費せず、家族との時間や自己研鑽、新たなチャレンジに時間を費やしてほしいと考えています。

一方で、オフィスは気軽な雑談やコミュニケーションを通じて「チームの関係性づくり」や「アイディア創出」を促すための場として持つことにしました。ABEJAで過去に生まれた自由研究的なプロダクトや取り組みは、メンバー同士の気軽な雑談がきっかけで生まれているものが多く、そうしたカルチャーを失いたくないという思いがありました。

最終的に入居を決めたのは、「WeWork」。社員数の30%程度の広さのプライベートオフィスをthe ARGYLE aoyama 内に設けています。加えて、全国のWeWorkの共用スペースを使うことができる「We Passport」を全社員に配布しています。

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the ARGYLE aoyama 内に設けたプライベートオフィスの一部

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the ARGYLE aoyama 内の共用スペースの一部

現在は新型コロナウイルス感染症の影響があるため、フルリモートワーク勤務可、オフィスへの出社は任意で認めています。

週のうち1日を出社推奨日にしているチームもあります。特に、Afterコロナには、そうしたチームビルディングのためのルール設定もチームごとに自由にできるようにしたいと考えています。

オフィス選択において重視したのは、「柔軟性」

オフィス移転プロジェクトをリードした、管理責任者の森田潤也(もりた・じゅんや)さんは、「今回のオフィスの選択もあくまで仮説検証のひとつ」であると言います。

ーーコスト面やWithコロナの働き方を踏まえると、「オフィスを無くす」という選択肢もあったと思いますが、無くさなかった一番の理由は何ですか?

森田:「チームの生産性」や「アイディア創出」など、それらしい理由は沢山あるのですが、一番はシンプルに、「 やっぱり会わないのは寂しいよね」ということでした。

フルリモートワークをはじめてすぐに、社内メンバーから「寂しい」「会いたい」という声が上がりました。「自分はリモートの方が集中できるので、フルリモートでも構わない」と言っていたエンジニアでさえ、「さすがに寂しい」と言っていました。

「ここに行けば、誰かに会える、仲間がいる」という場があること自体に価値があると思っていました。

実際に移転して、集まるメンバーの笑顔をみていると、「やっぱり場所があって良かったな」と思います。
※オフィスの完全移転は9月1日の予定ですが、8月1日より新オフィスを使うことができるようになっています。

ーー最終的に移転先のオフィスを選んだ決め手は何ですか?

森田:柔軟性の高さが一番の決め手です。

「一人で集中したい」、「チームで集まって話したい」、「家族との時間を大事にしたい」、「勉強に時間を割きたい」など、メンバー1人ひとりが持つ希望を、可能な限り叶えられるオフィス選択にしたいと思っていました。

「どこで」、「どんな風に働くのか」を、日や気分によって柔軟に選択できる幅が1番広くなる選択肢を選びました。

ーーこれからの働き方についてどのように考えていますか?

森田:正直に言うと、何も決めていません。働き方も働く場所も、やってみながら考えるしかないと思っています。今回の選択も「仮説検証のひとつ」です。

現時点で可能性は低いですが、「やっぱり社員が毎日集まった方が良いよね」、「やっぱりオフィスは要らなかったね」となる可能性もゼロではありません。そんな時に、WeWorkであれば、「社員全員が入るプライベートオフィスを借りたい」、「プライベートオフィスは5人分のスペースで十分なので縮小したい」などの変化に柔軟に対応できます。退去時の原状回復や、新オフィスの工事などの、通常であれば時間とコストがかかる工程が不要であることも大きいです。

Withコロナ/Afterコロナの環境下で、働き方のPDCAを回していく

Withコロナ/Afterコロナの環境下での働き方は、どこの会社も試行錯誤している最中だと思います。私たちも、「皆が集まりたくなる場づくり」、「フルリモート下でのオンボーディング」、「チーム間のコミュニケーション」など、課題は山積しています。

今回の移転に際して、私たちは現時点で最適解だと思うものを選びましたが、将来にわたっての最適解であるとは限らないと思っています。

私たちは、これからも働き方と働く場所のPDCAを回しながら、「ゆたかな世界を、実装する」にチャレンジしていきます。

これからもよろしくお願いします!

【#私たちはつながっている】について
新型コロナウイルスを機に、今まで当たり前だった風景や意味を考えていくシリーズ。随時更新していきます。

ABEJAでは、ゆたかな世界の実装に向けて、仲間を募集しています!
オンライン面談も毎日受け付けておりますので、まず話を聞いてみたいという方は、移転ブログをご覧いただいた旨を記載の上、お気軽にエントリーください。

文:高橋 真寿美(たかはし・ますみ)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズに新卒入社、大手企業向け人材開発やコンサルティングに従事。その後、経済産業省に出向。地方創生やベンチャー支援などに関わる。2019年ABEJAに入社。HRとして、エンジニア採用や人事企画、組織開発に携わる。PRとGR(Government Relations)を兼務。
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AIの実装を手がける企業ABEJA(アベジャ)で働くテクノプレナーたちの日常・素顔を発信しています。 テクノプレナー:『ゆたかな世界』を問うリベラルアーツと実現するテクノロジー。この2つをアントレプレナーシップで循環し、推進する行動姿勢を体現する人たち。略して「テクプレ」。
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