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ベトナム少数民族|タイ族の村で過ごす4週間(3/4Week)〈タイ族伝統文化編〉

いま、私はモクチャウの少数民族観光村に滞在しています。まだ私が生まれてもいない、昔の日本、テレビ越しに見たあの景色を思い出させるようなノスタルジックな場所で、Vat(バット)村というタイ族の素敵な村です。あっという間に3週が過ぎてしまいました。

接客英語のレベル向上したいという村の人向けに英語教室を夜20時~21時で開催しています。

英語教室前のおしゃべりタイム

村の方は畑仕事やホームステイやお土産屋さんなど、普段のお仕事に+αで参加してくれています。女性たちはさらに、家族の夜ご飯のお世話を終えてからの英語教室です。
拙いベトナム語で英語をお伝えするので、それはそれは教える方も、教わる方も大変なんじゃないかと思いますが、わたしがベトナム語の声調を間違えていれば直してもらい(笑)、ベトナム語の使い方が間違っていれば教えてもらい(笑)、どっちが言葉の勉強をしているのか分からないですが、和気藹々とと楽しく英語教室をさせてもらっています。最近は犬まで参加してくれるようになって、参加してくれるみなさんには本当に感謝です。

新しい仲間。お父さんについてきて聴講してるよ。

さて、私が滞在しているVat村は、モクチャウの中心部から車で約15~20分の場所にあります。自然が豊かで、車やバイクの音がほとんど聞こえない長閑な場所です。モクチャウお気に入りスポットランキングを作るなら間違いなくベスト3に入る場所。村の人も優しくて大好きな場所なので紹介させてください。

今回は、村のみなさんとの日々の交流の中で教えてもらったタイ族の文化や、わたしが感動したことをいくつかご紹介したいと思います。


タイ族の衣食住〈衣〉

タイ族の女性たちは結婚式や旧正月などお祝い事の際に、Ao Con(アオコン)と呼ばれる民族衣装を着ます。体のラインがきれいに出る民族衣装でとってもすてきなんです。村では民族衣装の貸し出しもしているので、記念に民族衣装を着て写真撮影もできます。

カンピョウという頭巾をつけるのが正装

ベトナムのタイ族は、白タイ族と黒タイ族という2つに分けられます。モクチャウに住んでいるタイ族のほとんどは白タイ族と言われていて、Vat村白タイ族の村です。

特徴は民族衣装にあって、白タイ族の民族衣装は、襟の高さが低くフロント部分についている飾りの形が違います。かつては、白タイ族は白色のアオコンを着ていて、黒タイ族は黒色のアオコンを着ていたそうです。(今は厳格に守ることはなくなって自由に好きな色を着ているそう。)
現在も違うのは、頭髪。白タイ族の女性は自由ですが、黒タイ族の女性は結婚したら大きなお団子頭にするのが今でも決まりなんだそうです。

黒タイ族女性 黒いアオコンに大きいお団子
バイク文化のベトナムでは黒タイ族用のヘルメットもあるんです。
(写真:https://file1.dangcongsan.vn/data/0/images/2023/04/20/upload_2674/xoe-thai-son-la-td.jpg?dpi=150&quality=100&w=780 より)

タイ族の衣食住〈食〉

お気に入りスポットベスト3に入る理由は、タイ族ごはんにあると言っても過言ではないかもしれません。タイ族の方はお料理上手!ごはんがとても美味しいんです。

ハマっちゃったらリピート間違いなし!
「無性に食べたくなるタイ族ごはん」ランキング トップ5
(旅行で来たらぜひ食べてほしいごはんです。)
【1位】おこわ・・・5色のおこわはもちもち食感とほのかな甘みが病みつきに!砕いたピーナツをつけて食べると幸せUP。村ではコムラムという竹筒で作るおこわの調理体験ができるところもあります。宿泊先に問い合わせれば体験の調整をしてくれるのでぜひ!

