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ロゴマークがシンプルになっていくのは当然の流れだけど、むかしから当たり前の事でもある



日本の企業のロゴマークには文字のものが多いが世界的にはロゴマークは文字を使わずシンプルな形が主流になりつつある、と言うブログがちょっと話題になりました。

世界的な企業はロゴマークに文字を使わなくなっているという記事だったのですがロゴマークのデザインの考え方として当然の流れかと思います。

取り上げられているのはグローバルな大企業ばかりで当然いろんな国でブランドが認知されなければいけないし、看板や商品いろいろなメディアなど広範囲で使うことを想定しなければいけないからです。

特にこれから大事なのはSNSやウェブでの発信。スマホの画面の中での小さなFacebookやInstagramのアイコンをどのように表現するかは大事なものとなっていくでしょう。

そこでこれからのロゴマークに関して造形的に大事なことをちょっと考えてみましたが、結局以前からロゴマークをデザインするうえで大切にしていることばかりでした。

シンプルな形状であること

解像度に制限がある小さな画面で小さなアイコンで見るときには複雑な形は認識しづらいと思います。幾何学形態をもとにしたシンプルな形状は記憶にも残りやすく覚えやすいと言う利点もあります。(反面似ているものがどこかにある危険性も)

再現のための色数が少なくてもイメージが壊れないこと

僕が主に手がけている農場や小さな事業者さんの場合印刷にかける費用を潤沢に使うことができない場合もあります。食品のパッケージ、特に軟包材と呼ばれるビニールの袋や、紙カップ等の場合は1色あたりの版代が高く、フルカラーで4色を使うことはなかなかできません。その場合は1色でも印象深く最大の効果を発揮できるロゴマークのデザインが必要になります。

改めてアップルやスタバ、Nikeのロゴを見てみるとこれだけの大企業なのに上記の条件を見事に反映しているといえます。

ましてや家族経営や小さな事業社の方としては、いかにコストをかけずにブランド感を統一的イメージで発信できるロゴマークのデザインが大事になります。

冒頭のブログでも書かれてましたが日本には家紋と言う伝統があります。僕もロゴマークと言うのは大企業であるとか家族型の農場であるとか規模の大小にかかわらず、現代の家紋であるべきと思っています。

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(家紋の集大成「紋典」)

家紋はもともとほとんどが黒と白の世界。それを掲げているものが誰なのか、どこに属しているのか。それを象徴し表現するとてもシンプルで力強いものです。

ロゴマークに求められるのはこの現代の家紋としての力強さ、視認性、記憶性ではないでしょうか。

今までにデザインしたロゴマークを載せてみます。主に農場や漁業、1次産業のロゴマーク。

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基本的な使い方としては、農場名やブランド名を文字で併記することが多いですが

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文字を消してもはっきりとロゴマークの個性が認識できると思います。


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さらに一色だけにしてもその形のイメージが保たれます。


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このようにシンプルなロゴマークは箔押しや、1色での展開など、様々な素材、場面、加工技術、コスト圧縮、などに対応しやすいものとなります。

●ロゴマーク制作事例として使わせていただいた農場/事業者様
上段右から左へ

なかや農場(北海道・旭川市)
福田農場(北海道十勝・本別町)
本山農場(北海道・美瑛町)
クロサワファーム(茨城県・ひたちなか市)
かみむろ製茶(鹿児島県・志布志市)
森農園(群馬県・高崎市倉渕)
北十勝ファーム(北海道十勝・足寄町)
協同組合マッシュ櫛渕(徳島県・櫛渕町)
十勝ふじや牧場(北海道十勝・清水町)
久保田農場(群馬県・太田市)
Revofish池下産業(北海道十勝・広尾町)
三光ファーム(群馬県・高崎市)
(敬称略)
ありがとうございました


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