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誰からも可愛がられる子に

「みんなに可愛がられる子」
いつもニコニコしている子、人懐っこい子、相手を思いやれる優しい子・・・
こちらまでホッコリとした気分になりますよね。

これは生まれ持った性格で決まるのでしょうか

生まれもった性格もあるかもしれませんが、環境に因るところも大いにあると思います。
「うちの子は慎重派だから・・」
「おとなしくて目立たないから無理・・・」
というのではなく、
大切なのは、人の行動や物事をどのように捉えるか、そして感謝の気持ちを表せるかだと。

もう20年近く前の話になりますが、私は当時通っていた家庭教師先のお母さまの姿勢を見てそれに気づきました。
今回はそのお話です。

全員が「愛される家族」の謎

家庭教師先のSくん。
Sくんは、妹、弟の3人兄弟。全員がとても愛らしい存在でした。
学校でも、どこでも大事にされ、可愛がられる3兄弟。
私が行くたびに、「先生ぼくのためにありがとう。頑張ります!」と感謝の気持ちを伝えてくれます。
そしてお母さまも「先生、早い時間いつもありがとうございます。」
と深々とお礼を言ってくださいます。

ある日、一緒に食事に行った時のことです。
Sくんがお店の人に
「ご馳走さまでした。美味しかったです」
と挨拶しているのです。お店の人も満面の笑顔で、
「またきてくださいねー!!」
と嬉しそうでした。
万事がそんな感じ。

大手塾の宿題に追われていた日には、
私:「学校の宿題まで手が回る??」
Sくん:「学校の先生も、毎日遅くまで学校に残ってプリントを作ってくれているから、ぼくも頑張らなきゃ!!」
そう捉えるか・・・

「こんなに宿題を出すなんて!」と文句を言う子が多い中、私は感心してしまいました。
幼いながらも、Sくんは出会う人や物事に感謝しているのです。

そして、妹や弟も、Sくん同様に出会う人をいつも笑顔にさせていたのです。

私は「なぜだろう?」とずっと考えていました。

その理由はお母さまに・・・

家庭教師として通い続けていたある日、私は気付きました。
Sくんのお母さまは、誰に対しても感謝の気持ちを言葉にして伝えていたのです。
聞けば、子どもたちが物心つく頃から「感謝の気持ち」を話していたそうです

かしこまって「感謝の気持ちを持ちましょうね!」ではなく、
歩きながら宅配車を見かければ、
「雨なのに、大変ね!一生懸命宅配してくれるから、うちにも荷物が届いて助かるのよね」
パトカーを見れば、
「毎日こんな時間まで、私たちの安全のためにパトロールをしてくれて・・・ありがたいわね。お巡りさん無事に仕事を終われるといいわね!」
マンションの管理人さんに対して
「いつも綺麗にしてくれているから快適に住めるね」
そして、会えば心から
「おはようございます。いつもありがとうございます!」
と挨拶をする。
公園を通れば
「いつもキレイになっているね!誰かが朝来て掃除をしてくれたんだね!」
幼稚園の先生に対しては
「いつも朝早くからSくんたちのために。先生が大変そうな時は手伝ってあげてね」

と、こんな調子で折に触れて話し、子どもたちと一緒に感謝の気持ちを共有していたそうです。

Sくんは幼稚園の頃から先生が忙しそうにしていると、
「先生大丈夫?イス運ぶの手伝おうか?」
と、労いの言葉が自然に言えたようです。
幼稚園の先生も忙しい中どんなにか気持ちが癒されたことでしょう。

私に対しても、「先生いつもありがとう」を何度口にしてくれたことか。

Sくんは「将来は、今度は自分がたくさんの人のために役に立ちたい!」という気持ちで勉強に励んでいました。
怒られるから勉強するのではなく、こういう気持ちで机に向かえるなんてステキ。

お母さまは外の人だけでなく夫や子どもに対しても感謝の気持ちを持っていました。
「仕事してくれてありがとう」
「健康に育ってくれてありがとう」
お母さまこそ、仕事に家事に子育てに追われる中で、家族にいつも感謝していました。
だから家族みなが満たされ、家中ゆったり和やかな空気が漂っていました。

自分にないものを感じて不満になるのではなく、あるものを感じて満たされる。幸せになる能力はそのようなことか。とぼんやり感じたものです。

私も見習って、子育てでは、わが子と感謝のメッセージを共有できるよう心がけています。
感謝しているようで、逆に大切にされているような・・・
何だかポカポカ温かい気持ちになります。

みんなから愛され、可愛がられる子になれたら、将来も幸せですよね。
そのためには、親自身が物事の捉え方を意識し、感謝の気持ちを言葉にすることが大切だと感じます。
これからもSくんのお母さまの教えを心がけ、行動につなげていこうと思います。

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