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腸腰筋のスタティックストレッチ[sstr-hj-001]

走るための身体の準備の専門家

ABCR菅原航陽

によるコンディショニングシリーズ


今回は


・股関節の伸展可動域を獲得する

・骨盤の過前傾をやわらげる

・腸腰筋の機能不全解消の準備


といった目的で使えるスタティックストレッチ
を紹介します!


腸腰筋、特に大腰筋は、走りの中で身体全体の前傾を導き、適切なストライドを獲得するために必要な筋肉ですが、機能が眠っていたり短縮しすぎていたりして上手く使えないことが多い筋肉です。


スタティックストレッチは不要という意見も散見されますが、個人的には、過度に緊張が高かったり短縮しすぎている筋に対しては、リセットの意味で行うことは必要ではないかと思います。


但し特にウォーミングアップ時には、スタティックストレッチだけを行ってから走り出すことはせず、伸ばした後には使えるようにスイッチを入れるエクササイズも併せて行うことをオススメします。



☆伸ばす筋肉☆

腸腰筋(ちょうようきん)

⇒そのうち、特に大腰筋(だいようきん)



☆やり方☆

①前後に脚を開いた片膝立ち状態になる。このとき、「足の甲の親趾側」と膝のお皿の内側がしっかりと地面につくようにしてください。

⇒外に逃げすぎると大腰筋が上手く伸びません


②その状態から骨盤の中心部分を前にスライドし、両手を高く上に引っ張り上げ、両肘同士をホールドして、やや後ろに倒れこみます。

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⇒筋肉の停止部位である大腿骨を後ろにスライドするだけでなく、起始部位や大腰筋が関わる筋膜ライン全体を伸ばすために、上半身も引き伸ばします。



☆ポイント☆

1.腰が反らないように行うこと!腰を反るのではなく、骨盤から肩までの面全体をやや後ろに倒す程度に。

⇒腰が反ると大腰筋が上手く伸びないだけでなく、腰椎や椎間板に大きなストレスがかかってしまいます。

⇒そのために、骨盤をスライドさせたり上半身を後ろに倒して「伸ばされる」感覚以上に、「お尻を締めることで腸腰筋を積極的に伸ばす」ような感覚を持つと良いと思います。


2.骨盤の平行を保つ

⇒ 後ろ脚側の骨盤が開いて(回旋して)しまうと、外寄りにある腸骨筋は伸びても中心にある大腰筋が伸びにくくなってしまいます。

⇒ 骨盤中心部分~膝の内側~足の甲の内側、という「身体の中心ライン」をずらさず前に押し出すような意識を持つと、大腰筋の伸びを感じやすいと思います。



☆+ワンポイント☆

このエクササイズについては単独で行うよりも、

Hip Extention

と併せて行うのが効果的です。

交互に行ってみると、ストレッチ後の方がスムーズに腸腰筋が伸びる感覚が出てくると思いますので是非試してみて下さい!



☆但し書き☆

身体の構造的な個人差や様々なパーツとの連動、タイミング等、走りを作る要素は非常にたくさんありますので、全てのエクササイズや動きの説明については、あくまでも一般的なこととして記載しております。

全ての方に同じ説明・同じ方法が当てはまるものではございませんので、ご質問等ございましたら


https://abcr.jp

までお願い致します。



「ただ走る」だけでなく、「走るための身体の準備」も併せて行うことが、より走りを楽しむために大切なことを広く伝えて行きたいと思っております。 よろしければサポートをお待ちしております!