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挨拶から始めるコミュニケーション

大人社会の必須スキルのひとつに「コミュニケーション力」が挙げられます。コミュニケーション力は、仕事の場だけでなく日常生活でも大切ですね。どんな時でも必要になるこの力は、子どものうちから伸ばしておきたいところです。
コミュニケーション力というと、言語力向上や論理的思考など難しく考えてしまいがちですが、まずは簡単にできる「挨拶」から始めてみませんか。

簡単とは言え、実はなかなか奥が深い挨拶。今回は「挨拶を通じてコミュニケーション力を養う」について考えてみたいと思います。

挨拶の訓練?!

阿部家には4人の男児がいますが、それぞれ小さい頃から挨拶を習慣づけていました。と言ってもいきなりできるものではないので、ちょっとしたすきま時間に挨拶練習を楽しんでいました。

その方法は、私が「おはようございます!」と元気に発声した後に子どもたちが「おはようございます!」と言います。(半分おふざけが入っています。怖い顔をして真剣にやるとついてきません。笑)
その調子で「こんにちは!」「いつもお世話になってます!」と言い合い、今度は子どもが教官になり後に私が続けます。

また、何かしてもらった際に「すみません」ではなく「ありがとう」、結婚が決まった先生には「おめでとう」など、ちょっとしたことだけど色々と教え込んでいました。

何を言ったらいいかわからなくて挨拶できない場合も多いので「挨拶しなさい」だけでなく、具体的な言葉を教えると挨拶がしやすくなります。そしてポイントは「元気よく、相手の顔を見て」です。

訓練(?)の甲斐あってか、我が家の子ども達はどこでも誰にでも気軽に挨拶をしていました。保育園のママ友からも「〇〇ちゃんは挨拶が上手だね!」と褒められて本人達も気分が良さそうです。

挨拶は難しい?

そんなある日、長男にスランプが訪れます。

「挨拶をしても返事してくれない人もいる。どうしてだろう。挨拶って難しいね・・・」と、ぽつりと言いました。子どもなりに傷つきながらもがんばっていたようです。

挨拶を負担に思わない子どもがいる一方、勇気を出してしたのに「反応がなかったらどうしよう」などと考えて、したくてもできない子もたくさんいます。繊細な子ほどそうなのかもしれません。
だけど、一方通行になることを気にしないで挨拶ができるようになると、メンタルも強くなります。会話の場合は相手の都合を気にしたり、言葉のキャッチボールをしなければと考えて身構えてしまったりしますが、挨拶は一瞬です。空気を読む必要もないでしょう。
「お返事してもらえるかな?」と思うと勇気がいるし緊張もします。もしお子さんがそのように感じているのであれば、「相手の返事なんて気にしない。こちらの元気を配るつもりですれば良いのよ!」とアドバイスしてあげてくださいね。反応がなくてもOK、あればラッキーくらいの気軽な気持ちで。取り組んでいるうちに、慣れて簡単にできるようになりますよ。

成長のチャンスが降ってくる

挨拶がきっかけで、その後会話に発展することもあります。

再び我が家の事例ですが、子どもが小さい頃は一緒によく銭湯に行っていました。客層は高齢の方が多く子どもはあまり見かけません。わが子達は、言っても聞かないしいたずらもするので、目を離すと何をしているかわからずドキドキでした。そんな親の心配をよそに、子ども達はお客さんに挨拶をして楽しそうに話をしていることもしばしばありました。
しかし子どもが好きな方ばかりではありません。中にはうるさそうにする方も当然います。また、水をはねてしまったり出しっぱなしになったりしている時に、注意をされ緊迫した雰囲気になることもありました。だけどこれは成長のチャンスです。こういう時にどうしたら上手にやり取りを交わせるかの勉強になります。

子どもに「どうしたら良い?」と考えさせると「ごめんなさい」と謝りに行きます。そうすると快く許してくれ、そのうえその方とも仲良くなったりして、人間関係の醍醐味を味合わせてあげることもできます。もしも、お許しくださらない場合でも、いろいろな人がいる!と知る機会にもなります。挨拶をきっかけに会話につなげ社会を学ぶこともできるのです。特に世代の離れた方との温かい会話は、学校ではなかなか体験できないことなので、良い思い出や経験になると思います。

知らない人は悪い人??

そんなこんなで、人見知りをしない我が家の子たちは、ありがたいことに出先や旅先でたくさんの方からお声を掛けて頂きました。挨拶をきっかけに知らない人でもすぐに打ち解けていく姿を目を細めて見守る日々。
ところがある日、長男が学校から帰ってくるやいなや、「お母さん!知らない人と喋っちゃいけないんだって!!」と。「な、なに!?」突然のことでよくわからない私。すると、長男は学校で配られた冊子を見せてくれました。防犯のための冊子でした。

これでは、知らない人=怖い人&悪い人です。
私「悪い人もいるけれど、いい人もたくさんいるよ!話していればどんな人かわかるでしょ」
長男「いい人に見せかけて悪い人もいるって先生言っていたよ~」
冊子を一通り読んでみたところ、子どもを守るためには知らない人に近づかせないようにすること!とのことでした。
防犯への配慮は当然必要ですが、恐れるあまりコミュニケーションの機会を失うのはもったいないことだな、と感じてしまいました。これについては正解がありません。
非常に難しい問題だと思いますので、各ご家庭や学校で方針を話し合ってみるのも良いかもしれませんね。

コミュニケーションの第一歩は挨拶から

ここまで見てきたように、挨拶は簡単なようで、環境・性格などの課題があるのも事実です。だけど挨拶されて気分が悪くなる人なんていないでしょう。元気に明るく挨拶をすれば自分も気持ちよくなれます。それだけでもメリットです。挨拶が出来る出来ないは、ほんの些細な違い。あまりナーバスにならず気軽に挨拶をしてみませんか。繰り返すことで成長ができ、自然とコミュニケーション力がついてくることでしょう。

「いやいや、、、やっぱり怖いし難しい・・・」と感じる方は無理にハードルを上げる必要はありません。いきなり知らない人に挨拶する必要なんてないのです。まずはご家庭内、近所の方など、安心できる領域内で取り組んでみてはいかがでしょうか。

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