見出し画像

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』私的Youtubeリンクまとめ

少し前に、村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』のYoutubeリンクをまとめた。

セコセコとリンクをコピペしながら、「そういえば『小澤征爾さんと、音楽について話をする』の最後に出てくる『ラプソディ・イン・ブルー』も今ならYoutubeにあるかも」と思った。探したらあった。驚くべき演奏だった。ジャズとクラシックが格好よく融合していた。

演奏で昂った気分に乗じて、他に登場する楽曲のリンクもいくつか集めてみた。主に聴き比べされている曲である。

なお次のCDに、この本の登場曲がより網羅的に収録されております。本記事が何かのとっかかりになれば幸いです。

第1回:ベートーヴェン ピアノ協奏曲第三番

カラヤンとグールド

・オーケストラとピアノが合ってない
・カラヤンはベートーヴェンの音楽が揺るがし難く自分の中に根付いている
・だから出だしから、ドイツ的というか、かっちりしたシンフォニー
・カラヤンには、グールドの音に器用に合わせるつもりは、まったくない

バーンスタインとグールド

・グレンは、実に自由にやっている
・さっきのカラヤンとの演奏に比べると、バーンスタインは独奏者にわりに自由にやらせて、自分はある程度その流れに合わせて音楽を作っていく

バーンスタインとゼルキン

・速いですね、これ。ええええ、速いなあ。これ、走ってるよ

小澤征爾とゼルキン

・指揮のディレクションはできているが、今ひとつ勇気がない
・バーンスタインの張り詰めた感じの演奏とは、雰囲気ががらっと違う
・ゼルキンの音は上品
・この演奏は小澤さんの方が、なんかずいぶん真面目

ザンデルリンクと内田光子

・内田さん、音が実にきれいだ。この人って、ほんとに耳がいいんですね
・第2楽章でピアノが終わってオーケストラが入るところは難しい
・でも、もっとうまく入れる


第2回:ブラームス 交響曲第一番

小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラ

・特別な何かがあるというか、ほかでは見受けられない一期一会ともいうべき緊迫感がみなぎっている
・これまで溜まっていたものが、わっと噴き出した。うんと時間があって、音楽がやりたくてもできなかった
・ホルンのバボラーク、とてもよかった。素晴らしい。まさに天才的


第3回:ベルリオーズ 幻想交響曲

・『幻想』の三つの変化はすごく顕著
・トロントの時はまだ三十一歳で、傾向としては『前へ前へ』というパワフルな演奏。音楽がたなごころの上ではねて踊っている
・ボストンでは、最高のオーケストラを得て、手のひらに音楽を包んで大事に熟成させているという感じ
・サイトウ・キネンになると、その包んでいた手のひらを少しずつ開いて、音楽に風を通し、自由にさせているという印象

小澤征爾とトロント交響楽団

小澤征爾とボストン交響楽団

小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラ


第4回:マーラー 交響曲第一番

・マーラーの場合、覚えるというより、その中に浸り込むことが大事
・それができないと、マーラーはできない
・しかし理屈がないから、一般リスナーは流れをつかんだり覚えにくい

小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラ

(葬送のマーチのあと、ユダヤの俗謡的な音楽が登場する箇所について)
・ユダヤ系の指揮者がやると、引っ張り方がすごくユダヤっぽくなる
・小澤さんがやると、そういう臭みがなくなる

小澤征爾とボストン交響楽団

・ずいぶんマイルド
・音がとてもよくまとまっているし、クォリティーが高い
・でも、もっと味を付けてもいい


第5回:プッチーニ ラ・ボエーム

カルロス・クライバー

・カルロス・クライバーが、スカラ座のオーケストラを連れて日本に来た
・一九八一年。テナーがドヴォルスキー。ミミ役がミレラ・フラーニ
・そのときの『ラ・ボエーム』を観て、小澤さん、『あ、これは俺にはできないな』と思った。余りにも良くて、これ以上のものはできない、と
・あとになって小澤さんもやっと『ラ・ボエーム』をやるようになった


厚木からの長い道のり:ラプソディー・イン・ブルー

小澤征爾と大西順子

・オーケストラはピアニストを理解
・聴衆もオーケストラとソリストが共同で成し遂げていることを理解
・その共感関係を出現させたのは、小澤征爾という特別な、並外れた存在


この記事が参加している募集

読書感想文

サポートされた者たちから受け継いだものはさらに『先』に進めなくてはならない!!