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子どもが変わる注意の秘訣

先日友人が「正しいことを言う時ほど、相手に気を遣う方がいいね」と話していました。上司部下の関係の話だったのですが、親子関係にも同じことが言えるなと思いました。

正しいことでも、言い方によって
子どもに反発心が芽生えます。
親だからといって一方的に「べき」調の言葉を並べられたら素直に聞けません。
親が子どもに不満を持つのと同じくらい、子どもも親に対して不満があることがあるのです。
大切な我が子、良い関係性を保ちながら成長させてあげたいですね。
だけど、「気持ち」だけではなかなか変わりません。今回は子どもの心を動かす秘訣を考えてみたいと思います。

親と子は同じ立場で

親も一人の人間。親にも欠点があるものです。ところが、子どもの欠点に関しては「親」の立場で一方的に注意をしてしまいがちです。
子どもだって、親に対して不満や改善して欲しい点がたくさんあります。
まずはそのことを認識する必要がありそうです。

子どもなりの言い分もあるでしょう。それを聞かずに頭ごなしに注意をしたり、責めつけたり、不快な言い方をすると
「悪いのはわかっているけど、そんな言い方をしなくても」
「自分ばかり主張してくる」
と感じてしまい、素直に受け入れることができなくなります。日頃、子どもが素直に言うことをきかなくて困っている親御さんは、そこを確認してみてください。

そこで、親が強権的な立場ではなく、『対等な立場になって、お互いに改めて欲しいことを言い合える関係』を作ることをお勧めします。

親が子どもの主張に耳を傾けたり、自己の非を認めたりするだけで、親子関係がぐっと近くなり、子どもも親の忠告を素直に受け入れやすくなります。
子どもがそうなったらしめたもの。
我が家の場合、火がつけっぱなしになっている時や、牛乳が出しっぱなしになっている時など、息子に注意をされてしまいます。
忙しいとつい「わかってるって!」「今やろうとしていたところ!!」と言いたくなりますが、ぐっとこらえて「ありがとう」と言ってすぐに対応します。
その結果、私が注意をすると息子からは「ありがと」という言葉が返ってきます。
コツは伝え方にあります。「大丈夫?と心配する口調」で伝えるのです。
「もう8時だけど、宿題しなくて大丈夫?」
「明日の準備しなくて大丈夫?」など
そのような形で伝えられたら、子どもは素直に言うことをきくようになります。
仮に宿題の場合、それでもしない場合は、それ以上言わず見守ります。
すると、9時になってから始めたり、次の朝になって慌ててやったりしています。
寝不足に・・・ 遅刻しないか・・
と頭をよぎりますが、子育てを長い視点で捉えると所詮小さなこと。
たとえ失敗したとしても、次に前を向ける親子関係を築く方がずっと大切なのです。

意識すれば改善できること

子どものあれこれは、子ども自身が意識をしないと改善は難しいのです。
例えば脱いだ洋服をたたむ、プリントを出すなど。
本人が「気を付けよう」と思う気持ちを持つことが大切です。そのためには、「親が言いたい時」でなく、「子どもが受け入れられそうな時=気分のいい時」に働きかけましょう。おやつを食べている時やお風呂に入っている時がお勧めです。
お子さんの性格や年齢によってもいろいろな言い方があると思いますが、問題点を話し「少しずつでいいからやれるようにしよう 」「どうすればできるかな?」「自分でやってくれたらお母さん助かるんだけどな」など、子ども自身が「やってみよう」と思えるような働きかけをしてみてください。

私自身、子どもがハンガーに制服を掛けるようになるまで、恥ずかしながら数年かかりました。
自分の中でおおまかな覚悟を決め、半分はそっと掛けてあげていました。
(学校は大変なんだな。頑張っているんだな。と思うようにすると気持ちが和らぎ気持ちよくやってあげられますよ)
残りの半分は、テレビを見ていたらコマーシャルを見計らって
「テレビが終わったら制服掛けてね」と声をかけます。
「うん!」
いい返事が返ってきます(よしよし!)
けれども、事はそんな簡単に運びません。
終わったらすっかり忘れて自分の部屋へ行こうとします。
「制服掛けてね」
と再度笑顔で声をかけます。やっと目標が達成します。そして、欠かさず
「ありがとう。助かるわ~」と声をかけます。
息子はちょっぴり誇らしく嬉しそう
そんな作業を続けているうちに、気づくと制服を掛ける習慣が身に付いていました。時間がかかりましたが、今では気持ちよくやってくれています。

「みんなが使う所だから片付けろ!」「しわくちゃになるだろう!」「自分のことだからしっかりやりなさい!」
どれも正論ですが、子どもは正論では育ちません。親の優しさと忍耐で育つのです。

怒りに任せてやらせていると、「前向きにやろうとする気持ち」は育ちません。うるさいから、めんどうくさいから渋々やるのです。
それでは心が伴いません。
表面上は同じ行為ですが、心の在り方は大きく違うのです。

意識していないこと

一方、自分では無意識にやっていることもあります。代表的なものとして、姿勢が挙げられます。子どもの「なおそう」と思う気持ちは大切ですが、姿勢は無意識に起るものなので周囲の協力が必要になります。
注意が重なるとお互いに嫌気がさしたり、ストレスになったりして家庭の雰囲気を損なってしまいます。
 そこで「なおしなさい」から「一緒になおそう」という、同志の関係を作ることをお勧めします。
実際に、背中が丸い時と背筋を張った時の状態を子どもに見せましょう。
違いは一目瞭然です。背中が丸いと老いて貧相に見えます。一方、背筋が張っているだけで、若さや前向きさがうかがえます。
「お母さんも若々しくいたいから、背中が丸かったら声かけてね」と言えば、喜んでホイホイ声を掛けてくれます。
「お母さん、背中が丸いよ!!」
と注意されたらもちろん「ありがとう」と、すぐに姿勢を改めます。
また、「姿勢がいいと素敵だね! ○○さんも背筋伸びているね 」と子どもが憧れる芸能人の名前を出すとモチベーションがアップしますよ。笑
同志の関係になったら、気持ちを害せず取り組むことができ、より最善の効果が期待できます。

指導者ではなく「協力者」

今回は、阿部教育研究所の子どもを育む「あべけんメソッド」の1つでもある、『子どもが素直に聞き入れる協力者の立場』をご紹介しました。

どの子も、お父さんやお母さんと仲良くしたいと思っています。
「伝え方」にはくれぐれも気を付けましょう。指導するのではなく、同志としてお互いに協力しあいましょう。
子どものためを思っての改善案は、伝わってこそです。子ども自身が「改善するために頑張ろう」と思えるような、あなたなりの工夫を考えてみてくださいね!
必ずお子さんとの関係UPにつながりますよ!

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