紫色のおこわ
5色全部お花や葉っぱ、自然の素材を使って色を付けます

【2位】Thịt trâu gác bếp 水牛のジャーキー・・・タイ族の結婚式や、テト(旧正月)には必ず出てくるハレの日を祝う料理。水牛の塊肉に唐辛子やお塩、生姜、マッケン(タイ族が良く使う胡椒の仲間の特産品)をよく練りこんで、薪キッチンに吊るして燻製にします。燻製されたスパイスの香りとピリ辛な味が”やめられない止まらない”。

ジャーキーの燻製風景
とタイ族のキッチン

【3位】パーピントップ(伝統のおもてなし焼き魚)・・・タイ族伝統のおもてなし料理。お魚の中にハーブや調味料を詰めてじっくり焼き上げます。ふっくらしたお魚と伝統の調味料の相性も抜群。日本にはないお魚料理です。

スパイスたっぷり

【4位】Thịt Băm gói lá ひき肉の塊焼き・・・オリジナル配合されたスパイスで味付したひき肉を、葉っぱに包んで焼いたお料理。家庭でも作れそうだけど、タイ族の人がブレンドしたスパイスはなかなか再現できない味。レシピを教えてもらって普段のビールのお供にしたい一品。

盛り付け前の写真しかなかったのが悔やまれる…
タイ族風ハンバーグみたいな感じです

【5位】Măng ngọt 焼きたけのこ・・・ベトナムでは春だけではなく、ほぼ1年を通してたけのこが食べられます。中でもやわらかい焼きたけのこにタイ族の人がよく食べるほろ苦い野菜を使ったソースを付けて食べるのが癖になる美味しさ。お塩が効いているのがさらにGood。※わたしも勉強途中ですが、たけのこにはいくつか種類があり、Măng Ngọt (マン ゴット)と呼ばれるたけのこが、やわらかくて美味しいたけのこです。他にも苦い種類や、酢漬け用、などなどシーズンによって流通しているたけのこが違うみたいなのでプチ注意です。

これは苦いたけのこだった…(笑)
美味しいたけのこのときって写真撮り忘れちゃうんです

悩みに悩んだベスト5。ベトナム料理は日本人が親しみやすい味ですが、タイ族の料理はフォーをはじめとする他のお料理に負けないくらい美味しいので、ぜひ食べてみてください。

この3週間、お昼ご飯と夜ご飯をご一緒させてもらっているんですけど、ごはんが美味しくて幸せです。(山奥の田舎ですのでゲテモノにチャレンジしたい方は希望すればゲテモノチャレンジもできます。わたしもこの1年で5ゲテモノくらい振舞っていただきました。ちなみに今週もPía と呼ばれるゲテモノを…記録更新(笑))

日常ごはんも

タイ族の衣食住〈住〉

タイ族の伝統のお家は高床式の住居。寝ているときに野生の動物(ヘビやクマ)に襲われないようにという先人の工夫だよ、と教えてもらいました。
Vat村では、この高床式の伝統家屋を観光客の宿泊スペースとして提供しているお家が沢山あります。個室タイプも、大部屋・複数人宿泊タイプも選べます。

高床式のお家。宿泊の際はここに泊まれます。

夏は窓から入ってくる涼しい風と自然の音、そして蚊帳の中で過ごすゆっくり時間に癒されること間違いなしです。わたしはこの蚊帳の中でお昼寝する時間が大好きです。

伝わってほしい。窓から入る光と蚊帳の感じ。
扇風機を付けずにゴロゴロ。入ってくる風だけを感じる正午。

タイ族の伝統行事 Cau Mua

Vat村が属するMuong Sangコミューン(タイ族コミューン)の伝統行事に”Cau Mua”(カウ ムア)というお祭りがあります。毎年旧暦の2月15日に行われる雨ごいの儀式。少し前、今年は新暦の3月25日に参加させてもらいました。現在、ユネスコの無形文化遺産に申請中だそうです。

現在も農業中心の生活を送っているVat村で、天気は人々の生活を大きく左右します。この儀式では神様にお供え物を捧げ、シャーマンがタイ族の言葉で作物が育つのに十分な雨と豊富な作物、家族の健康と幸せを祈る祝詞を捧げていました。

村の人だけで執り行われるため部外者は入れない神聖なパートと、村の外の人も見学できるパートがあります。行事の最後にはソエタイという伝統舞踊を全員で踊ります。(観光行事化していないので地元の人の伝統行事色が強いです。)

祝詞、奏上中

私が感動したのは、いまでも昔のタイ族の言葉を使って祝詞をあげたり、昔の伝統をちゃんと受け継いでいること。
そして、シャーマンが祈祷中に雨に見立てた水を撒いたその瞬間、村の人たちがまるで本当に雨に恵まれているみたいに喜んでいたこと。ここの人たちは自然と一緒に暮らしているんだな~と気づかされたシーンでした。

最後に全員で踊る伝統舞踊 Xoe(ソエ)
一年の幸福と健康を祈って踊られています

ご興味のある方は旧暦の2月にこの伝統行事に参加してタイ族の伝統文化や村の人の生活に触れてみるのはいかがでしょうか。次回、Vat村でのホームステイや観光体験についてお届けします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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